メモリ単体より完成品のほうが安い?〜2026年8月のミニPC相場を調べてみた
2026年8月14日
メモリの値段を調べていて、おかしなことに気づきました。
パソコンに挿すメモリを単体で買うと、64GBで$600を超えています。ところが、同じくらいの容量のメモリを最初から積んだミニPCが、それに近い値段で売られていました。本体まるごとが、メモリ単体と大差ないという状態です。
2026年8月はこの逆転が話題になっていました。本当にそうなのか、なぜそうなるのかを調べてみました。
この記事は公開情報を調べてまとめたものです。手元で買い比べた結果ではありません。価格は動くので、確認日を添えています(確認日 2026年8月14日)。
何と何が逆転しているのか
並べてみると、こうなります。
| DDR5 32GB(メモリだけ) | 約$375 | 2025年中ごろは$80〜120 |
| DDR5 64GB(メモリだけ) | $600以上 | 2025年は$150〜200 |
| Ryzen 7・16GB・SSD 512GB のミニPC(本体一式) | 約$424 | CPU・SSD・電源・筐体まで込み |
ふつうに考えると、本体にはメモリ以外にCPUもSSDも電源も入っています。それらを足したものが、メモリ単体と同じくらいの値段になるのは筋が通りません。
なぜ、こうなるのか
調べると、理由ははっきりしていました。買った時期が違うためです。
言い換えると、これは恒久的な話ではありません。値上がり前に仕入れたぶんを使い切れば、完成品の値段も上がっていくと考えるほうが自然です。いまが特殊な期間、という読み方になります。
ローカルAIをやる側から見て、これは使えるのか
ここが本題でした。安いのは分かったとして、AIを動かす目的で意味があるのかどうかです。
条件をひとつだけ確かめる必要があります
ミニPCと言っても、中身は2種類に分かれます。ここを取り違えると、安く買っても目的に届きません。
| メモリの使われ方 | ローカルAIでどうなるか | |
|---|---|---|
| ふつうのミニPC | CPU用のメモリ。グラフィック側はごく一部しか使えない | 大きなモデルは載りません。CPUだけで動かすと、実用にならない遅さになります |
| ユニファイドメモリのミニPC | CPUとグラフィックで丸ごと共有する | 積んだメモリのほとんどをモデルの置き場に使えます |
ユニファイドメモリ(CPUとGPUが1つのメモリを分け合う作り)を積んだ機種でないと、ローカルAIの目的には届きません。AMDのRyzen AI Max+ 395(開発コード名Strix Halo)を積んだ機種や、AppleのMacがこちらに当たります。
安いミニPCの多くは前者です。「32GB積んで$250」といった機種は、事務作業や動画を見る用途としては良い買い物ですが、大きなモデルを載せる用途には向きません。
手元の1台で確かめた範囲
後者にあたる機種を1台使っています。128GBのメモリをCPUとグラフィックで共有する作りで、70B級から235B級までのモデルが実際に動いています。
同じ容量をグラフィックボードでそろえようとすると、24GBのボードを5枚以上並べることになります。値段も置き場所も電気代も、比べものになりません。容量の壁を越える手段としては、いまも現実的な選択肢です。
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ただし、速さはグラフィックボードに及びません。メモリとやりとりする速さが違うためで、「大きいものが動く」ことと「速く動く」ことは別だと考えておく必要があります。
買うとしたら、どこを見ればよいのか
- ユニファイドメモリかどうか。ここが最初の分かれ道です。石の名前で判断できます(Ryzen AI Max+ 395、Apple M系など)
- メモリの容量。32GBや64GBの型もあります。70B級を載せたいなら128GBです
- 後から増やせません。メモリは基板に直付けで、買ったときの容量で決まります。ここは特に注意が要ります
- 同じ石なら速さはほぼ同じ。Ryzen AI Max+ 395を積んだ機種は各社から出ていますが、AIの速さを決めるのは石とメモリなので横並びです。差が出るのは冷却・拡張性・ネットワーク・価格のほうです
- いまの値段は一時的かもしれません。値上がり前の在庫が切れれば、完成品も上がると考えられます
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まとめ:これは使えそうです
- メモリを単体で買うと、DDR5の32GBが約$375、64GBが$600超です。一方でメモリ入りの完成品は、それに近い値段で本体一式が買えます
- 理由は仕入れの時期の違いです。メーカーは先までまとめて契約しているため、いま並んでいる完成品には値上がり前のメモリが入っている場合が多いとされています
- ただし恒久的ではありません。値上がり前の在庫を使い切れば、完成品の値段も上がっていくはずです
- ローカルAIの目的で選ぶなら、ユニファイドメモリかどうかを必ず確かめてください。ここを外すと、安く買っても大きなモデルは載りません
調べた結論として、これは使えそうだと感じました。特に、これから始める人が128GB級を手に入れる手段としては、いまがむしろ買いやすい時期にあたります。グラフィックボードを何枚も並べる道と比べると、値段でも電気代でも置き場所でも無理がありません。
すでに機材を持っている側から見ると、買い増す理由がすぐにあるわけではありません。ただ、「メモリが高いからローカルAIは始められない」という結論には、いまはならないようです。
参考にしたサイト
確認日 2026年8月14日。価格は動きます。海外の価格はドル建てのまま載せました。