同じ石のミニPCは3機種だと思っていた〜探し方を変えたら14機種あって、NASにもノートにも載っていた
2026年8月7日
「同じチップの機械が、他にもあるはずだ」と言われました。
私が使っている GMKtec EVO-X2(以下、EVO-X2)は、AMDの Ryzen AI Max+ 395 という石を積んだミニPCです。128GBのメモリをCPUとGPUで分け合う作りで、大きなモデルが動きます。同じ石を積んだ機械として、私が知っていたのは3つだけでした。EVO-X2、その後継の EVO-X3、そして MINISFORUM の MS-S1 Max。
3社そろった、という記事を書こうとしていました。
探し方を変えて調べ直したところ、14機種見つかりました。しかも、ミニPCだけではありませんでした。
同じ石は、いくつの機械に載っているのか
2026年8月6日から7日にかけて調べた結果です。
私が知っていた3つは、全体の5分の1でした。
そしてNASとノートパソコンに載っているのは、まったく想定していませんでした。ミニPCの箱だけを見比べていたので、そもそも視野に入っていませんでした。
どの探し方で、何が出てきたのか
探し方を3通り試しました。これ自体が、調べものの参考になるかもしれないので書いておきます。
| 探し方 | 新しく出てきたもの |
|---|---|
| 日本語で「Ryzen AI Max+ 395 搭載 ミニPC 一覧」 | GEEKOM A9 Mega / ASRock AI BOX-A395 / MINIX ER939-AI |
| Amazonで型番を検索 | MINISFORUM AI NAS N5 MAX(NAS)/ ASUS ROG Flow Z13(タブレット)/ ASUS ProArt PX13(ノート) |
| 英語でメーカーを横断(開発コード名で) | Beelink GTR9 Pro / Framework Desktop / HP Z2 Mini G1a / Corsair / Abee AI Station 395 Max |
1つ目の探し方では、NASもノートも出てきませんでした。「ミニPC」という言葉を入れて探していたからです。自分が想定している形を検索語に混ぜると、それ以外は見えなくなります。
ひとつの探し方で見つからなかったことを「無い」と思い込むと、こうなります。今回はそれをやっていました。
日本で買えるのは、どれなのか
2026年8月7日にAmazonで確認しました。価格は同じ日のものです。
| 機種 | 形 | メモリ | 価格 |
|---|---|---|---|
| ASUS ProArt PX13 | ノート13.3型 | — | ¥456,565 |
| MINISFORUM AI NAS N5 MAX | NAS(5ベイ) | 64GB | ¥497,777 |
| ASUS ROG Flow Z13 | タブレット13.4型 | — | ¥509,801 |
| MINIX ER939-AI Pro | ミニPC | 128GB / 2TB | ¥618,946 |
| GMKtec EVO-X2(私の実機) | ミニPC | 128GB / 2TB | ¥587,999〜 |
| Beelink GTR9 Pro | ミニPC | 128GB / 2TB | ¥914,451 |
| HP Z2 Mini G1a | ミニPC | 128GB | ¥1,178,123 |
GEEKOM A9 Mega、Framework Desktop、ASRock AI BOX-A395 は、Amazonでは見つかりませんでした。日本で買えないという意味ではなく、この探し方では出てこなかった、というだけです。
同じ128GBのミニPCで、58万円から117万円まで開きがあります。倍です。
安いものには理由がありました
HPには39万円台のものもありました。同じ Z2 Mini G1a という名前です。中身を見たら、違いました。
| 石 | メモリ | 価格 | |
|---|---|---|---|
| HP Z2 Mini G1a(安いほう) | Ryzen AI MAX PRO 385 | 32GB | ¥391,155 |
| HP Z2 Mini G1a | Ryzen AI MAX PRO 395 | 128GB | ¥1,178,123 |
石が違い、メモリが4分の1でした。同じ製品名で並んでいても、中身は別物です。ローカルAIで使うなら、32GBでは大きなモデルが載りません。
それと、HPのものは「PRO」が付いています。企業向けの型で、管理機能や保証の条件が違います。名前が似ていても、同じ石とはかぎりません。
MINISFORUM の NAS も、メモリが64GBでした。「同じ石が載っている」ことと「同じように使える」ことは、別の話です。
ミニPC以外の形に、意味はあるのか
ここが、調べていて一番面白かったところです。
NASの形は、考えたことがありませんでした。ローカルAIをやると、モデルのファイルが数百GBに膨らみます。私の場合も、モデルだけで742GBありました。置き場と計算機が一つになっているのは、理にかなっています。
ノートとタブレットの形は、もっと分かりやすい違いです。持ち出せます。128GBのメモリを積んだ機械を、カバンに入れて運べる。データを外に出したくない仕事で、これは効きます。
ここから先は、各社の仕様と公開されている情報を読んで整理したものです。手元で測った数字が出てくるのは EVO-X2 のところだけになります。
値段は、形でどう変わるのか
同じ石で、58万円から117万円まで開いていました。何が値段になっているのかを考えてみます。
- メモリと保存容量。これが一番大きいはずです。128GBか64GBか、SSDが1TBか2TBか
- 電源と冷やし方。140Wクラスの石を小さい箱に入れて、静かに冷やすのは簡単ではありません
- ネットワーク。Beelinkの GTR9 Pro は10ギガビットの口が2つ付きます
- 保証とサポート。HPやASUSの企業向けの型は、ここが違います
- OSが付くかどうか。Windows 11 Pro が付く型と、付かない型があります
石が同じなら、計算の速さは大きくは変わらないはずです。値段の差は、石ではないところに付いています。
手元の EVO-X2 は、どこに位置するのか
14機種のなかで、私が実機で使っているのは EVO-X2 だけです。
1年近く使ってきて分かったのは、この石の値打ちは「128GBが一つながりで使える」ことに尽きるということです。グラフィックボードを買うと、載せられるモデルの大きさはそのボードのメモリで決まります。24GBのボードなら24GBぶんです。この石は、128GBまで一続きで使えます。
そのかわり、速度はグラフィックボードに及びません。メモリの帯域が違うためです。「大きいものが動く」と「速く動く」は別で、この石は前者に寄っています。
もう一つ、EVO-X2 を選んだ後で効いてきたのが、M.2の口から外にグラフィックボードを繋げるという点でした。私は OCuLink という規格で外付けのGPUを足しています。この足し方ができるかどうかは、機種によって違います。ノートやタブレットの形では、まず無理です。
買うなら、どこを見ればよいのか
- 石の名前を最後まで読む。「Ryzen AI MAX PRO 385」と「Ryzen AI Max+ 395」は別物です。製品名が同じでも中身が違うことがあります
- メモリの容量を確かめる。32GBや64GBの型があります。大きなモデルを動かすなら128GBです
- 形を先に決める。置きっぱなしならミニPCかNAS、持ち出すならノートかタブレット。あとから変えられません
- あとで足せるかを見る。外付けGPUを繋ぐつもりなら、M.2の口が空いているか、OCuLinkが出せるか
- 値段の幅を知っておく。同じ128GBで58万円から117万円まであります。何にお金を払うのかを決めてから選ぶほうが迷いません
まとめ
「3社そろった」と書こうとしていた記事が、14機種の話になりました。ミニPCだけを見ていたので、NASもノートも視野に入っていませんでした。
同じ石が、こんなに違う形で売られているとは思っていませんでした。選ぶときに先に決めるのは、メーカーではなく形のほうだと思います。机に置くのか、棚に置くのか、持ち歩くのか。それが決まれば、残る選択肢はかなり絞られます。
そのうえで、石の名前とメモリの容量を最後まで読む。同じ製品名で中身が違うものが、実際に並んでいました。
この記事で取り上げた製品
ミニPCの形です。
MINISFORUM MS-S1 Max(Ryzen AI Max+ 395 / 128GB)
¥650,399 Amazon・2026-08-01調べ
NASの形です。棚に置いて、家じゅうから使う場合。
持ち歩く場合。
正直な但し書き
手元で測った数字は EVO-X2 のものです。残る13機種は、メーカーの仕様と各社の情報を調べて整理しました。速度などの実測値は出していません。
機種の数は私が確認できたぶんで14です。市場全体では約30機種という報道があり、差の16機種については確認できていません。中国のメーカーが作っている携帯型も、日本で買える形か分からなかったので数えていません。
価格は2026年8月7日にAmazonで確認したものです。同じ製品でも出品によって幅があり、時期によって動きます。GEEKOM・Framework・ASRock の3機種は、この探し方では日本の販路が見つかりませんでした。「買えない」ではなく「見つからなかった」と読んでください。









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