3DGSを見てみたい〜無料ビューアーをWeb・スマホ・Steam・Questで調べた
写真や動画から3Dの場面を作る技術、3D Gaussian Splatting(スリーディー・ガウシアン・スプラッティング、以下 3DGS)の作品を、X や動画サイトで見かける機会が増えました。自分でも見てみたい、あるいは作ったファイルを開いてみたいと思ったとき、何を入れればよいのでしょうか?
本記事では、3DGS を見るための無料のソフトとアプリ(ビューアー)を、ブラウザ、スマホ、Steam、Meta Quest の4つに分けて調べました。読めるファイルの形式、価格、ストアの星と件数、必要なパソコンの性能を数字で並べ、使った人のレビューの良い点と悪い点から、どんな人に向くかを整理します。有料でも評価の高いものと、よく名前が挙がる定番は番外で触れます。
2026年9月28日時点の内容です。
3DGS とは?〜写真から作る「点の雲」の立体
3DGS は、いろいろな角度から撮った写真や動画をもとに、場面を小さな色付きのぼかし(ガウシアン)の集まりとして組み立てる手法です。ポリゴンで形を作る従来の3Dモデルと違い、写真に近い見た目のまま、好きな位置から眺められます。
できあがるのは、.ply(プライ)、.splat、.spz、.sog といった拡張子のファイルです。ふつうの画像ビューアーや3Dソフトでは開けないことが多く、3DGS に対応したビューアーが要ります。
形式によって大きさが違います。いちばん基本の .ply は粒1個に約240バイトを使い、100万個の粒なら約240MB です(当ブログの計算)。.splat は1粒32バイト、.spz は .ply の約10分の1、.sog は約15〜20分の1とされています。大きな .ply は、ビューアーによっては開けないことがあります。
調べた範囲と、評価の付け方
今回は当ブログのPCやスマホでは動かしておらず、公式の説明とストアの情報、レビューを読んだ調査です。ストアの星と件数は、各ストアの公開情報から取りました。App Store と Steam は2026年9月28日、Meta Store は2026年9月26日の値です(Gracia と Into the Scaniverse は9月28日に再確認)。App Store と Meta Store は日本のストアの値です。
評価は、高評価と低評価の両方のレビューを読み、よく挙がる良い点と悪い点をまとめたうえで、はじめての人が迷わず見始められるかを軸に当ブログの見立てとして書いています。点数で順位は付けていません。
3DGS の無料ビューアーを一覧で比べると?
今回取り上げたビューアーを、数字の分かるところだけ1枚の表にまとめました。詳しくは、このあと場所ごとに紹介します。
| ビューアー | 見る場所 | 価格 | 評価(星・件数) | 読める形式・必要な環境 |
|---|---|---|---|---|
| SuperSplat | ブラウザ | 無料 | GitHub のスター10,270 | .ply・.splat・.ksplat・.spz・.sog・.lcc。WebGPU が必要(Chrome・Edge、Safari 26以降など) |
| antimatter15/splat | ブラウザ | 無料 | GitHub のスター3,072 | .ply・.splat |
| Polycam の Web ビューアー | ブラウザ | 見るのは無料(ログインが必要) | — | — |
| Scaniverse | iPhone・Android | 無料 | App Store ★4.75(14,262件) | iOS 16.6以降・アプリ約244MB |
| Polycam | iPhone・Android | 基本無料・3DGS を作るのは有料プラン | App Store ★4.61(3,117件) | iOS 18.0以降・アプリ約521MB |
| Luma 3D Capture | iPhone | 無料 | App Store ★4.56(460件) | iOS 16.0以降・アプリ約42MB |
| KIRI Engine | iPhone・Android | 基本無料・上限は有料で拡大 | App Store ★4.28(130件) | iOS 15.0以降・アプリ約143MB |
| Gracia(Steam 版) | パソコン+VR ゴーグル | 無料 | Steam 賛否両論(40件中25件が好評=63%) | Windows 10・NVIDIA RTX 3070 相当以上・空き100MB |
| Gracia(Quest 版) | Meta Quest | 無料 | Meta Store ★4.6(46件) | — |
| Into the Scaniverse | Meta Quest | 無料 | Meta Store ★3.1(96件) | — |
| Hyperscape Capture(ベータ版) | Meta Quest 3 / 3S | 無料 | Meta Store ★3.6(320件) | 18歳以上・ネット接続が必要 |
| (番外・有料)Holo Picture Viewer | パソコン+VR ゴーグル | 2,100円 | Steam 好評(17件中16件=94%) | .ply・.spz。Windows 11・NVIDIA RTX 3060 か AMD Radeon RX 6600 以上・空き12GB |
ストアの星の平均は、件数が多いほど変わりにくくなります。Scaniverse の14,262件と KIRI Engine の130件では、同じ0.1の差でも重みが違う点に注意が要ります。VR で見る場合は、パソコンの GPU の条件が Gracia の RTX 3070 相当以上と、Holo Picture Viewer の RTX 3060 以上で異なります。
ブラウザで見るなら?〜入れずに開ける Web 版
インストールが要らず、ファイルをブラウザにドラッグするだけで開けるのが Web 版です。パソコンでまず試すなら、ここから始めるのが手軽です。
SuperSplat(PlayCanvas)
ゲームエンジンの PlayCanvas が公開している、無料でソースコードも公開されたビューアー兼編集ソフトです。自分のパソコンにある .ply をドラッグすれば表示され、不要な部分を消す編集から、公開、自分のサイトへの埋め込みまで一通りできます。superspl.at では、ほかの人が公開した作品も見られます。
2026年9月8日の版3.0で、描画の仕組みが作り直されました。開発元のリリースノートでは、440万個の粒の場面(.ply で990MB)を開いた例を挙げています。ブラウザが使うメモリーは、版2の1,557MB から版3では105MB に減ったとのことです。大きなファイルを開きやすくなった、という説明です。
- 良い点:無料で、見ることも直すことも公開することも1か所で済む/注釈やカメラの動きも付けられる
- 悪い点:2026年9月の版3.0から、ブラウザからパソコンの GPU を使う新しい仕組み WebGPU(ウェブジーピーユー)が必須になった。動くのは新しい Chrome と Edge、Safari 26以降、WebGPU を有効にした Firefox。古いブラウザや、ハードウェアの支援を切った環境では開けない(公式のリリースノートによる)
- 向く人:パソコンで、自分で作った .ply を開いてみたい人
antimatter15/splat
2023年9月に公開された、ブラウザで 3DGS を表示する初期の実装です。GitHub で3,072のスター(ブックマーク)が付き、いまも多くの紹介記事で名前が挙がります。.ply をドラッグすると、1粒32バイトの軽い .splat 形式に変えて表示します。.ply の約7〜8分の1の大きさです(当ブログの計算)。
- 良い点:軽い/ゲームパッドでも動かせる
- 悪い点:見る角度で色が変わる情報を捨てているため、.ply より見た目が単純になる。作者は README で後継の Spark を案内している。.spz や .sog への対応は確認できなかった
- 向く人:古めのパソコンで、とにかく軽く見たい人
Polycam の Web ビューアー
3Dスキャンのアプリで知られる Polycam のブラウザ版です。ファイルを開いて見るのは無料ですが、ログインが要ります。3DGS を作る機能は有料プランの範囲です。
- 良い点:作品を他の人に見せたり、埋め込んだりするのが手軽
- 悪い点:ログインが必要/3DGS のメニューの場所が分かりにくいという声がある
- 向く人:作品を人と共有するところまで考えている人
このほか、Spark(sparkjs.dev)は .ply、.spz、.splat、.ksplat、.sogs の5つの形式を読めます。ただしホームページに組み込む部品として作られており、コードを書かずに使う用途には向きません。Luma AI のブラウザ表示は、Luma で作った作品を見るためのもので、自分のパソコンにあるファイルを開く用途には使えません。
スマホで見るなら?〜撮って作って見るアプリ
スマホのアプリは、その場で撮影して 3DGS を作るものが中心です。見るだけのつもりでも、作る機能が付いてきます。
| アプリ | 対応 | 料金 | App Store(日本) | アプリの大きさ [MB] | 必要な iOS |
|---|---|---|---|---|---|
| Scaniverse | iPhone・Android | 無料 | ★4.75(14,262件) | 約244 | 16.6以降 |
| Polycam | iPhone・Android | 基本無料・3DGS は有料プラン | ★4.61(3,117件) | 約521 | 18.0以降 |
| Luma 3D Capture | iPhone | 無料 | ★4.56(460件) | 約42 | 16.0以降 |
| KIRI Engine | iPhone・Android | 基本無料・上限は有料で拡大 | ★4.28(130件) | 約143 | 15.0以降 |
Scaniverse(Niantic Spatial)
スマホの中だけで撮影から 3DGS 作りまで済ませられる、無料のアプリです。ネットにつながなくても処理できます。世界中の人が公開した作品を地図から見る機能もあります。
- 良い点:無料で回数の制限がない/処理が速いという声が多い
- 悪い点:最近の画面の変更で、交流の機能が前に出て使いにくくなったという古くからの利用者の声/撮れる距離に限りがある
- 向く人:スマホで、まず無料で作って見てみたい人
Polycam
App Store の評価の件数は3,117件で、今回のスマホアプリでは Scaniverse に次いで多い一本です。iPhone の距離センサー(LiDAR)を使ったスキャンと、写真からの作成の両方に対応しています。ただし 3DGS を作る機能は有料プランに含まれます。
- 良い点:機能が多く、作ったファイルを他のビューアーへ持ち出しやすい
- 悪い点:無料お試しの後の課金や返金をめぐる不満の声が目立つ/暗い場所や光る面では精度が落ちる
- 向く人:有料でもよいので、スキャン全般を1本で済ませたい人
Luma 3D Capture と KIRI Engine
Luma 3D Capture は iPhone 向けの無料アプリで、撮った作品を Luma のサーバーで仕上げます。手軽さと仕上がりが好評な一方、処理が途中で止まる、本体が熱くなるという声があります。なお、同じ会社の動画生成アプリ(Dream Machine)とは別物です。
KIRI Engine は Android でも 3DGS を作れる数少ないアプリで、アプリの中で不要な点を消す簡単な編集もできます。精度を褒める声が多い一方、動画から作るモードは写真より粗いという声があります。撮影の枚数の目安を守らないと、仕上がりが落ちやすいようです。
Steam で見るなら?〜パソコンと VR ゴーグル
Steam で配信されている 3DGS のビューアーは、まだ数が少ない状況です。無料で、いま使えて、自分のファイルを扱えるものは、今回の調べでは Gracia でした。
Gracia
VR ゴーグルで 3DGS の作品に入り込んで見る、無料のアプリです(2024年5月配信開始)。ほかの人の作品を見られるほか、自分の .ply を公開することもできます。Steam の必要環境は Windows 10 と、GPU は NVIDIA RTX 3070 相当以上、空き容量は100MB です。
- Steam の評価:賛否両論(40件中25件が好評=63%)
- 良い点:目の前に場面があるような見え方が新鮮
- 悪い点:左右の目で映像がずれるという不具合の報告/作品の数が少なく、増えるのが遅いという声
- 向く人:パソコンにつなぐ VR ゴーグルを持っていて、3DGS を立体で見たい人
このほか、Arcturus Vision Gaussian XR が 2026年9月28日に Steam で無料配信を始めました(Steam Frame 専用・PLY と SOG を読み込み・サンプル8シーン)。発売直後のため、レビューはまだ集まっていません。
Meta Quest で見るなら?〜ゴーグル単体で
Meta Quest 3 / 3S なら、パソコンにつながずにゴーグル単体で 3DGS を見られるアプリがいくつかあります。
Into the Scaniverse
スマホの Scaniverse で公開された、世界中の5万件を超える作品を旅するように見られる無料アプリです。
- Meta Store の評価:★3.1(96件)
- 良い点:作品の数が多い/よく撮れた作品は息をのむほどという声
- 悪い点:撮った人によって仕上がりの差が大きい
- 向く人:まず色々な作品を見て回りたい人
Meta Horizon Hyperscape Capture(ベータ版)
Meta 自身が出している無料アプリで、Quest のカメラで自分の部屋などを数分撮ると、その場を 3DGS で再現して中を歩けます。対応は Quest 3 / 3S で、18歳以上・本体のソフトが新しい版であることが条件です。
- Meta Store の評価:★3.6(320件)
- 良い点:はじめてでも迷わずきれいに撮れるという実機レビュー
- 悪い点:ベータ版(試用段階の版)のため機能に制限がある/ネット接続が要る
- 向く人:自分の部屋を 3DGS にしてみたい人
Gracia は Quest 版も無料で配信されています。Meta Store の評価は★4.6(46件)で、Steam 版の賛否両論(好評63%)よりも高めです。見え方の良さを評価する声は Steam 版と共通です。
番外〜有料でも評価の高いものと、定番
Steam の Holo Picture Viewer(2,100円・2026年1月発売)は、写真を立体に見せるビューアーです。ほかのソフトで作った 3DGS ファイル(.ply と .spz)も読み込んで、VR で見られると説明されています。評価は好評(17件中16件=94%)ですが、件数はまだ少なめです。Windows 11 と、GPU は NVIDIA RTX 3060 か AMD Radeon RX 6600 以上、空き容量12GB が必要です。無料の Gracia と比べると、GPU の条件は1段低く、容量は約120倍です。
ブラウザ・スマホ・Quest では、有料の専用ビューアーで評価の高いものは見つかりませんでした。無料のものが主流です。
定番として紹介記事によく挙がるのは、パソコンで 3DGS を作るソフトの Postshot(Jawset)です。作るためのソフトで、無料の枠は商用で使えず、書き出した映像に透かしが入ります。有料の Indie は月17ユーロからです(報道サイト Radiance Fields による)。
最初の1本はどう選ぶ?
| 持っている機器 | 最初の1本(当ブログの見立て) | 理由 |
|---|---|---|
| パソコン(新しいブラウザ) | SuperSplat | 入れずに開ける・自分の .ply を見られる |
| スマホ | Scaniverse | 無料で回数の制限がなく、撮影から見るところまで1本で済む。App Store ★4.75(14,262件) |
| パソコン+VR ゴーグル | Gracia | 無料で、いま使える数少ない選択肢。必要な GPU は RTX 3070 相当以上 |
| Meta Quest 3 / 3S | Into the Scaniverse | 作品の数が多く、見て回るだけで楽しめる |
古いパソコンで SuperSplat が開けない場合は、軽い antimatter15/splat を試す手があります。Quest で自分の部屋を撮ってみたい人は Hyperscape Capture、作品を立体の映像として見たい人は Gracia も候補です。
2026年10月の追記:Steam Frame と Quest の動き
Steam Frame 向けには、Arcturus Vision Gaussian XR が 2026年9月28日に無料で配信されました。PLY と SOG を読み込め、Steam Frame に入れた互換ファイルを自動で見つけます(Steam のストアページ)。Meta Quest 向けでは、UploadVR が9月に比較記事を出し、総合の見やすさでは Hyperscape、品質・操作・共有の組み合わせでは AirVis を推していました。AirVis は Quest 単体のアプリで、公開されたクラウドのシーンを見るほか、PC からのストリーミングにも対応します。どちらも試していません。 出典: Steam「Arcturus Vision Gaussian XR」ストアページ/UploadVR「The Best Ways To View Gaussian Splats On Quest」(2026年9月)/Radiance Fields(2026年9月のまとめ)この記事で言えないこと
どのビューアーも当ブログのPCやスマホでは動かしていません。表示の滑らかさや、大きなファイルをどこまで開けるかは、機器の性能とファイルによって変わるため、この記事からは言えません。ストアの評価は日々変わり、件数が少ないものは、数件のレビューで大きく動きます。Android の Google Play の評価は、集計元によって値が食い違ったため載せていません。
まとめ〜3DGS を見る最初の一歩は?
3DGS の無料ビューアーは、ブラウザとスマホでは選択肢がそろってきた一方、Steam では、無料でいま使えるものは今回の調べで Gracia の1本だけでした。スマホのアプリは App Store で★4.28〜4.75 と高めで、Quest のアプリは★3.1〜4.6 と幅がありました。スマホのアプリは「作る」が主役で、3DGS を作る機能を有料にしているものもあります。
パソコンがあるなら、まずは SuperSplat で公開作品を開いてみるのが、何も入れずに試せる最初の一歩です。自分でも作ってみたくなったら、スマホなら Scaniverse、パソコンで作るなら Spirula Studio のような無料のソフトがあります。VR ゴーグルが無く、作る予定もない人は、ブラウザだけで足ります。
参考にしたサイト
- SuperSplat/SuperSplat 3.0 のリリースノート
- antimatter15/splat(GitHub)
- PLY 形式/SPZ 形式/SOG 形式(PlayCanvas)
- SuperSplat(GitHub・読める形式)
- Polycam の 3DGS ツール
- Spark
- Scaniverse(App Store)/Polycam(App Store)/Luma 3D Capture(App Store)/KIRI Engine(App Store)
- Gracia(Steam)/Holo Picture Viewer(Steam)/Arcturus Vision Gaussian XR(Steam)
- Into the Scaniverse(Meta)/Hyperscape Capture(Meta ヘルプ)/Gracia(Meta)
- UploadVR(Into the Scaniverse の紹介)/The Ghost Howls(Hyperscape Capture のレビュー)
- Radiance Fields(Postshot)