コーディングに最適なローカルLLMはどれか〜7モデルを実測比較(2026年7月・24GB版)

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コーディング(プログラムを書く作業)に使うローカルLLM(手元のパソコンで動かす対話型AI。LLMは文章やコードを生成する大規模言語モデルのこと)を選ぶとき、結局どれが一番なのかを知りたくて、手元のGPUで横並びに測ってみました。本記事では、24GBのグラフィックボード(RTX 3090)に載るモデルを中心に、コード生成・リファクタ・デバッグの実課題を解かせ、合否と品質、速度をそろえて比較します。すべて筆者環境での実測値です。

結論から書くと、24GBでコーディングに使うなら、総合力では Ornith-1.0 の35B(MoE)、速さを最優先するなら qwen3-coder:30b、賢さも含めた万能型なら qwen3.6:35b-a3b が候補に挙がりました。上位は品質がほぼ横並びで、差がついたのは速度と安定性でした。以下、測り方と順位を順に見ていきます。

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測り方

測定環境と指標
GPU: RTX 3090(24GB)/ RTX 3060(12GB)・Ubuntu・ollama
量子化(モデルを圧縮し、省メモリで動かせるよう軽くすること): Q4_K_M に統一
・コード実課題(AEB)=生成・リファクタ・デバッグの7課題を解かせ、出力コードを隔離環境(ネットワーク遮断のコンテナ)で実行して合否と品質(100点満点)を採点。回答がばらつかない設定で、1課題につき1回。
・コード理解10問/推論8問=答えが一つに定まる問題の正答数(回答がばらつかない設定)。
・速度=1秒あたりの生成トークン数(256トークン×3回の中央値)。

総合ランキング(24GBに載るモデル)

# モデル サイズ 実課題 品質 コード10 推論8 速度
1 Ornith-1.0 35B(MoE) 21GB 7/7 95.7 10/10 8/8 95 t/s
2 qwen3-coder 30B 19GB 7/7 95.0 10/10 124 t/s
3 qwen3.6 35B-a3b(MoE) 24GB 7/7 94.8 8/10 8/8 98 t/s
4 gemma4 31B(dense) 20GB 7/7 95.9 10/10 7/8 23 t/s
5 qwen3 14B 9.3GB 6/7 96.2 10/10 8/8 78 t/s
6 Ornith-1.0 9B(dense) 5.6GB 6/7 95.4 10/10 7/8 97 t/s
7 qwen3 8B 5.2GB 7/8 130 t/s
速度はRTX 3090での値。qwen3-coder/qwen3 8B は推論8問の対象外(コード特化・小型のため割愛)。
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上位陣を見ていく

1位の Ornith-1.0 35B は、実課題7問すべてに通り、コード理解も推論も満点で、速度も95 t/s と速い。測った軸のどれを見ても上位に収まったのはこのモデルだけでした。MoE(必要な一部分だけを働かせて、少ないメモリで大きなモデルを動かす仕組み。混合エキスパート)という仕組みで21GBに収まり、24GBのカードにそのまま載せ切れます。総合で選ぶなら、まずこれを試す価値があります。

2位の qwen3-coder 30B は、品質こそ上位と横並びですが、何より速い。124 t/s で、1課題あたりの待ち時間も数秒に収まりました。コード特化だけあって、出力予測やバグ特定の課題でも危なげがありません。エディタ補完のように短い応答を何度も呼ぶ使い方なら、この速さが効いてきます。

3位の qwen3.6 35B-a3b は、推論8問も満点の万能型です。コード理解の10問では1〜2問を取りこぼし、純粋なコード力では上の2つに一歩譲りました。ただ24GBにぎりぎり載るサイズで、コンテキストを欲張らなければ高速に動きます。コードも文章も一台で済ませたい場合の候補です。

4位の gemma4 31B は、実課題の平均品質は今回の最高でした。一方で dense なモデルのため速度は23 t/s と遅く、待ち時間が長く感じられます。品質を最優先し、速度を許容できる用途向けです。

軽量でも侮れない

5位の qwen3 14B は、わずか9.3GBで推論もコード理解も満点をそろえました。実課題では1問落としましたが、サイズを考えれば十分以上の出来です。容量に余裕を持って載るので、扱いやすさも含め普段使いの候補に挙げられます。6位の Ornith-1.0 9B もコード理解は満点で、軽さを取るなら良い選択です。ただし実課題で1度、生成が長いループに陥って時間切れになりました。安定して任せるなら、上位のモデルのほうが堅実でした。

12GBの予算GPUで動かすなら

RTX 3060(12GB)でも、軽量なモデルなら快適に動きます。実測した速度は次のとおりです。

モデル サイズ RTX 3060 速度
qwen3 8B 5.2GB 129 t/s
gemma4 8B 9.6GB 92 t/s
qwen3 14B 9.3GB 77 t/s
Ornith-1.0 9B 5.6GB 61 t/s

12GBに収まるのは10GB前後までのモデルです。20GB前後の30B〜35B級は載りません。コード理解で満点だった qwen3 14B と Ornith-1.0 9B が12GBでも動くので、予算GPUならこの2本が中心です。なお qwen3 14B は、コンテキストを広く取ると12GBを超えてしまうため、長さは控えめにする必要がありました。

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用途別のおすすめ

総合で1本選ぶなら … Ornith-1.0 35B(全軸で上位・24GBに収まる)
速さ最優先・補完用途 … qwen3-coder 30B(124 t/s・待ち時間が短い)
コードも文章も万能に … qwen3.6 35B-a3b(推論も満点)
12GBの予算GPU … qwen3 14B / Ornith-1.0 9B(軽くてコード力は十分)

まとめ

今回の範囲では、コーディング用途の品質はトップ群でほぼ横並びになり、差がついたのは速度と安定性でした。総合では Ornith-1.0 35B が扱いやすく、速さを求めるなら qwen3-coder 30B、賢さも含めた万能型なら qwen3.6 35B-a3b という結果でした。30B〜35B級のモデルが24GBに収まって高速に動くようになり、家庭の機材でも実務に近い使い方ができる段階に来ていると感じます。なお、これは7課題という限られた物差しでの比較です。実際の使い心地は扱う言語やタスクで変わるため、最終的には手元のコードで試すのが確実です。

測定条件: ollama / Q4_K_M / 速度は生成256トークン×3回の中央値。実課題・コード・推論は回答がばらつかない設定で測定。数値は筆者環境(RTX 3090 / RTX 3060)での実測値で、モデルや量子化、設定により変動します。Mac環境は今回の測定対象外です。

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