DELL XPS 13 9300でOculus Questを使う ■Core i7-1065G7 /16GB /RTX3060Ti(eGPU)■

2021年1月28日

DELL様より、スタイリッシュなモバイルノートPC「XPS 13 9300」をお借りしました。このXPS 13 9300はThuderbolt3ポートを搭載していますので、GPUボックスを用いればVRを楽しめるのではと思い、検証してみました。本稿では、Oculus Questについてまとめます。

テスト機:DELL XPS13 9300のスペック

今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。

お借りしたモデルは、16:10の広々とした4k強の液晶を搭載したモデルです。

modelDELL XPS 13 9300
CPUCore i7-1065G7
4コア8スレッド 1.3GHz(TB 3.9GHz)
GPUCPU内臓GPU(Intel Iris Plus Graphics 940)
メモリ16GB
SSD512GB
HDDなし
電源45W
OSWindows10 Home 64bit

なお、XPS 13 9300は、DELLの公式サイトでは販売が終了したモデルです。

現行モデルはXPS 13 9310です。

DELL公式サイトで見る

用意した物:Razer Core X

項目Razer Core X
メーカーRazer
サイズ(高さx横x奥行き)(mm)230x168x374
内寸(mm)160x57x330
内蔵電源650W

電源能力が650Wと高めのGPUボックスです。これにRTX 3060 Tiを差してテストします。

Razer Core Xには、Thunderboltケーブルが付属しません。今回は下記のケーブルを用いてテストを行いました。

Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル (0.7m ブラック)【100W出力 / 40Gbps / 高速データ転送 / 4K対応 / 5K対応】MacBook iPad Pro 他対応
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GIGABYTE GV-N306TGAMING OC-8GD

GIGABYTE製のRTX 3060 Tiです。GIGABYTEのモデルの中では中の下と言ったモデルです。

Oculus Questを動かしてみる

Oculus Questを接続し、どれくらいの性能が出ているのかを確認していきます。目安として、PCが描けるフレームレートを用います。

フレームレートの観測方法

Oculusアプリのグラフィック設定を変更し、レンダリング解像度の設定を最小値「0.8x」と標準値「1.0x」と、最高値「1.3x」に設定して、各々のフレームレートをまとめます。

Oculus Questのグラフィック設定について

Oculus Questを接続する~Oculus Linkの配線の様子

XPS 13 9300の二つのUSB Type-Cは、両方ともThunderbolt3ポートとなっています。

このどちらかに、GPUボックスをつなぎます。GPUボックスには、XPS 13 9300への給電にも対応していますので、XPS 13 9300本体への充電ケーブルは不要になります。

Oculus Link用のケーブルは、余ったThunderbolt3ポートか、GPUボックスにUSBが付いているのであれば、そちらに接続する形となります。

右側:約10Wmみみgみ
左側:約10W

XPS 13 9300のUSBポートはどちらもPDに対応しており、十分な電力供給ができます。

Oculus Link中にOculus Questのバッテリー切れが起こることはありません。

Oculus Questのバッテリーの減りの検証

「BEAT SABER」のフレームレート

BEAT SABERについて

軽いVRアプリの代表格として、BEAT SABERをテストします。

フレームレートは240fps以上と全く重さを感じさせません。快適です。

「Half-Life:Alyx」のフレームレート

Half-Life:Alyxについて

リッチな映像を描画するアプリとして、Half-Life:Alyxを動かします。

画質の設定は、「低画質」と「最高画質」の2点でフレームレートを見ていきます。

レンダリング解像度を最大に上げても、フレームレート90fps程度を確保できています。Half Life:ALYXも快適に動作します。

「SteamVR Home」のフレームレート

SteamVR Homeについて

SteamVRを立ち上げると出てくるホーム画面です。SteamVRを起動する時には見ることになるので、ここが快適に動かなければ、ストレスを感じるでしょう。

こちらも、フレームレート90fps以上は確保できています。快適に動作します。

「Asgard’s Wrath」のフレームレート

Asgard’s Wrathについて

Oculus Link発表時に、同時に発表された大作RPGです。重たいVRアプリの代表格です。

Oculus Quest 2のレンダリング解像度設定「1.0x」ならば、アプリの画質を「高」にしてもフレームレート72fpsを確保できています。

ただ、レンダリング解像度を上げると、ロード時間が嫌に長かったり高速ターン時に画像の乱れが出てきます。

タスクマネージャーを見てみると、GPUにはかなりの余裕があるもののCPUに余裕がないことが分かります。

CPUがカツカツ状態なので、Windows内の駐留アプリの割り込みがあった時などに、カク付いてしまうのでしょう。

なお、RTX 3060Ti自身も70%と、使用率が上がってきています。

フレームレート測定結果まとめ

Oculus Quest解像度0.8x解像度1.0x解像度1.3x
BEAT SABER370fps303fps238fps
Half Life:ALYX 低画質174fps104fps94fps
Half Life:ALYX 最高画質127fps96fps92fps
SteamVR Home161fps106fps96fps
Asgard’s Wrath 簡単163fps131fps96fps
Asgard’s Wrath 高104fps78fps60fps

【セルの色】水色:86fps以上、黄色:72fps~86fps、赤:72fps未満
※:Oculus Questのリフレッシュレートの2割増し=86Hz、Oculus Rift Sのリフレッシュレート=72Hz

Oculus Questのフレームレートは72Hzです。これを超えていると、PCが十分な描写性能を持っていると考えていいでしょう。

XPS 13 9300 + RTX 3060TiでOculus Questを使用する場合、Oculus Questのレンダリング解像度を「1.0x」とすれば、大抵のアプリは快適に動作します。ただし、Asgard’s Wrathでは、CPUがボトルネックとなってしまっており、割り込みが入るとカクカクしてしまいました。レンダリング解像度「1.0x」以下でアプリの画質を「簡単」にすれば、チラつきなく動作ができました。

また、アプリに集中するためには、駐留アプリを出来るだけ少なくするなどの対策が必要になってきます。

まとめ

XPS 13 9300+RTX 3060TiでOculus Questは使えるのか?

XPS 13 9300+RTX 3060TiでOculus Questは十分使えます。

ただし、CPUがボトルネックとなることがあります。

Oculus Questのレンダリング解像度の設定は「1.0x」よりも上に上げても、あまりキレイに見えません。

実用レベルで考えると、今回のテスト結果では、ZenBook13+RTX 3060Tiで十分な性能が得られていると考えられます。

Oculus Quest 2はディスプレイの解像感も高く、Oculusアプリのレンダリング解像度はAutoのままでも十分綺麗に見えます。

XPS 13 9300は一世代前のモバイルノートです。Core i7とは言え、CPU性能に余裕はあまりありません。重たいアプリを使用する場合は、他のアプリが動かないような対策は必要になるものの、VRを楽しむことが出来ます。