ゴーグルが無くてもアバターの表情は動かせるのか〜Webカメラだけで足りる方法を調べた

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前回、VRのゴーグルを被ったまま表情を動かす方法を調べました。安いもので3,000円、完成度の高いものは16万円という世界です。

調べ終えてから、ひとつ引っかかりました。ゴーグルを持っていない人は、どうすればいいのだろう、と。

VRChatは、ゴーグルが無くてもパソコンの画面で遊べます。そちらのほうが人数は多いかもしれません。その場合、表情を動かすには何が要るのでしょうか。

結論から言うと、調べる前に思っていたのとまるで違いました。

2026年7月時点で調べた内容です。実機での確認はしていません。公開されている情報を整理したものとしてお読みください。

ゴーグルを被って使う場合は、こちらに書いています。

買うものは、ありませんでした

拍子抜けする答えですが、VRChatに最初から入っていました。Selfie Expression という機能です。

Webカメラで自分を映すと、その映像から表情を読み取ってアバターに反映してくれます。もともとは有料会員(VRC+)向けの機能でしたが、2025年9月6日の更新で全員が使えるようになったとのことです。

Selfie Expression でできること
追いかけてくれるもの
表情・視線・頭の動き
腕・手・指
必要なもの
Webカメラ1つだけ
スマホをWebカメラにしたものでも可
アバターの改造
要りません
口の形のデータを使うため、ほぼどのアバターでも動く
設定 → Tracking and IK → 「Upper Body Camera Tracking」をオンにして、カメラを自分に向けるだけです。

前回の記事で調べた方式は、アバター側にも表情を動かす仕組みが入っていないと使えませんでした。こちらは口の形のデータを流用するため、その手間が要らないようです。ここは大きな違いだと感じました。

映像は、外に出ていませんでした

自分の顔をカメラで撮る、と聞いて身構える方は多いと思います。私もそうでした。

調べたところ、カメラの映像は自分のパソコンの中だけで処理され、保存も送信もされないと明記されていました。顔の映像そのものがどこかへ送られるわけではなく、そこから読み取った「いまどんな表情か」という結果だけがアバターに渡る形です。

これも、手元でAIが動いている例です
このブログは「手元のパソコンでAIを動かす」ことを扱っています。カメラの映像から表情を読み取るのは、まさにその処理です。

そして遅れが許されない用途なので、そもそも外に送るという選択肢がありません。顔を撮られることへの抵抗と、外に出ないという安心が、同じ仕組みの表と裏になっています。

画質の設定も選べます。軽いほうは177×144の5コマ、重いほうは800×600の30コマ。手や指まで追わせる場合は、中くらい以上が要るとのことです。古いパソコンでも、軽い設定なら試せるということでもあります。

もっと細かく動かしたいなら、iPhone

標準の機能で足りない場合、次の段があります。iPhoneの顔認証用のカメラを使う方法です。

顔認証(Face ID)に使われている仕組みは、顔の凹凸を細かく読み取れます。これを利用すると52種類の表情データが取れるとされています。ゴーグル用の専用機材に近い細かさです。

使える機種Face ID が付いている機種(iPhone X / XS / XR 以降、iPad Pro 第3世代以降)が最も良い。Face ID が無くても A12 Bionic 以降なら可(iPad 第8世代・2020年以降など)
アプリUnreal Live Link Face(無料)/ iFacialMocap(有料)
つなぎ方WiFi でパソコンへ。遅れが気になる場合は有線の変換アダプタを使う手もある
注意長時間使いながら充電すると熱を持ち、性能が落ちる。冷却が勧められている

手持ちのiPhoneがあるなら、無料のアプリで始められます。置き場所は要るので、スタンドがあると楽そうです。

[kimono_kw name="スマホスタンド(角度調整できるもの)" kw="スマホスタンド 卓上 角度調整 アーム"]

できないことも、はっきりしています

ここは大事なところです。この記事の方法は、ゴーグルを被ると使えません。

理由は単純で、ゴーグルが顔を覆ってしまうからです。外からカメラで撮る方式なので、隠れた部分は読み取れません。公式の説明にも、ゴーグルを装着した状態では顔の下半分すら追えないと書かれていました。

つまり、こう分かれます
ゴーグルを被って遊ぶなら、この記事の方法は使えません。ゴーグルに小さなカメラを取り付ける方式が必要で、そちらは前回の記事に書きました。

逆にパソコンの画面で遊ぶなら、この記事の方法で十分です。専用の機材を買う必要がありません。

前回の記事と、値段を並べてみる

方法費用ゴーグルアバターの改造
Selfie Expression(VRChat標準)0円(Webカメラがあれば)被ると使えない不要
iPhone + Live Link Face0円(iPhoneがあれば)被ると使えない要る
自作(前回)3,000円〜被ったまま使える要る
PaperTracker(前回)13,000円〜被ったまま使える要る
Meta Quest Pro(前回)159,500円・生産終了被ったまま使える要る

並べてみると、値段の差は「ゴーグルを被るかどうか」で決まっていると分かります。被らないなら0円、被るなら最低3,000円からという構図です。

そして意外だったのは、いちばん安い方法が、いちばん手間も少なかったことです。アバターの改造も要らず、設定を1つオンにするだけでした。

まとめ:まず無料のほうを試してから決める

  • ゴーグルを被らないなら、VRChat標準の Selfie Expression が0円。2025年9月から全員が使える
  • 設定 → Tracking and IK → Upper Body Camera Tracking をオンにするだけ。アバターの改造も要らない
  • 表情だけでなく視線・頭・腕・手・指まで動く
  • カメラの映像は手元で処理され、保存も送信もされない
  • 細かく動かしたいなら iPhone。Live Link Face は無料で、52種類の表情データが取れる
  • ただし、どちらもゴーグルを被ると使えない。被る場合は前回の記事の方式が要る

前回は「安くても3,000円、高いと16万円」という話でした。今回は0円です。同じ「フェイトラ」という言葉で語られていても、前提が違えば費用が桁で変わります。

まず無料のほうを試して、物足りなければ次を考える。それがいちばん損のない順序だと思いました。

記事で触れた機材

手元に無い場合の、Webカメラです。標準の機能はこれ1つで動きます。

[kimono_kw name="Webカメラ" kw="Webカメラ フルHD 1080p オートフォーカス"]

iPhoneを使う場合の置き場所です。

[kimono_kw name="スマホスタンド" kw="スマホスタンド 卓上 角度調整 アーム"]

参考にしたサイト

Selfie Expression が全ユーザーで使用可能に(ぶいなび)
全員に開放された時期・設定の場所・追跡できる部位・画質の設定・映像が端末内で処理される点は、ここに準拠
iPhone / iPad(VRCFaceTracking 公式ドキュメント)
対応機種・アプリ名・接続方法・発熱の注意、そして「ゴーグル装着時は使えない」という記述の出典
Desktop(VRCFaceTracking 公式ドキュメント)
ゴーグルを使わない場合の選択肢の一覧

確認日 2026年7月31日。機能の提供条件や対応機種は変わります。導入前に公式でご確認ください。