VRChatでフルトラしたい〜予算別に、何を買えばいいのか調べた
VRChatのフルボディトラッキング(フルトラ)について、何が必要でいくらかかるのか、無料の方法から本格的な機材構成までをゼロから調べてまとめました。
フルトラは、自分の体の動きをそのままアバターに反映させる技術です。手を振れば振る、座れば座る、踊れば踊る。VRの没入感が一段変わると言われています。ただ、何を買えばいいのかわからずに迷う人も多いようです。
調べた結論としては、初めての1台にはHaritoraX 2(39,999円)が有力です。本記事では、予算ゼロの無料体験から本格フルトラ環境まで段階的にまとめていきます。
すでにVRChatをプレイしている人は①②④を持っているので、③だけ追加すればフルトラに踏み出せます。
なぜHaritoraXが最初の一台に向くのか:
ユーザー報告によると、初回の設定は30分ほど、2回目以降はセンサーを着けてPCと接続するだけで5分かからないとされています。
VRChat自体が重いゲームなので、フルトラのためにPCを買い替える必要はほぼありません。 すでにVRChatが動いているPCなら、トラッカーを追加するだけで済みます。
※品質スコアは公開スペックとユーザー報告をもとにした筆者の整理です。算出基準:
3点→6点の変化が最も劇的で、ここが「フルトラ」と呼ばれる所以です。
→ Quest 3Sの内蔵ボディトラッキング(IOBT)は上半身のみです。脚は動きません。フルトラにはトラッカーの追加が必要です。 Q. フルトラとフェイトラ(表情)は同時にできますか?
→ できます。フルトラ(体)とフェイトラ(顔)は別系統なので、両方を同時に使えます。フェイトラの選択肢については別記事で解説しています。 Q. IMUトラッカーの「ドリフト」って何ですか?
→ 慣性センサーの誤差が蓄積して、トラッカーの向きが実際とズレていく現象です。HaritoraX 2は地磁気補正でかなり抑えているとされますが、数時間の連続使用ではリセット(再キャリブレーション)が必要になることもあるようです。 Q. 寝転がったり、逆立ちしたりもできますか?
→ IMUトラッカーは可能です(重力方向を基準にしているため、激しい動きにも追従します)。Vive Ultimate Trackerも対応。一方、カメラ方式は寝転がると見失いやすいとされています。
読む前に、ご自分がどれに当てはまるかを選んでください。必要なものが変わります。
ゴーグルを被ったまま、表情も動かしたい方はこちらです。
ゴーグルを使わず、デスクトップやスマホで動かしたい方はこちらです。
カメラを積んだトラッカーが気になる方はこちらです。
まず全体像を知りたい方はこちらです。
目次
フルトラに必要なものの全体像
REQUIREMENTS
フルトラに必要なもの
①
VRヘッドセット
Quest 3S等
②
PC
VR対応スペック
③
トラッカー / カメラ
体の動きを取る
④
ソフトウェア
SteamVR + VRChat
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Step 0: 無料で試す(予算0円)
まずはお金をかけずに「フルトラっぽい体験」をする方法から見ていきましょう。VRChat Selfie Expression(公式機能・無料)
スマホカメラやWebカメラで、顔・頭・腕・手をトラッキングできる公式機能です。VRChat+の加入は不要で、誰でも使えます。- できること: 上半身の動きがアバターに反映される
- できないこと: 脚・足のトラッキング(下半身は動かない)
- 必要なもの: スマホ or Webカメラ(持っているもので可)
- 設定: VRChat内のメニュー(Tracking & IK)から有効化するだけ
MediaPipe VR Fullbody Tracking(OSS・無料)
Webカメラ1台でAI姿勢推定による全身トラッキングを行うオープンソースソフトです。- できること: 全身の動きを推定(脚も含む)
- 品質: 実験的。カメラから見えない部分は精度が落ちる
- 設定: やや手間がかかる(GitHub からダウンロード→設定)
Step 1: 低コストで始める(予算1〜3万円)
Kinect + Driver4VR(約5,000〜8,000円)
中古のMicrosoft Kinect(メルカリ等で3,000〜5,000円)にDriver4VR(Steamで購入)を組み合わせると、カメラベースのフルトラが可能になります。- 品質: カメラ方式としてはそこそこ。Kinect v2(Xbox One用)の方が精度が良いとされる
- 欠点: 設置場所の確保が必要、暗い部屋だと精度が下がる、遅延あり
- 向いている人: 「お試し」として割り切れる人
PICO Motion Tracker(11,800円/ペア)※PICO HMD(VRゴーグル=ヘッドマウントディスプレイ)専用
PICOヘッドセットを持っているなら最安クラスのフルトラ入門です。足首に2個つけるだけで使えます。- 品質: 基本的な脚トラッキングはできる
- 欠点: PICO専用。Quest等では使えない
- 向いている人: PICOユーザー限定
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Step 2: 本格フルトラ入門(予算4〜6万円)
ここが「ちゃんとしたフルトラ」の入口です。 IMU(慣性センサー)トラッカーを体に装着する方式です。HaritoraX 2(39,999円)— 最もおすすめ
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 価格 | 39,999円(税込) |
| トラッキング点数 | 6点(胸・腰・太もも・すね)。肘拡張セット追加で8点 |
| バッテリー | 胸・腰センサー約80時間、脚センサー約50時間 |
| 重量 | 胸・腰センサー約17g、太ももセンサー約6g |
| ベースステーション(部屋の隅に置く赤外線の基地局) | 不要 |
| メーカー | Shiftall(日本企業) |
- 日本語サポートが充実。トラブル時に日本語で問い合わせられる
- ドリフト(ずれ)が少ない。地磁気センサーと出荷前の個体別チューニングで補正する設計。ユーザー報告では1時間使ってもほぼズレないとされる
- バッテリーが長持ち。胸・腰センサーは約80時間、脚センサーも約50時間で、毎日充電する必要がない
- 胸・腰センサー約17gの軽さ。長時間つけても疲れにくい
- ベースステーション不要。部屋に追加設備がいらない
SETUP FLOW
HaritoraX 2 セットアップ手順
1
センサー装着
胸・腰・太もも・すね
センサー装着
胸・腰・太もも・すね
→
2
USBドングル
PCに挿す
USBドングル
PCに挿す
→
3
SteamVR
起動
SteamVR
起動
→
4
Configurator
接続・キャリブレーション
Configurator
接続・キャリブレーション
→
5
VRChat起動
フルトラ有効!
VRChat起動
フルトラ有効!
SlimeVR Butterfly(約42,000円/6個セット)— 2026年後半 出荷予定
オープンソースのIMUトラッカー。新世代Butterflyは厚さ7mm未満、重さ10g未満です。- 魅力: 究極の薄さ・軽さ、OSS、最大48時間バッテリー
- 注意: クラウドファンディング製品で、出荷時期は当初の2026年8月末予定から後ろ倒しされている(2026年後半の見込み)。まだ手元には届かない
- 向いている人: OSSが好き、SlimeVRコミュニティに参加したい人
今すぐ始めたいなら HaritoraX 2。 待てるならSlimeVR Butterflyも候補に入ります。
Step 3: こだわりのフルトラ(予算5〜10万円)
HaritoraX 2 Pro(53,899円)
HaritoraX 2の上位版です。完全ケーブルレスの8センサー構成で、足先用センサーが付属し、バッテリーは約80時間とされています。
- センサーの基本性能は無印HaritoraX 2と同じ。違いはケーブルレス設計と足先センサーの有無(肘を増やしたい場合は別売りの肘拡張セット13,900円)
- 足の精度を重視するならPro、コスパ重視なら無印HaritoraX 2
Vive Ultimate Tracker × 3(91,900円/3+1キット)
光学式(カメラ内蔵)のインサイドアウト方式トラッカー。ドリフトしないのが最大のメリットです。- IMUと違い、内蔵カメラで空間を認識するので位置がズレにくい
- ベースステーション不要
- ただし1個94gとやや重く、バッテリーは約7時間
- 暗い部屋では精度が落ちる
- 「絶対にドリフトが嫌」という人向け
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PCスペックは足りてる?
フルトラ自体のPC負荷はほとんどないとされています。VRChat + SteamVRが快適に動くPCなら問題ないでしょう。| 項目 | 最低 | おすすめ |
|---|---|---|
| GPU | RTX 3060 / RTX 5060 Ti | RTX 5070以上 |
| VRAM | 8GB | 12GB以上 |
| CPU | Core i5 / Ryzen 5 | Core i7 / Ryzen 7 |
| RAM | 16GB | 32GB |
| 接続 | Wi-Fi 6(Air Link) | Wi-Fi 6E以上 |
フルトラ コスパグラフ
トラッキング品質 vs 価格
このグラフの見方: 横軸が価格(万円)、縦軸がトラッキング品質スコア。左上に近いほどコスパが良い。「無料ゾーン」「入門ゾーン」「本格ゾーン」の3帯域に分かれます。
| 方式 | 価格(万円) | 品質スコア | タイプ |
|---|---|---|---|
| Selfie Expression | 0 | 20 | カメラ(上半身のみ) |
| MediaPipe VR | 0 | 25 | カメラ(全身・実験的) |
| Kinect + Driver4VR | 0.8 | 35 | カメラ |
| PICO Motion Tracker | 1.2 | 45 | IMU(PICO限定) |
| Rebocap | 3 | 50 | IMU |
| HaritoraX 2 | 4 | 75 | IMU ★コスパ最強 |
| SlimeVR Butterfly | 4.2 | 73 | IMU(2026年後半〜) |
| HaritoraX 2 Pro | 5.4 | 80 | IMU |
| Vive Ultimate x3 | 9.2 | 85 | 光学式(ドリフトなし) |
- トラッキング精度: 40%
- ドリフトの少なさ: 25%
- 対応ポイント数: 20%
- セットアップの手軽さ: 15%
グラフから読み取れること
- 無料→有料の壁が大きい。0円のカメラ方式と4万円のIMUトラッカーの間に品質の大きな差がある
- HaritoraX 2(4万円)がコスパの頂点。価格あたりの品質が最も高い
- 4万円〜9万円の間では品質差が小さい。HaritoraX 2 → 2 Pro → Vive Ultimateと上がるが、追加投資に対する品質向上は緩やか
- カメラ方式は「無料でお試し」に最適だが、品質で有料トラッカーに追いつくにはまだ時間がかかる
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おすすめの選び方
ケース1: まだVRChat始めたばかり。フルトラって何?
→ まず Selfie Expression(無料)で体験 フルトラのためにいきなり4万円出す前に、無料で「体が動く楽しさ」を試すのがおすすめです。上半身だけでも印象はかなり変わるはずです。ケース2: VRChatにハマった。ちゃんとフルトラしたい
→ HaritoraX 2(39,999円) 初めてのフルトラの有力候補です。日本語サポート、ドリフトの少なさ、バッテリー持ちと、全体のバランスの良さが評価されています。ケース3: ダンスや撮影に使いたい。精度重視
→ HaritoraX 2 Pro(53,899円)or Vive Ultimate Tracker(91,900円) ダンスは細かい足の動きが重要なのでPro推奨。長時間の撮影でドリフトが気になるならVive Ultimateの光学式が安心でしょう。ケース4: お金はないけど全身動かしたい
→ Kinect(中古3,000円)+ Driver4VR 品質には妥協が必要ですが、1万円未満で「全身が動く」体験はできます。ハマったらトラッカーへのアップグレードを検討しましょう。ケース5: PICOヘッドセットを持っている
→ PICO Motion Tracker(11,800円/ペア) PICO限定ですが、足首に2個つけるだけの手軽さが魅力。低予算フルトラの入口になります。予算別まとめ
| 予算 | 方法 | フルトラ品質 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 0円 | Selfie Expression(上半身のみ) | △ | まず試す |
| 0円 | MediaPipe VR(OSS) | △ | お試し |
| 5,000〜8,000円 | Kinect + Driver4VR | △〜○ | 安さ重視 |
| 12,000円 | PICO Motion Tracker | ○(PICO限定) | PICOユーザー |
| 40,000円 | HaritoraX 2 | ◎ | 最もおすすめ |
| 42,000円 | SlimeVR Butterfly | ◎(2026年後半〜) | OSS派 |
| 54,000円 | HaritoraX 2 Pro | ◎ | こだわり派 |
| 92,000円 | Vive Ultimate Tracker ×3 | ◎(ドリフトなし) | 精度最優先 |
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フルトラの「仕組み」を理解する
IK(逆運動学)は「手の位置が決まったら肘と肩の角度を自動計算する」技術です。トラッキングポイントが増えるほど、「推測する関節」が減っていきます。トラッキングポイント数とアバターの動き
| 構成 | ポイント数 | IKの挙動 |
| HMD + コントローラー | 3点 | 腰・脚は完全推測。歩くと足が滑る |
| + 腰トラッカー | 4点 | 座るポーズが可能に |
| ★ + 足トラッカー2つ | 6点(基本フルトラ) | 脚の動きが反映。歩く・座る・踊るが自然に |
| + 膝トラッカー2つ | 8点 | 正座やあぐらの精度が向上 |
| + 肘トラッカー2つ | 10点 | 腕を後ろに回す動作が自然に |
| + 胸トラッカー | 11点 | 体幹のひねりが反映 |
よくある質問
Q. Quest 3S単体でフルトラできますか?→ Quest 3Sの内蔵ボディトラッキング(IOBT)は上半身のみです。脚は動きません。フルトラにはトラッカーの追加が必要です。 Q. フルトラとフェイトラ(表情)は同時にできますか?
→ できます。フルトラ(体)とフェイトラ(顔)は別系統なので、両方を同時に使えます。フェイトラの選択肢については別記事で解説しています。 Q. IMUトラッカーの「ドリフト」って何ですか?
→ 慣性センサーの誤差が蓄積して、トラッカーの向きが実際とズレていく現象です。HaritoraX 2は地磁気補正でかなり抑えているとされますが、数時間の連続使用ではリセット(再キャリブレーション)が必要になることもあるようです。 Q. 寝転がったり、逆立ちしたりもできますか?
→ IMUトラッカーは可能です(重力方向を基準にしているため、激しい動きにも追従します)。Vive Ultimate Trackerも対応。一方、カメラ方式は寝転がると見失いやすいとされています。
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フルトラの先にあるもの
フルトラを始めると、VRの体験が根本から変わると言われています。- VRChatでの存在感が増す。座る、手を振る、ダンスする——全身で表現できる
- VRフィットネスがより正確になる。全身の動きがトラッキングされるので運動量も計測しやすい
- モーションキャプチャとして使える。VTuber活動やアニメーション制作にも
- VR空間での協調作業。ジェスチャーやボディランゲージが伝わる
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参考にしたサイト
- HaritoraX 2 — Shiftall(公式・仕様/価格/重量/バッテリー)
- HaritoraX 2 Pro — Shiftall(公式・8センサー構成/足先センサー)
- Selfie Expression — VRChat Wiki(公式機能/無料/対応範囲)
- SlimeVR Butterfly Trackers — Crowd Supply(厚さ/重量/バッテリー/出荷時期)
- VIVE Ultimate Tracker — VIVE(公式・重量94g/約7時間/ベースステーション不要)
- PICO Motion Tracker — PICO Global(公式・足首装着/PICO対応)
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