【着物】着物で運転する時の履物 ~草履の履き替えは面倒!! 安全に運転するために~
2018年9月に福井県でお坊さんが着物を着て自動車を運転していたところ、反則切符を着られたという出来事。ある種のお祭り騒ぎみたいになっていました。この時は、袖と裾が焦点となっていたようですが、着物で運転する際には、「運転操作に支障を及ぼすおそれのある衣服」にならないよう、心がけていきたいところです。
さて、実際に私も自動車を運転する機会があります。
草履や雪駄・下駄での運転はさすがに危ないと思いますが、履き替えは面倒ですし、履き替え忘れた時にみっともない。
普段着として着物を着るためには、もう少し楽な履物は無いものか、と探してみた結果を記載いたします。
運転時の正しい足の置き方について
そもそも、”正しい自動車の運転”時の足の使い方について考えてみます。
右足:アクセル・ブレーキの踏み分け
左足:マニュアル車⇒クラッチ
オートマ車⇒フリー
一般的な左右の足の使い分けが上記になっているかと思います。運転で重要になってくるのが、右足の動作、”車の止まる・走る”です。
さて、運転される皆さんの右足の位置はどうなっているでしょうか?
一般的には、”正しく運転”が出来ていると、右足のカカトは床にピッタリとくっ付いています。急加速や急ブレーキになりがちな方は、カカトが浮いている人が多いです。
カカトが固定されていれば、足全体で押すよりもコントロールが効きやすくなりますし、何より運転が楽になります。
私は、初めて乗る車や靴が変わった時は、まずエンジンをかけずに、
- ブレーキを踏みやすい場所に、右足のカカトを置く
- 右足のカカトを床につけたまま、ブレーキとアクセルの両方のペダルに無理なく足が置ける位置を探す
という作業を行って、シートの位置を決めます。
私自身、男性としては靴のサイズが小さいのもあって、シートの位置はかなり前になります。しかし、この位置を決めてしまえば、疲れにくい運転姿勢を取ることが出来ます。
もちろん、車種によってはカカトが浮いてしまうこともありますが、”基本はカカトは床につけるもの”です。
正しい足の置き方から考えられる運転時の履物
前項で、正しい運転姿勢では、カカトは絶えず床に付いていると書きかました。これは、いわゆる”ドライビングシューズ”の構造からみてもよく分かります。
ドライビングシューズとは、運転に特化した靴ですね。歩行用の靴と違って、カカトの部分にもキッチリと滑り止めが付いた構造となっています。下記の写真のイメージです。
つまりは、カカトが固定されている履物を選べば、安全に運転ができるという事ではないでしょうか。
では、和装時の履物についてカカトに注目してみます。
履物種類 | カカトの状態(固定/フリー) |
草履 | フリー |
雪駄 | フリー |
下駄 | フリー |
呉服屋さんで売ってそうなものは、カカトが固定できるものがありません。
では、ちょっと検討範囲を広げてみます。
履物種類 | カカトの状態(固定/フリー) |
素足(足袋などを含む) | 固定 |
草鞋(ワラジ) | 物によっては固定 |
地下足袋 | 固定 |
素足は履物がないので、カカトを床に固定できますが、下記のサイトに記載されているように、素足では急ブレーキ時に力がかかりにくいといった危険性と、そもそも事故が起きた時に怪我をしやすいという問題があるようです。
草鞋(ワラジ)は固定はされているものもありますが、ソールがないので、素足と同じ危険があるでしょう。
地下足袋は??? 実物を見たことがないので判断できません。
私の選択
ということで、実物を見に行って参りました。
Sou・Sou様です。
京都の四条新京極近くにあるSOU・SOU 足袋店に行って参りました。
店には、1cm刻みで試着用の地下足袋が置いてありました。
お店の方がおっしゃるには、ソックスを履いた上に地下足袋を履く方が多いとの事。いつも履いている靴のサイズのワンサイズ上を勧められました。
地下足袋自身をまじまじと見るのは初めてだったのですが、オシャレです。
おじさんが履いて良い物なのか、戸惑う程度にオシャレでした。
気になる”運転”についても、「されている方はいらっしゃる」とのご回答を頂きました。
これならば、”普段着としての着物”には肩を張らずにオシャレに使えるように思います。
別途、インソールも売っており足に合わない場合は調整もできます。私は下記のタイプの黒を選びました。
地下足袋自身のソールは、スニーカーの半分くらいです。普通に足袋で歩いているような不思議な感覚がします。
カカト部分もゴムですので、最低限、運転時の滑り止めの効果はあります。
SOU・SOU様の「貼付地下足袋 さしこ 濡羽色」です。何度か使用してから撮影してますので、底が汚れています。
これならば、運転時にこれを履いて、そのまま車を降りても不自然な格好にはならないように思います。
まとめ
今回、私は”普段着としての着物”ように地下足袋を購入しました。
とは言え、畏まった席には似合わないと思います。
洋装も同じですが、時と場合を弁えた使い方が必要です。
また、着物は洋服と比べると「安全に運転ができる衣類」ではありません。有事の際には不利になる可能性が高いです。
有事の際に対する対策として、運転時の誤操作が発生しない履物を選ぶことはとても重要です。
今回、私は地下足袋を選択しましたが、本当に安全なのかどうか、もう少し運転をしてみてからお伝えできればと思います。