Oculus Quest レビュー:簡単ホワイトノイズ対策の効果を実測してみたら凄かった。~イヤホンジャック~
イヤホンのホワイトノイズ対策として、「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」を使った話を下記の記事で書きました。
では、その効果はどのくらいだったのか、実測してみましたのでまとめます。
測定方法
測定環境
オシロスコープで、イヤホンジャックから出ている電圧を読んであげます。
イヤホンジャックの各端子は下記のようになっています。
今回は、1.接地と3.左チャネルをつまみました。
「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」のありなしで測定しています。
ちなみに、使ったオシロスコープは、OWONのPDS5022T。精度の良いとは言えない物ですが、比較程度は出来るでしょう。なお、グランドの処理はしていません。Oculus Questは浮いているので、どうした物か悩んだのですが、結局放置しました。
測定内容
「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」ありなしで、Oculus Questの音量マックス(15)での、音量とホワイトノイズのレベルを測定します。
音は、YouTubeVRアプリを立ち上げると、無音状態になります。三秒ほど待つとホワイトノイズも消え、オーディオがOFFになります。その状態から、何もない場所に向けて右コントローラーのAボタンを押すと、「ポン」という音が鳴ります。この音をトリガーとして拾っていきます。
次に適正音量相当での「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」ありなしでのホワイトノイズのレベルを測定します。今回は、わかりやすくするためOculus Questの音量を約半分の8に設定して、音の波形を取りました。
測定結果
以下では、「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」のことを単にケーブルと呼ぶことにします。
ケーブルあり・なし、音量15(max)
ケーブル無し、「ポン」のレベル
ポンという音の大きさは7.4V程度です。
ケーブルあり、「ポン」のレベル
ポンという音の大きさは7.2V程度です。3%程度ですので誤差の範囲でしょう。
ケーブルを入れても音量は落ちない。
と言えるでしょう。
ケーブル無し、ノイズのレベル
ノイズの大きさは230mV程度です。ノイズのレベル(S/N比)は3%程度です。
ケーブルあり、ノイズのレベル
ノイズの大きさは230mV程度です。「ポン」と言う音のレベルが同じなので、当然ノイズもケーブルの有無で違いはありません。こちらもノイズのレベル(S/N比)は3%程度です。
ケーブルなし音量8(約半分)とケーブルあり音量半分相当
ケーブル無し音量8、「ポン」のレベル
ポンという音の大きさは620mV程度です。ガクンと電圧が下がりました。
ケーブルあり音量8相当、「ポン」のレベル
ケーブルを入れて、Oculus Questの音量15(max)、ケーブルのボリュームつまみで、上記の音量8相当に合わせました。
ポンという音の大きさは670mV程度です。若干高くなってしまいましたが、ご了承ください。
それよりも、波形の綺麗さが全然違います!
ケーブル無し音量8、ノイズのレベル
ポンという音の大きさは190mV程度です。電圧のレンジが違うので差が見えているように感じますが、音量マックス時とほぼ同じとして良いでしょう。
聞きたい音の620mVに対して、ノイズが190mV。ノイズのレベル(S/N比)が31%と言うこと。これだけ乗っていれば、不快に感じるのも当たり前ですね。
ケーブルあり音量8相当、ノイズのレベル
前述の通り、ケーブルを入れてOculus Questの音量15(max)、ケーブルのボリュームつまみで、上記の音量8相当に合わせています。
ポンという音の大きさは24mV程度です。
ノイズの大きさが約1/10になっています!!
聞きたい音670mVに対して、ノイズ24mV。ノイズのレベル(S/N比)が約4%くらいと言うことですね。元々の音量マックスのOculus Questのレベル(S/N比)とほぼ同じです。
まとめ
Oculus Questのイヤホンジャックはホワイトノイズにまみれています。以前の記事にて、アナログ的に音量を下げればホワイトノイズも下がると、感覚的に書きました。
まずは分かったことは、下記の通り。予想を確認できたという内容です。
- 「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」ありなしで、ボリュームの最大値は変わらない。
- Oculus Questの音量で、ホワイトノイズのレベルは変わらない
- 「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」ありで、アナログ的に音量調節すると、ホワイトノイズも小さくなる
予想通りだったとは言え、今回実測してみて、その効果に驚きました。
たった¥1,000弱の「ボリューム調整付きのイヤホンケーブル」を入れるだけで、これだけ音が綺麗になるなんて、凄くないですか?
これは、定番グッズとして考えても良いレベルなんじゃないでしょうか。