GPUボックスはどれを選べばいい?〜7年前に勧めた製品を手放した私が、いまの売れ筋を調べてみた

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2019年に、このブログで「GPUボックスのおすすめ3選」という記事を書きました。GPUボックスというのは、ノートパソコンなどに外付けのグラフィックボードを繋ぐための機器です。当時はThunderbolt3で繋ぐものが主流でした。

その後、何台ものノートパソコンで測って記事にして、使わなくなり、処分しています。ところが2026年になって、またGPUボックスを買いました。しかも2台です。

7年のあいだに、値段も繋ぎ方も入れ替わっています。いまGPUボックスを選ぶとしたら、どこを見ればよいのでしょうか。(2026年8月時点の調査です)

2019年のGPUボックスは、いくらだったのか

当時の記事がこちらです。価格表をそのまま残してあります。

商品内蔵電源当時の価格(税込)
AKiTiO Node400W¥44,000(2019/9/4)
AKiTiO Node 500W500W¥35,000(2020/6/26)
AKiTiO Node Titan650W¥48,600(2020/6/26)
Razer Core X650W¥39,359(2019/9/4)
SAPPHIRE GearBox500W¥44,691(2019/9/4)
Razer Core X Chroma700W¥54,961(2019/9/4)
OWC Mercury Helios FX 650650W¥54,000(2019/9/4)
ASUS ROG-XG-STATION-2600W¥94,766(2019/9/4)

4万円から5万円台が相場でした。当時の私は AKiTiO Node を買い、GeForce RTX 2070 を入れています。記事の最後には、こう書いていました。

「もし、私がGPUボードもGPUボックスも持っていないのならば、(GPU内蔵型を)購入するでしょう」
「・・・これにしておけば良かった・・・」

Thunderbolt3のポートが1つしかないパソコンで、そのポートをGPUボックスが占有してしまう。VRヘッドセットを繋ぐと配線が乱雑になる。そういう不満を書いています。7年前から、選び方で迷っていたようです。

AKiTiO Node で、何が起きたのか

いちばん最初に買ったThunderboltのGPUボックスが、この AKiTiO Node です。表のとおり内蔵電源は400Wでした。

この400Wが、あとで足りなくなります。もっと上のグラフィックボードを入れようとしたところ、電源容量が届きませんでした。GPUボックスごと買い替えることになり、次に選んだのが Razer Core X(650W)です。

あとから見ると、同じ AKiTiO の系列に答えはありました。Node には電源を強化した版が順に出ていて、500Wの版と、650Wの Titan があります。私と同じところで詰まった人が、他にもいたのだと思われます。

買い替えた Core X は ¥39,359。最初の Node(¥44,000)より安く、電源は250W強いという結果でした。

その Core X が、いまは中古で ¥83,559(楽天・2026年8月6日調べ)で並んでいます。新品で買ったときの倍以上です。処分してしまった私が言うのも変ですが、手放すタイミングは間違えたかもしれません。

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Razer Core X を、なぜ手放したのか

買い替えた Razer Core X で、ノートパソコン5機種に RTX 3090 や RTX 3060 Ti を繋ぎ、VRヘッドセット5種類で測る記事を書き続けました。2020年11月から2021年2月にかけて、28本あります。たとえばこの回です。

そして、使わなくなりました。理由ははっきりしています。

Thunderboltで繋いだノートパソコンでは
グラフィックボードの性能を引き出せませんでした。描画のためにグラフィックボードを足したのに、その描画が本来の力を出せない。

デスクトップパソコンも持っています。そちらに挿せば、当然そのまま速い。

GPUボックスが場所を取り続ける理由が、無くなりました。

ローカルAIでも、Thunderboltでは足りないのか

2026年になって、同じ外付けGPUをまた使い始めています。用途が変わったためです。

手元のパソコンでAIを動かす場合、外付けで繋いだグラフィックボードは使えました。同じグラフィックボード・同じGPUボックスで、繋ぎ方だけをOCuLinkとThunderboltで入れ替えて測ったところ、文章を生成する速さはほとんど変わりません(速いカードで1%未満)。測り比べた回はこちらです。

描画では足りず、AIでは足りる。違いは、ケーブルを通るデータの量にあるようです。

描画(ゲーム・VR)
1秒間に何十枚もの画面を作り、そのたびにパソコン側とやりとりします
→ ケーブルの太さがそのまま効きます
ローカルAI(文章の生成)
モデルをグラフィックボードのメモリに載せたら、あとはその中で計算が回ります
通るのは入力した文章と出てきた文章だけ
→ 細くても足ります

7年前に見限ったものが、用途を変えたら使えるようになっていた。これが、またGPUボックスを買った理由でした。

ミニPCに、グラフィックボードは足せるのか

直接のきっかけは、GMKtec EVO-X2(以下、EVO-X2)というミニPCでした。ユニファイドメモリを128GB積んでいて、大きなモデルが載ります。ただしグラフィックボードを挿すスロットがありません。ミニPCなので当然です。

ところが、本体の中にあるM.2ポート(本来はSSDを挿す場所)から、OCuLinkという口を引き出せると知りました。そこにGPUボックスを繋げば、ミニPCにグラフィックボードを足せます。

これでEVO-X2の用途が広がる。それが最初の動機でした。M.2から引き出す部分は別の回に書いています。

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いま売れているGPUボックスは、どれなのか

2026年8月6日にAmazonで確認しました。価格・星の数・件数は同じ日のものです。いまは2つの流れに分かれているようです。

Thunderbolt系:AKiTiO Node Titan・Sonnet・Razer Core X

商品価格評価特徴
AKiTiO Node Titan¥64,090★4.2(143件)650W・Thunderbolt 3。レビューがいちばん多い
Sonnet eGFX Breakaway Box 750ex¥88,000★4.0(128件)Mac/Windows対応をうたう
Razer Core X在庫により変動★4.7(6件)650W・Thunderbolt 3

レビューがいちばん多い AKiTiO Node Titan は、私が最初に買った Node の強化版にあたります。電源が足りずに私が手放した系列が、いまも売れ続けているようです。

値段も見ておきます。7年前の私の表では ¥48,600(2020年6月調べ)でした。いまは楽天で ¥52,200(2026年8月6日調べ)。店によっては6万円台も付いていて、7年経っても値下がりしていない、というのが正直なところです。

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OCuLink系:AOOSTAR EG01・AG01・AG02・AG03

商品価格クーポン後評価特徴
AOOSTAR EG01¥16,900〜¥23,900★4.2〜5.0電源は別売り。骨組みだけの形
AOOSTAR AG01¥27,900¥24,273★4.0(35件)OCuLinkのみ・800W内蔵
AOOSTAR AG02¥38,900¥33,660★4.2(48件)OCuLink+USB4・100W逆給電
AOOSTAR AG03¥48,800¥43,920★4.7(7件)OCuLink+Thunderbolt 5×2・140W逆充電

EG01だけ値段の幅が広いのは、同じ型番で出品が5つに分かれているためです。¥16,900 のものから ¥23,900 のものまであり、星の数も出品ごとに違いました。下のカードは楽天と同じ品を指しています。

AG01・AG02・AG03 には、いずれも「過去1か月で50点以上購入されました」の表示が出ていました。数が出ているのはこのあたりのようです。

2つの流れの違い
Thunderbolt系は6万円台から8万円台。OCuLink系は2万円台からです。3倍近い開きがあります。

そのかわりThunderbolt系はレビューが100件を超えるものがあり、長く売られてきた実績があります。OCuLink系はまだ数十件にとどまります。

値段を取るか、実績を取るか。いまはそういう分かれ方をしているようです。

私の場合は、繋ぐ相手がミニPCでThunderboltの口が無く、M.2からOCuLinkを引き出す前提でした。選択肢は自然にOCuLink系になりました。

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安い価格帯で見かけたもの
1万9千円から2万2千円あたりに、商品名が機械翻訳のままで、レビューが1件も付いていないGPUボックスが並んでいました。「フォーティナイン」「ストリーク」といった、意味の取れない名前が付いています。

値段だけで並べ替えると、こういうものが上に来ます。星が付いていないものは避けたほうが無難だと考えられます。

GPUボックスを選ぶとき、どこを見ればよいのか

電源は内蔵か、容量は足りるか

いちばん大きな違いがここでした。同じ価格帯のOCuLink製品は、電源が別売りのものが多くあります。安く見えても、ATX電源を別に買えば結局同じくらいの出費です。置き場所も配線も増えます。

容量のほうは、私が7年前に一度失敗しています。400WのGPUボックスを買い、あとから上のカードを入れようとして足りず、GPUボックスごと買い替えました。

いまのGPUボックスが800Wを積んでいるのは、そうした経緯があってのことだと思われます。いま持っているカードで足りるか、ではなく、次に欲しくなるカードで足りるかで見ておくと、私のような買い替えを避けられます。

ケーブルは付いてくるか

AG03のレビューに「OCuLinkケーブルが付属しない」「付属のUSBケーブルが短い」という指摘がありました。GPUボックスだけ届いても繋げません。何が同梱されるかは、買う前に確認したほうがよさそうです。

挿しっぱなしで起動できるか

AG03のレビューに、こういう報告がありました。前の型(AG02)では挿しっぱなしで起動できたのに、AG03はWindowsが起動してからケーブルを挿し直さないと、再起動できずBitLockerの画面まで出る、というものです(★2・ROG Ally X + RX 9070)。

OCuLinkはもともと、電源を落としてから繋ぐ前提の口です。Thunderboltは差すだけ、というのが建前ですが、組み合わせによっては素直にいかないことがあるようです。

スイッチは、何をするのか

AG01のレビューに「電源ボタンが嘘。何もしない。切りたければ丸ごと抜くしかない」という★3の指摘がありました。一方、AG03のレビューには「以前の版と違い、On/Offスイッチがちゃんと働く」と書かれています。

手元の実機で確かめたところ、正確にはこうでした。

実機で確かめたこと
AG01もAG03も、付いているのは電源ボタンだけです。しかもONとOFFしかありません。長押しの動作はありません。

パソコンの電源ボタンのつもりで長押ししても、何も起きませんでした。

電源ケーブルを抜けば、切れているのか

商品説明にもレビューにも書かれていませんでした。実際に使っていて気づいた点です。

抜いたあとも、しばらくLEDが光ります
AG01もAG03も、電源ケーブルを抜いたあと、しばらくLEDが光ったままになりました。電源部分に電荷が残っているためです。

この光が消えてから作業してください。グラフィックボードを抜き差しするのも、中を触るのも、消えてからです。

コンセントを抜いたから安全、とは限らないようです。

AOOSTAR AG01 を選んだ理由

最初に買ったのがこれです。決め手は3つありました。

  • この形で電源を内蔵していて、この値段だったこと。同じ価格帯は電源別売りが多いなかで、ここが効きました
  • 7年前に使っていた Razer Core X(¥39,359)より、大分安いこと
  • ケースが無い分は、3Dプリンターで作ればよいと思えたこと

3つ目は人を選ぶ理由かもしれません。外側が簡素なぶん安いのなら、自分で足せる人には向いています。

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AG01で気になったのは、大きさでした

机の上での存在感
デザインそのものは気に入っています。ただ、繋いでいるミニPCと比べると、AG01のほうがずっと大きいのです。

小さいパソコンで済ませたいと思ってミニPCを選んだのに、その横にそれより大きなGPUボックスが居座ることになりました。

中にグラフィックボードと800Wの電源が入るので、小さくならないのは道理です。それでも、置く場所は先に決めておいたほうがよさそうです。

AOOSTAR AG03 を追加した理由

2台目を買った理由は、順番になっています。

まず、AG01がOCuLinkでうまくいったこと。動くと分かったので、もう1台足したくなりました。

そのうえで、AG03にはThunderbolt 5の口が2つあります。これなら用途が広がるはずだと推測して選びました。狙っていたのはMacです。MacBookで使えるのなら、GPUボックスでありながらUSBドックも兼ねられる。1台で両方こなせるなら悪くない、と考えたわけです。

ところが、いまのところうまく使えていません。

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MacBookで、外付けGPUは使えるのか

調べてみると、私の設定の問題ではありませんでした。

  • Appleは、M1以降のMacで外付けGPUに対応していません。macOSに機能そのものが入っていないと説明されています
  • Thunderbolt 5になっても変わりません。TB5対応のGPUボックスが出ても、Apple Siliconでは動かないとされています
  • 対応していたのは、Intel入りのMacまでです
  • 例外は TinyGPU という実験的なものだけで、特定のフレームワーク経由でしか動きません

MacBookで外付けGPUを、という前提でGPUボックスを選ぶと外します。私がそうでした。ドックとしての機能(給電やUSB)は使えても、GPUボックスに入れたグラフィックボードは動きません。

7年前に「これにしておけば良かった」と書いた人間が、7年後にまた外しています。買う前に調べれば分かったことでした。

まとめ:いまGPUボックスを選ぶなら

  • 用途で結論が変わります。描画(ゲーム・VR)ならThunderboltでは性能を引き出しきれません。ローカルAIの文章生成なら、Thunderboltでも足ります
  • ただしモデルの読み込みは1.5〜1.7倍かかり、LinuxではThunderbolt経由で認識されないことがあります。切り替えて使うならOCuLinkです
  • いまはThunderbolt系が6〜8万円台、OCuLink系が2万円台からと、3倍近い開きがあります。Thunderbolt系はレビューが100件超、OCuLink系はまだ数十件です
  • 7年前に載せた AKiTiO Node Titan は ¥48,600 でしたが、いまは楽天 ¥52,200・Amazon ¥64,090。7年経っても値下がりしていません。一方でOCuLink系は ¥24,273 で800Wまで来ています
  • 電源容量は「次に欲しくなるカード」で見てください。私は400Wを買って足りず、GPUボックスごと買い替えました
  • ケーブルの同梱と、挿しっぱなしで起動できるかも、買う前に確認する価値があります
  • スイッチはONとOFFだけで、長押しはありません
  • 電源を抜いてもLEDが消えるまで待ってください。電荷が残っています
  • 置き場所を先に決めてください。中身がグラフィックボードと電源なので、ミニPCより大きくなります
  • MacBookでは外付けGPUは動きません(M1以降)
  • 安い価格帯の、名前が機械翻訳でレビュー0件のものは避けたほうが無難です

7年前は、ノートパソコンで重い描画をしたいからGPUボックスを買いました。いまは、ミニPCでAIを動かしたいから買っています。同じ製品でも、選ぶ理由が入れ替わりました。

記事で触れた機材

私が使っている2台です。

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その間に入る型です。OCuLinkとUSB4の両方が要るなら、こちらが該当します。

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骨組みだけのオープンフレームで、電源は入っていません。ATXかSFXの電源を自分で用意して繋ぐ形です(メーカーの製品ページに、ATX/SFX対応・対応グラフィックボードは350Wまでと書かれています)。電源が余っているなら、いちばん安く始められる型ということになります。

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Thunderbolt系の定番です。当窓が使っていたのは Core X のほうでした。

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ミニPCのM.2からOCuLinkを引き出す変換アダプタと、繋ぐケーブルです。

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今回の話の出発点になったミニPCです。

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確認した日と出典

価格・評価・レビューは2026年8月6日にAmazon.co.jpで確認しました。Macの対応状況はApple公式および複数の技術系メディアの記載によります。当時の価格は、2019年9月4日および2020年6月26日に当ブログの記事へ記載していたものです。実機で確かめた内容は、当窓が所有する AG01 と AG03 で確認しています。