Intel Arc B580とRTX 3090で画像生成〜同じ絵の速度と消費電力を実測〜Intel Arc B580 画像生成 第2話
2026年8月15日
前回、Intel Arc B580 で画像生成を動かすところまで漕ぎ着けました。動いたとなると、次に知りたいのは速さです。
現在、私のデスクトップPCには、B580 と RTX 3090 が挿さっています。片方は12GBで3万円台、もう片方は24GBで中古でも20万円前後という組み合わせです。同じ絵を同じ設定で作らせたら、どれくらい離れるのでしょうか。
この記事は手元で実際に測った記録です。測定は2026年8月15日に行いました。
前回の記事はこちらです。
測定環境
比べたいのは、グラフィックボードだけです。その他の条件は全て同じとしました。
| モデル | SDXL 1.0(6.5GB。B580の12GBにも収まる大きさ) |
| 解像度 | 1024×1024 |
| ステップ数 | 20 |
| 乱数の種(シード) | 同一 |
| ソフト | 両方とも ComfyUI v0.16.4 |
| 変えるもの | グラフィックボード |
生成時間は、モデルを読み込んだ後の2枚目以降を採っています。1枚目には読み込みの時間が混ざるためです。
生成結果
1枚あたりの生成時間

| RTX 3090 | Arc B580 | |
|---|---|---|
| 1枚あたりの生成時間 | 6.0秒 | 6.0秒 |
| モデルの読み込み | 14.0秒 | 22.6秒 |
| 生成中の平均電力 | 297.3W | 155.3W |
| 1枚あたりの消費電力 | 0.547Wh | 0.286Wh |
| メモリの搭載量 | 24GB | 12GB |
生成そのものは同点でした。秒単位で丸めるまでもなく、ほぼ重なっています。差が付いたのはモデルの読み込みだけで、こちらは3090のほうが8秒ほど速く終わります。
この同点という結果は、予想と違いました。調べた段階では「NVIDIAとの差は依然として大きい」という評価をいくつも見ていたためです。少なくともSDXLのこの条件では、当てはまりませんでした。
読み込みの差は、毎回モデルを入れ替えるような使い方でなければ、そこまで響きません。起動して何十枚か続けて作るなら、最初の8秒だけの話です。
消費電力は、B580が3090のおよそ半分
むしろ差が出たのは電力のほうです。生成中の平均で 297.3W 対 155.3W。1枚あたりに直すと 0.547Wh 対 0.286Wh で、B580はおよそ半分でした。
金額に直すと、1枚 0.009円ほどです。1万枚作って89円という水準なので、電気代として身構えるような額ではありません。
消費電力の差が効いてくるのは、電気代ではなく別のところです。ひとつは電源の容量で、300W近く食うカードと150Wで済むカードでは、組めるPCの幅が変わります。もうひとつは発熱で、夏場に長時間動かすなら差を感じるところです。
NVIDIA のほうは瞬間の電力しか読めないため、0.2秒ごとに147回測って積み上げました。山を取りこぼしうるので、3090の値はやや小さめに出ている可能性があります。差が縮まる方向の誤差なので、「B580のほうが少ない」という結論自体は変わりません。
高解像度による差異
速度も電力も並んだので、残る違いは搭載メモリの量だろうと考えました。24GBと12GBでは倍の差があります。
そこで、解像度と、一度にまとめて作る枚数を上げていって、どこで落ちるかを見ました。
| 条件 | RTX 3090(24GB) | Arc B580(12GB) |
|---|---|---|
| 1024×1024 | 6.0秒 | 5.6秒 |
| 1280×1280 | 9.9秒 | 13.1秒 |
| 1536×1536 | 14.1秒 | 17.6秒 |
| 2048×2048 | 28.1秒 | 32.6秒 |
| まとめて2枚 | 11.3秒 | 13.2秒 |
| まとめて4枚 | 22.7秒 | 22.1秒 |
| まとめて8枚 | 43.7秒 | 41.3秒 |
ひとつも落ちませんでした。12GBのB580が、2048×2048も、まとめて8枚も通しています。
生成中のメモリの使われ方を追って、落ちない理由が分かりました。足りなくなると、ソフトのほうがモデルの中身をデスクトップPC側のメモリへ逃がしています。足りなければ落ちるのではなく、出し入れしながら通す作りでした。
この出し入れにかかる余分な時間は、思ったより小さいものでした。いちばん開いた場面でも1.3倍で、まとめて8枚のときはむしろB580のほうが速く終わっています。
「12GBだと高い解像度は無理」というのは、少なくともSDXLでは当てはまりませんでした。待てば通りますし、待ち時間の増え方も1.2〜1.3倍に留まります。
ただし、ここまでの話は12GBに収まる大きさのモデル(SDXL・6.5GB)での結果です。もっと大きなモデルを使えば、逃がす量が増えて代償も大きくなるはずです。大きなモデルでどうなるかは、別に確かめる必要があります。
考察:なぜ生成の速さに差が付かなかったのか
文章を書かせたときは、B580とRTX 3090ではっきり差が出ていました。今回はほとんど差がありません。同じ2枚のカードなのに、なぜ結果が変わるのでしょうか。
理由は、文章を作るときと画像を作るときとで、速さを決めているものが違うからだと考えられます。
言い換えると、用途によって向き不向きが入れ替わるということです。同じカードでも、文章では差が付き、画像では並ぶ。どちらか一方の評判だけを見て決めると、判断を誤ります。
数字にできなかったこと〜生成中に測定できなかった点
メモリの使用量は、数字として出せませんでした。0.5秒ごとに測ったのですが、出し入れが激しく、瞬間の山を取りこぼします。解像度を上げたのに数字が下がって見える場面もありました。この記事で書けるのは「落ちたか落ちなかったか」と「時間」までです。
電力は、前述のとおり2つで測り方が違います。Intel側が正確で、NVIDIA側はやや小さめに出ている可能性があります。
まとめ:B580でも十分楽しめる
- 生成の速さはRTX 3090と同点でした(SDXL 1024×1024・20ステップで、両方6.0秒)
- 差が付いたのはモデルの読み込みだけで、8秒ほど3090が速く終わります
- 1枚あたりの消費電力は約半分(0.286Wh 対 0.547Wh)。電気代より、電源容量と発熱で効いてきます
- 12GBは壁になりませんでした。2048×2048もまとめて8枚も通ります
- 足りない分はデスクトップPC側のメモリへ逃がす作りで、代償は1.2〜1.3倍の時間でした
- 文章では差が付き、画像では並ぶ。速さを決めているものが用途で違うためだと考えられます
速さは分かりました。ただ、まだ肝心なことを確かめていません。同じ設定で作った絵は、そもそも同じものになっているのでしょうか。次の記事で並べて見ます。
この記事で使った機材
※測定環境:Ubuntu 24.04.4/カーネル 7.0.0-28/RTX 3090 24GB+Intel Arc B580 12GB(同一のデスクトップPCに同居)/ComfyUI v0.16.4/SDXL 1.0。2026年8月15日に測定。
- 画像生成は動くのか? 本体を触らずに試した
- RTX 3090と同じ絵を作らせて速度と消費電力を実測(この記事)
- 同じ設定なら同じ絵が出るのか(8月22日公開予定)






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