【実機レビュー】DELL XPS 13 9380:スタイリッシュなモバイルノート ■Core i7-8565U /16GB /iGPU■

2020年12月30日

DELL様よりDELL XPS 13 9380をお借りしました。

DELL XPS 13は、アルミ削り出し1枚物の筐体を用いた丈夫で軽い構造を持ち、更に、デザイン性・コンパクト性とパワフルさの両立を売りにしているモバイルノートのシリーズです。

今回お借りしたXPS 13 9380もThunderbolt3ポートを備えています。VRが楽しめるかどうかを検証していきます。

この記事では、基本スペックについて見ていきます。

テスト機:DELL XPS13 9380のスペック

今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。

お借りしたモデルは、4k・タッチパネル搭載のモデルです。

modelDELL XPS 13 9380
CPUCore i7-8565U
4コア8スレッド 2.4GHz(TB 4.6GHz)
GPUCPU内臓GPU(Intel UHD Graphics 620)
メモリ16GB
SSD512GB
HDDなし
電源45W
OSWindows10 Home 64bit

なお、XPS 13 9380は、DELLの公式サイトでは販売が終了したモデルです。

現行モデルはXPS 13 9310です。

デザイン・拡張性

テスト機の色は、グラスファイバー素材に着色された艶消しの上品なホワイト「フロスト」です。艶消しの天板の中央にメタリックな「DELL」の文字が光を演出しています。

裏面には、横に長い樹脂製の足が二本配置されています。後ろ側の樹脂の方が背が高くなっています。キーボードの角度を付けると共に、放熱用の吸気口を確保しています。

後ろ寄りの樹脂の高さは、ディスプレイを開いたときよりも若干の高さがあります。リフトアップヒンジにはなっておらず、ディスプレイが片手でも開く構造となっています。

ディスプレイのヒンジ部分には、キーボード側がふさがる形状になっています。高負荷時にも、作業側に熱が上がりにくい構造になっています。

放熱を考えると、この部分は上に熱が逃げるように設計すべきに思いますが、このXPS13はタッチパネルを持っています。振れやすい部分の温度上昇を抑える作りとなっているのではないでしょうか。

キーボード・タッチパッド

まず目に飛び込んでくるのは、パームレスト部分の織り込みグラスファイバー加工です。上品な濃淡が付いています。白いパームレストは汚れが目立ちやすく思えますが、黄ばみや汚れが付きにくいコーティングが施されています。

キーボードは、標準的な日本語配列が詰め込まれています。右側2列のみ幅が狭くなってはいますが、直ぐに慣れることが出来るでしょう。

右側にはShift・Ctrlはありますが、Altキーはありません。

打鍵感も悪くなく、疲れにくいキーボードに仕上がっています。

タッチパッドはパームレストの1/3程度の面積を締めています。キータイプ時にも邪魔にならい大きさで、個人的には好感が持てます。

側面・インターフェース

インターフェースを見ていきます。

全面にはインターフェースはありません。4つのマイクが配置されています。Web会議などで高音質な音声が期待できます。

前面

背面側はヒートシンクもヒンジ部分も露出しておらず、すっきりとしています。

背面

右側には、手前から順に、mircoSDカードリーダーと、USB3.1 Gen2 Type-Cポート、マイク・ヘッドフォンコンボ端子が配置されています。mircoSDカードリーダーは、microSDXC、microSDHC、microSDに対応しています。USB Type-Cポートは、PDやDisplayPortに対応しています。

右側には、Thunderbolt 3 (Type-C) ×2、Thunderbolt3ポートの右側にあるボタンは、バッテリー残量表示用のボタンです。右側に5つ配置されたLEDが点灯します。

以上のように、このXPS 13 9380は、USBが全てType-Cです。一般的なUSBポートであるType-Aがありません。付属に1本、USB Type-CからType-Aに変換するアダプタが付いていますが、ハブを一つ持っていた方が良いでしょう。

電源アダプタ

電源アダプタは、分離型の物が付いてきます。PC側はUSB Type-Cの端子、コンセント側は3つ股のタイプです。電力は45Wのものです。

重さは、2本合わせて241gでした。

なお、XPS 13 9380の全てのUSB Type-Cのポートから充電が出来ます。ケーブルの配置も自由自在。これは素晴らしい設計ですね。

サイズ感・重さ

XPS13 9380の大きさは、A4サイズに近い大きさです。

試しに、A4サイズのプライヤーをXPS 13 9380の下に置いてみました。XPS13 9380の長手側が1cm弱はみ出す代わりに、短手は約5mmだけA4の方がはみ出しています。

本体の重さは、1230gでした。

それなりの重さはあるはずなのですが、実際に持った印象では、重心が偏っていないのか、そこまでは重く感じません。均等な重さの板を持った感覚です。

本体と充電器を合わせると、1471gです。

軽量・コンパクトな本体に対して、充電器のケーブルが太すぎるため存在感が凄いです。

XPS 13 9380自身は、実使用で約8時間程度バッテリーが持つようです。外出時に緊急で使う程度であれば、下記のような充電器でも、十分使えるのではないでしょうか。

RAVPower USB-C 急速充電器 (30W 最小クラス PD対応)【GaN (窒化ガリウム)採用/折畳式/PSE認証済】iPhone 11/11 Pro/XR/8、GalaxyS10、MacBook、iPad Pro、Nintendo Switchその他USB-C機器対応 RP-PC120(ホワイト)
RAVPOWER

この充電器でも、ちゃんと30Wの充電が出来ます。純正のアダプタの7割弱は充電できる計算ですので、ハードな使い方をしなければ、これで十分でしょう。

消費電力・騒音

参考までに、消費電力と騒音を計りました。3DMARKを走らせた時の騒音を測定しています。

状態消費電力騒音
停止時43W32dB
高負荷時42W37dB

バッテリー残量90%の時点で測定を行いましたが、負荷に関係なく充電アダプタには40W前後の電力が流れていました。電力はバッテリーの充電に費やされており、負荷対して依存性は無かったと考えられます。

騒音については、高負荷にすると音は小さい物の、ノイズの混じった高音寄りのファンの音が鳴ります。高音寄りのノイズなので、気になる人もいるかもしれません。

電力測定

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騒音

PCの中央から、高さ15cm、PCの手前カツカツの位置で測定。

Meterk 騒音計 騒音測定器 ノイズ測定器 サウンドレベルメーター 音量測定 手持ち LCD デジタル 30-130dB(A)電池付属
Meterk

サウンド

XPS 13 9380のスピーカーは左右に付いています。下の写真の赤枠で囲った部分です。

このクラスのPCとしては標準的なサウンドに感じます。スピーカーが横を向いてしまっているため、使用者に音場が正しく作れていない印象です。

定番ベンチマーク結果

定番のベンチマーク結果を並べます。XPS 13 9380はCPU内臓のGPUしか積んでいない上、第8世代インテルCore i7と世代も2世代前のものです。Office作業やブラウジングは十分にこなせますが、グラフィック性能を要するゲーム用途、クリエイティブ用途では力不足です。

ベンチマークスコア
SteamVR Performance Test未実施
VRMARK未実施
3DMARKTime Spy: 0(スコア表示さず)
Fire Strike: 1170
PCMARK10OVERALL: 3749
Essentials: 7450
Productivity: 6003
Digital Content Creation: 3199
CINEBENCH R20CPU: 1557
Single Core: 430
FINAL FANTASY XV高品質: 0(スコア表示されず)
FINAL FANTASY XIV最高品質: 570(動作困難)

GeForce RTX 3060 Tiを繋げてみた

XPS 13 9380はThunderbolt3を搭載していますので、GeForce RTX 3060 TiをGPUボックスに入れて、接続してみました。性能の向上具合と、VRが楽しめるかどうかをレビューしています。

まとめ

上品なデザインのモバイルノートPC「DELL XPS 13 9380」の性能を見ていきました。

DELL XPS 13 9380のおすすめポイント

・上品なデザイン
・コンパクト

・アルミ1枚物で出来た上部で軽量なボディ
・複数あるThunderbolt3ポート
・型落ちによるコストパフォーマンス向上

DELL XPS 13 9380のおススメ出来ないポイント

・ゲーミング性能は求めてはいけない
・約1.2kgと、軽量とは言い難い重量

一世代前の機種であるXPS 13 9380は、性能的にはどうしても見劣りがしてきています。一方、デザインや利便性は十分に考えられた作りとなっており、普段使いで十分に満足できる作りになっています。

3つもあるUSB Type-Cすべてのポートから充電が出来るなど、利便性が考えられた構造は好感が持てます。

型落ちでコストパフォーマンスが上がってきている現在、狙い目の一台と言えるでしょう。