7.8インチ電子ペーパーAndroid端末BOOX Nova 2で本を読んでいるという話

2020年5月9日

液晶や有機ELよりも目に優しい電子ペーパー(Eink)ディスプレイ搭載Android端末「BOOX Nova 2が発売されていました。

2019年に購入した「BOOX Nova Pro」と同じサイズで、動作が早くなっているとのこと。早速比較してみました。

BOOX Nova 2の特徴

ワコムスタイラスペンにも対応した、電子ノートにもなるAndroid端末です。2020年5月時点では、4万円程度で販売されています。

下記の記事で紹介したBOOX Nova Proの後継機に当たります。BOOX Nova Proも電子書籍端末としては非常に使いやすいです。

例えば、KINDLEならば、AmazonのKINDLEの書籍以外は扱い辛いのに対して、BOOX Nova 2はAndroid端末なので、色々な電子書籍がこれ一台で扱えます。逆に言うと、KINDLEしか使わないのであれば、KINDLEがコスパも含めて最強な気がします。

なお、BOOX Nova 2は、サイズが全く同じBOOX Nova Pro 7.8のケースがそのまま使えます。

BOOX Nova 2 と BOOX Nova Proの比較

共にBOOX社の7.8インチEinkパネルの商品です。

スペックの比較

公式サイトより、主要スペックを抜き出しました。ディスプレイは一緒です。

項目BOOX Nova 2BOOX Nova Pro
発売時期2020/32018/12
ディスプレイ7.8インチ HD
Eink Carta Screen
1872 x 1404
300dpi
7.8インチ HD
Eink Carta Screen
1872 x 1404
300dpi
SOCCortex-A53
2.0GHz
クアッドコア
Cortex-A17
1.6GHz
オクタコア
メインメモリ3GB2GB
ストレージ32GB32GB
AndroidAndroid9.0Android6.0

SOCが早くなっている点と、メインメモリーの増量、そしてAndroid9.0への対応が大きいでしょう。

SOCの世代については、一回り世代が新しいものが採用されているようです。

フルカラー(1677万色)のスマートフォンに比べ16色のEink端末。画面の処理能力は1000万分の1で済むので、SOCの性能はそこまで高くなくていいはずです。十分な性能と言えるでしょう。

項目BOOX Nova 2BOOX Nova Pro
SOCCortex-A53
2.0GHz
クアッドコア
Cortex-A17
1.6GHz
オクタコア
スマートフォン世代の
イメージ
2017年代2014年代

サイズ感

サイズは全く同じながら、BOOX Nova 2は若干軽くなっています。とは言え、体感できる重さではなさそうです。

項目BOOX Nova 2BOOX Nova Pro
サイズ196.3 x 137 x 7.7 mm196.3 x 137 x 7.7 mm
重さ265g275g

通信機能

地味にWiFiの5GHz帯に対応しました。個人的にネット環境のメインに5Ghz帯を使っているので、助かります。

項目BOOX Nova 2BOOX Nova Pro
WiFi2.4GHz + 5GHz2.4GHz
BluetoothBT 4.1BT 4.1

インターフェース

インタフェースは大きくは変わらないのですが、何故かマイクが内蔵されています。

項目BOOX Nova 2BOOX Nova Pro
インターフェースUSB Type-CUSB Type-C
内臓マイクありなし
イヤホンジャックなしなし

内容物確認

内容物は下記の通りでした。

  • 本体
  • 保護フィルム
  • スタイラスペン
  • USB Type-A / USB Type-Cケーブル
  • 説明書類

説明書

説明書は、日本語で書かれたページがありました。

USBケーブル

通信速度の確認はしていませんが、USB3.0対応のケーブルのようです。

スタイラスペン

BOOX Nova Proと全く同じ形状です。写真手前がBOOX Nova Proで使っていたもの。ペン先が曲がってしまっています。

BOOX Nova 2 と BOOX Nova Proの実機比較

外観

外見の差は殆どありませんでした。

写真の左がBOOX Nova 2、右がBOOX Nova Proです。

左:BOOX Nova 2、右:BOOX Nova Pro

BOOX Nova 2のシートの貼り方が汚い点以外は、ほぼ同じです。

裏面を見ると、BOOXの文字の場所が異なりますし、色合いが若干BOOX Nova Proの方が青っぽい色になっています。

左:BOOX Nova 2、右:BOOX Nova Pro

下側を見ると、BOOX Nova 2には、マイク端子っぽい穴があります。

重さ実測

重さを測ってみました。私の持っているBOOX Nova Proは公称値より軽く260gでした。BOOX Nova2も公称値よりは軽いのですが、266gとBOOX Nova Proより誤差程度に重くなっています。

BOOX Nova Pro
BOOX Nova 2

ケースを付けると370gでした。

BOOX Nova 2+ケース
項目BOOX Nova2BOOX Nova Pro
本体266g260g
本体+ケース370g365g

スリープ画面

スリープモードの絵柄が若干異なります。BOOX Nova 2の方が、線がハッキリした絵になっており、「給電していない状態でも画面が映るよ」というアピールに向いている画像となっていると思います。

左:BOOX Nova 2、右:BOOX Nova Pro

BOOX Nova 2セットアップ

基本は、Android端末と同じセットアップで問題ありません。

言語選択

電源を入れると、言語選択が表示されました。日本語を選択しました。

プライバシーポリシー

次にプライバシーポリシーに同意する旨を聞かれます。「同意する」を選択しました。

日時設定

標準の設定で構わないのかもしれませんが、念のため、「タイムゾーン」を「日本標準時」に変更してから、「ネットワーク時刻を同期」にチェックを入れました。

電源管理

後から設定できる項目ですので、スルーしても問題ありません。ただ、BOOX Nova Proを使った経験上、「電源オフまでの時間」は「なし」にしても問題ないように思います。液晶や有機ELディスプレイの端末と比べると、驚くほど電池が持ちます。

スタイラスペンのキャリブレーション

画面に表示される「+」の真ん中をスタイラスペンでタップしていくだけです。四隅と中央の5回タップしたら終了です。

キャリブレーション結果を確認して、「OK」を押します。

これで、基本のセッティングは終了です。

ファームウェアのアップデート

まずはファームウェアのアップデートを行います。

ファームウェアのアップデートでは、WiFiに接続する必要があるので、設定→ネットワークから、WiFiの設定を行ってください。

次に、設定→ファームウェアアップデートを選択して、ファームウェアのアップデートを始めます。

アップデートの説明が書かれています。「ダウンロード」を押してしばらく待ちます。

一応、転送速度が出ていますが、正直遅いです。

ダウンロードが終わると、アップデートするかどうかの旨を聞かれます。「今すぐアップデート」を押します。

またもやしばらく待ちます。

これを3回繰り返しました。現在(2020年5月9日)時点で2020-04-18の物が最新のようです。

Google Playを有効にする

BOOX Nova 2はそのままでは、Google Playが動作しません。有効化してあげる必要があります。

設定の中の「アプリ」を選択します。

一番下の「Google Play を 有効化」にチェックを入れます。

下のように2行だけ項目が追加されます。一番下の「GSF ID」をクリックします。

Googleにログインします。

ログインが終わるとGSF登録の画面が出てきます。「私はロボットではありません」にチェックをいれて「登録」を押します。

これで、Google Play が使えるようになったはずです。

ファームウェアがサイン審でない場合、Google Play の有効化がうまくいかない場合があるようです。最新のファームウェアがあるかどうか今一度確認してみてはいかがでしょうか。

また、初期設定については、BOOXの代理店であるSKT(株)様のサイトに詳しく書かれています。ご参考までに。

使用感比較

元々、BOOX Nova Proでも本を読む分には十分な性能がありました。

表示モードをA2モードにすると、裏映りしたかのような残像は残るものの、表示速度もそこまで遅くなく、実用に耐えます。

では、BOOX Nova 2で何が進化したのでしょうか。ページめくりなどを動画にしてみました。

試用したアプリは、SONY READERと、KINDLEです。表示モードはA2モード固定です。

  • スリープ動作の速度は同じ
  • ページめくりの速度は同じ
  • アプリの起動がBOOX Nova 2の方が早い
  • 書籍の起動がBOOX Nova 2の方が早い
  • アプリの収量がBOOX Nova 2の方が早い
  • 書籍の収量がBOOX Nova 2の方が早い

といった印象です。

まとめ

先日発売されたばかりのEink搭載Android端末「BOOX Nova 2」を購入しました。

昨年購入した「BOOX Nova Pro」と比べて、本としては性能差を感じないのですが、アプリの起動などのちょっとした動作がワンテンポ早くなったために、非常に快適に感じます。

大きさもちょうどいいですし、何より電子ペーパー(Eink)なので、長時間本を読んでも目が疲れにくいのが一番の利点です。スマートフォンだと明るすぎて目が疲れますね。

BOOX Nova 2の優れた点

  • 目が疲れにくい(電子ペーパーだから)
  • A5サイズの専門書よりも軽い
  • 速くなった動作速度(New!)
  • Android端末なので、色々なアプリが使える
  • ページめくり動作も許容範囲
BOOX Nova 2のお勧めできない点

  • 価格が高い(約4万円)
  • 最新のスマートフォンなどに比べると、ページ送りももっさりしている
  • ストレージが32GBしかない
  • Google Playの有効化など、ひと手間必要(トラブル時に自己解決できる知識が必要)

もし、電子書籍はKINDLEしか読まないのであれば、KINDLEシリーズの方をお勧めします。

SONY READERやKOBO等、他の電子書籍も読む場合は、BOOX Nova 2という選択肢もあるのではないでしょうか。