MAD GAZE GLOW Plus 大画面を独り占めするスマートグラスを試してみた話
クラウドファンディングにて、スマートフォンやPCの画面を映せるAR/MRスマートグラス「MAD GAZWE GLOW Plus」を手に入れましたので、感想をまとめていきます。
MAD GAZE GLOW /GLOW Plusとは
中国MAD GAZE社から出たAR/MRスマートグラスです。解像度や光学系が異なるGLOWとGLOW Plusの2機種が開発されました。
現在(2020/8/5)は、クラウドファンディングCAMPFIREから出資できます。
スペックについての詳細は、下記の記事にまとめ直しました。ご参考までに。
内容物確認
入っていたものは以下の通りでした。
- 本体
- 缶ケース
- グラスバッグ
- USB Type-Cケーブル
- 絶縁テープ×4
小さい箱の中には、眼鏡替わりのレンズを固定するためのフレーム類とレンズサンプルが入っています。
- ノーズピース
- レンズフレーム×2
- レンズサンプル×2
- ネジ
説明書は入っていませんでした。
化粧箱
化粧箱を開けると、缶ケースのみがドーンと見える形状になっていました。良い演出です。
缶ケースと、小箱が2つ。大きい小箱には、USB Type-Cケーブルと絶縁テープが入っていました。小さい小箱は前述のお通り、レンズ系が入っています。
缶ケースの中には、グラスバックに入った本体が入っていました。
なかなかいい作りです。
本体:GLOW Plus
質感は、プラスチックと言った感じであまり高くはありませんが、梨地加工はされているので、ちらっと見る分にはあまり気にならないでしょう。
レンズ部分の作り
レンズ部分がかなり分厚い作りとなっています。
それもそのはずで、レンズの上部(下の写真の赤枠の辺り)に小型のディスプレイが下向きに設置されており、真下にあるプリズムレンズで直角に反射させて映像を見せる形式になっています。
真後ろから撮った写真がこちら。上半分はディスプレイやら何やらで覆われています。レンズ部分にもうっすらと四角く黒い部分がありますね。上部のディスプレイの黒を反射しているのでしょう。
後ろから光を当てると、こんな感じです。装着時には、透過している部分の中央に目が来るように設定しますので、レンズ上部の黒い部分は気になりません。
レンズの真下からGLOW Plusを見ると、プラスチック製のカバーでレンズを守っていることが見て取れます。
画面を表示している時に、真下からのぞき込むと映像が見えます。
テンプル(つる)部分の構造:USB Type-C・スピーカー
右側のテンプルの先にUSB Type-Cのポートがあります。
テンプルの下側、耳に近い部分にスピーカーが設置されており、スリットが作られています。
このスピーカー、お世辞にも良い音とは言えませんし、周りに音が漏れまくります。おまけ機能と思った方が良さそうです。
ノーズピース
ノーズピースは、後方にスライドさせることで簡単に外せます。
初期に付いていたのもが長い方。短くしたい場合のみ付け替えればいいでしょう。
下の写真のように、前方に押し込めば取り付け終了です。多少の前後の遊びはあり、且つ、簡単に動くというわけではないので、数mm程度の前後の位置調整が出来るようになっています。
発熱対策:絶縁テープ
GLOW Plusは使用時に上部がそこそこ熱くなります。対策として、付属している絶縁テープを張りなさい、ということになっています。クッション性のあるテープですね。
おでこに当たる部分に貼っていきます。
どこかの長さに合わせてあるというわけではないので、そのまま貼るなり、切って調整するなり、好きにしてくださいとのことです。
重さ
実測しました。本体だけで95gです。公称値よりは大きいですが、誤差の範囲でしょう。
絶縁テープを張ると97gになりました。それでも100gを切っています。
使ってみた
Android
DisplayPortに対応したスマートフォン(「DisplayPort Alternate Mode」に対応したスマートフォン)にUSB Type-Cケーブルを接続すると、スマートフォンの画面がGLOW Plusに映ります。
私の持っているHUAWEI P20では、PCモードというウィンドウ形式の画面表示ができます。
スマートフォン自身は、タッチパッド相当となり、外部ディスプレイを操作する形となるのですが、GLOW Plusとは相性が良いようです。
前面に大きめのモニターを設置してPCを操作しているような感覚になります。
音の出力は、スマートフォンからか、GLOW Plusからか選べます。
実際の使用では、スマートフォンにBluetooth接続したイヤホンを使うのが無難でしょう。
そして何より、画面が綺麗! 透過型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をなめていました。GLOW Plusが有機ELディスプレイを使用しているからかもしれませんが、発色が素晴らしい。
Windows10
個人的には、これに一番期待をしていました。フルHD画質が表示できるスマートグラスはPC作業にもってこいなのではないかと。
正直、画面のきれいさに驚きました。普通に文字が読めます。私の使っているDELL G5と同じ解像度で、表示されています。
VR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)ではちょっと文字がにじんだりしてしまいますが、こちらは頭の動きには追従しない分、PCからの画像がネイティブで出力されています。にじみようがありません。
ちなみに、Windows10からは、普通にフルHDのディスプレイとして認識されています。Thunderbolt3のオルタナティブモードモードで接続されているようです。
画面の広さは下の写真の通り。ほぼフレームいっぱいに映し出されます。
個人的な印象では、40インチ級のフルHDのモニターが1mくらい離れたところにあるような印象です。GLOW Plusは瞳孔間距離の調整が出来ないため、見えるモニターの距離感は固定されてしまいます。当然、人によって瞳孔間距離は異なるため、見えているモニターの位置は人によって異なってきます。多少解像度が落ちても良いので、ソフトウェア上で対応できるようになって欲しいところです。
GLOW Plusを装着してのPCの操作感ですが、例えばVR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は周りが見えにくいように作ってあるわけですが、GLOW Plusはフレームの外は普通に見えるので、下を見下ろせばキーボード・マウス共にきっちりと目視で操作が可能です。
使い辛いと感じた点は、フレームいっぱいに映り過ぎて、GLOW Plusをきっちりと装着しないと、ちょうどウィンドーバーがある画面の上部が見えにくかったりします。ゲームやら映画・動画を見る分には余白が無い分プラスの面かもしれません。
また、GLOW PlusはPCから出力された映像を映しているだけです。例えば、右上を見たい場合は、目を動かすしかありません。頭を固定して大画面を見るイメージになるので、目の運動になってしまうかもしれません。
日中屋外で使ってみた
晴れた気の木陰で、使ってみた時の動画です。HUAWEI P20をデスクトップモードで映しています。
動画は、VRカメラInsta360 EVOで撮影したものを広角モードで出力した物です。実際には上記の動画の中央部、スマートフォンの画面が目の前に広がります。
晴れた空を見ていても、スマートフォンの画面がくっきりと表示されていることが分かります。映像の後ろにうっすらと前方の景色も重なって見えています。目の焦点を前方にあるものに合わせると、ちゃんとその物を見ることが出来ます。
また、GLOW Plusが揺れると画像もGLOW Plusと一緒に動いてしまっています。つまり、VR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のように頭の動きと共に映像が変るというような機能は無く、だたのディスプレイとして動いていることが分かります。
モニター部分はプリズムレンズが入っているため、ちょうどサングラスのようにうっすらと外光を遮ります。UVカット加工がされているかの記載はないため、あまり日光は見ない方が良いかもしれません。
まとめ
今回、クラウドファンディングでGLOW Plusというスマートグラスを購入してみました。
3D表示が出来ないのは残念ですが、自分だけしか見えない大画面が、この解像度で見えるのは衝撃的でした。
〇良い点
・対応するデバイスならば、USB Type-Cケーブル一本でパーソナルディスプレイとして使える
・目の前いっぱいにフルHD画質の映像が映る
・Windows10で倍率100%でも文字がにじみもなく、普通に読める
×残念な点
・スピーカーはおまけ
・長時間使うとおでこが熱くなる
・目の前にいっぱい過ぎて、きっちりと装着しないと画面の端が見切れる
・GLOW Plusは3D表示なし
・AR/MR機能はもう少し様子見
個人的には、フルHDのポータブルディスプレイというだけで価値を感じます。
端が見切れなくなるような工夫は必要ですが、10~12インチ級のモバイルPCを使っての縮こまっての作業が、このGLOW Plusを使えば大画面での作業が出来るようになります。
また、ノートPCのメイン画面の表示を切っておけば、喫茶店やら新幹線でも周りの目を気にせずに、機密書類の作成が出来てしまいます。また、透過型のスマートグラスなので、周りの気配は十分見えるので、没入しすぎて迷惑をかけるわけでもありません。
これは、ノマド的な働き方に革命を起こせるのではないでしょうか。