スマートフォン用クーラーが、180度3Dカメラの発熱対策にできるか検証していく その1
180度3Dカメラは4k画質を超える画像を処理・記録していますので、長時間使っていると、本体自身がとても熱くなります。
夏本番に向けて、発熱対策を取っていこうと考えて、スマートフォン用クーラーを購入しましたので、まずはどんな物なのかチェックしました。
発熱対策
気温が上昇してきたため、Vuze XRやInsta360 EVOは長時間録画をしていると本体が非常に発熱しています。
4k画質を超える映像を、小さなボディー内で処理・記録しているのですから、当然と言えば当然です。
発生した熱を取り除きたいのですが、気温の高い屋外では空冷では冷やしきれない可能性が高いです。
良い物はないかと探していたのですが、下記の商品を見付けました。
ドスパラの商品ですが、ペルチェ素子でガンガンに冷やしてしまうと言うものです。
ペルチェ素子というのは、電気の力で熱を表から裏に移動させる特性を持つ素子です。気温よりも冷たくなるんです。原理は「ゼーベック効果」と言われるものです。
Amazonでは、サンワダイレクトの商品がヒットします。が、ここまで大きい物は必要ありません。
購入した物
サンワダイレクトの商品はちょっと大きすぎるので、ドスパラの極冷モバイルペルチェクーラーを購入しました。
内容物
本体と、USBケーブル、冷却シートの予備が一つ、説明書が入っていました。
本体
サイズは、実測で、77mm x 36mm x 37mmでした。
ファン側に、説明用シールが貼ってあります。ボタンは強くおす必要は無く、指を置いているだけでON/OFFに切り替わります。
光沢塗装をしてありますが、光沢のある部分は全てプラスチックです。
裏側には、冷却シートが付いています。大きさは22×22mm程度。この部分にペルチェ素子が付いています。
真横から見ると、放熱シートが飛び出している様に見えますが、この部分にスプリングが付いていて、スマートフォンを押し当てると沈む作りになっています。このため、スマートフォンに冷却シートが張り付き熱が効率的に逃げる仕組みになっています。単純ならが、良い設計ですね。
また、内部を見るとアルミのピン形状のヒートシンクが大量に立っています。放熱できるように表面積を稼いでいるのでしょう。
外装はチープな作りですが、放熱部分はちゃんと考えてありそうです。
本体重量
残念ながら、この商品にはバッテリーは内蔵されていません。microUSBから供給する必要があります。
その代わり、本体は46gと軽量です。
性能チェック
電源ON
電源を入れてみます。本体が青く光ります。右側のボタン(写真で言う上側)を長押しすると、消灯します。
横からも光が漏れています。
小型のファンが回っていますが、意外と静かです。とは言え、撮影中に稼働させると、録音に入り込みそうです。
温度測定
電源ON直前の温度を測定しました。29.1℃です。
冷却シートを触ったまま電源を入れると、冷たいと実感できる程度に速いスピードで温度が下がっていきます。
電源ON後で、約5分放置しました。7.7℃まで下がりました。まだまだ温度は下がっていっていましたが、結露を始めていましたので、ここで中断しました。
少なくとも、室温から20度強だけ、温度を下げること出来ることを確認しました。
180度3Dカメラを並べてみる
Insta360 EVO
スマートフォン用アームに対して、Insta360 EVOは小さすぎるようです。ガバガバです。
Insta360 EVO + 自作ケース
下記の記事で作ったケースをはめてみましたが、やはりガバガバです。
計ってみると、このスマートフォン用クーラーのアームの内径は広いところで67mmありました。
上記のケースは60mmで設計しているのでつかめるはずがありません。
Vuze XR
当然ガバガバです。何なら二本並べても余裕がありそうです。
(参考)iPhone7
しっかり挟めるサイズは、iPhone7程度が下限のようです。
取り敢えず開けてみた
スマートフォン用アーム部分が爪で引っかかっているだけのようでしたので開けてみました。
上から、外装・アルミのヒートシンク、ペルチェ素子、少し離れてスマートフォン用アームの順に並んでいます。
アルミのヒートシンクとペルチェ素子は、放熱グリスで乗っかっているだけです。固定されていませんでした。
下の写真に見えているファンと外装の間にバネがあるようです。この部分が上下することによって、放熱部分全体が上下するようです。
基本的な考え方は問題ないと思うのですが、可動部分にグリス面が来ているため、そのうちグリス切れを起こしそうです。放熱シートに変えた方が無難な気がします。
まとめ
今回、180度3Dカメラに使いたくて、スマートフォン用クーラーを購入してみました。
結果、分かったことは以下の通り。
- 冷却能力:少なくとも外気温-20℃強は温度を下げることが出来る
- 重量:46gと軽量。
- バッテリー:未実装
- 対象物の横幅:67mm~85mm
さすがはペルチェ素子、非常に冷えます。ファン側は、ヒートシンクはかなり熱くなっているようですが、外装はプラスチックなので熱く感じません。ファンの風はほのかに熱い程度です。
「屋外でガジェットを冷やす」という目的に対しては十分な性能を持っているように思いますが、どうやって固定するのか、運用はどうするのかに付いては、工夫が必要ですので考えていきます。