USB Type-C PDエミュレータを使って12VのDCアダプタ替わりを作った話
VIVE Cosmos Eliteを持っているのですが、このHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、割とゴツイDCアダプタを使います。
このDCアダプタが結構邪魔でスマートではないので、USB Type-CのPD規格のケーブルを作りましたのでまとめます。
USB Type-Cから12Vを供給する:PDエミュレーター
USB Type-CのPower Delivery規格に確か12Vがあったはず、と考えAmazonを漁ってみると、USB Type-Cから12Vを供給できるボードが売っていました。
これの12V版を購入して試してみます。
最大100Wと書かれています。USB Type-CのPD規格が100Wなので、規格の話をしているように思います。本製品が本当に100W流せるかどうかは、ちょっと怪しいですね。
ケーブルは、外形5.5mmの物を使います。
USB 12V PDエミュレーター
届いたものは、3つつながった物でした。
プリント基板に切れ目が入れてありますので、手で簡単に分離することが出来ます。
DCケーブル
無駄に10本ずつ届きましたが、このうちのプラグ側の1本のみ使用します。
組み立て:ハンダ付け
先ほどのUSB 12V PDエミュレーターとハンダ付けします。
こうして置いてみると、USB PDエミュレーターはかなり小さいですね。
電圧確認
モバイルバッテリーのUSB Type-Cに接続してみます。
確かに12Vが出ているようです。
これでUSB Type-Cからの12Vの電源供給が出来ることが分かりました。
ケース作り:3Dプリント
次は、むき出しになっているプリント基板のケースを作成してみます。
使用した機器「ELEGOO MARS」
手頃に使える光造形方式の3Dプリンタです。
下記に光造形方式の3Dプリンタの使い心地をまとめています。ご参考までに。
使用したアプリ「Fusion360」
AUTODESK社の定番アプリ、Fusion360でモデルを作成しました。
個人での使用ならば無料で使用できます。ライセンスの発行方法は下記を参考ください。
使用したレジン:水洗い樹脂(Elegoo製)
今回初めて水洗いレジンを使いました。超便利!
匂いも少なく、プリント後の作業がかなり楽でした。
モデル
パーツを2つに分けて勘合させる形状にしました。
この形状で、CHITUBOX標準の「ELEGOO Standard Resin Black for 0.05mm」の設定を使ったのですが、ちょっとオーバー露光気味です。
マージン不足で勘合に苦労しました。
モデルは例のごとくDMM.makeに上げましたので、興味がある方はダウンロードしてみてください。
出来上がった物
なんとか勘合しました。
サポーターの跡を処理すればそれっぽくなるのでしょうが、これで満足してしまいました。
USB Type-C端子は問題なく出ていますし、ガタツキもなく出来ました。
組み立て
プリント基板をケースにスライドさせながら、入れていきます。
およそ、USB Type-Cのコネクタがケースから出るか出ないかまで押し込みます。
蓋を閉じれば出来上がりです。
まとめ
今回、USB Type-Cから12Vを供給するためのケーブルを作成しました。
実際にVive Cosmosは問題なく動作しました。下記の記事にまとめています。
このPDエミュレーター自身はあまり発熱しないようです。
USB Type-Aから12Vを取るときと比べて、Type-Aの場合は5Vから12Vに昇圧させる時にロスが発生し発熱するのに対して、PDエミュレータ自身は「12Vください!」と電源にお願いするだけですので、ロスが少ないのでしょう。
このケーブルとPD対応の充電器があれば、邪魔なDCアダプタを排除できそうです。