3Dプリンターで イヤホン Artio CR-V1用にクリップを作ってみた話

2019年11月7日

Artio CR-V1の純正ケーブルには、下の写真のような”左右のケーブルをまとめるクリップ”が存在しません。

3Dプリンターの練習も兼ねて、クリップを作ってみましたのでまとめます。

使用したもの

3Dプリンター「ELEGOO MARS」

光造形形式の3Dプリンターです。3万円前後で、高精細な造形が作れます。

UV樹脂

黒色のUV樹脂を選択しました。

同じ条件では、クリアと黒では適切な露光時間が違うようです。露光条件は後述しますが、最適とは言いがたいです。

モデル作成

使用したソフト

今まで「DesignSpark Mechanical」 という商用でも無料で使えるアプリを使っていたのですが、今回は練習も兼ねて、一般によく使われているアプリ「Fusion360」を使いました。

Fusion360も個人利用の範囲では、無料で使えます。

モデルの目的

目的を下記にまとめます。

  • イヤホンの左右のケーブルをまとめる
  • 裏側に押し込む形でケーブルをまとめれるようにする
  • 樹脂が溜まりにくいような構造を作る

イヤホンケーブルをまとめるだけですので、小さなものが出来上がります。

このサイズならば、プリント中にUV樹脂が溜まり意図しない形状になることもないとは思いますが、念のために、平面部分にも貫通穴を開けておきました。

モデル

下の図のようなモデルを作りました。

イヤホンケーブルが2本通るようにしています。

表側に、Artio のロゴをちょっと意識したして「>>」っぽい溝を作ってみました。

ChiTuBoxでスライスした状態が下記の図です。露光条件も記載しています。とても小さい物なのですが、約1時間半かかります。

構造物でかかる樹脂の料金は、約\3。小さいだけに、とてもリーズナブルです。

DMM.make

Free素材として、DMM.makeにモデルを置きました。ご自由に使ってください。

出来上がったもの

出来上がったものが下記の写真です。

黒で分かりにくいですが、そこそこ思った形状に出来ています。「>>」型の溝も出来ていますね。

思っていたよりも細かい造形がちゃんと作れていて感動します。

使用感

実際に、Artio CR-V1に付けてみました。

ケーブルサイズにピッタリです。移動した時の抵抗も良い感じに出来ました。

収納時には、ドライバー側に寄せれば、絡まりにくくなります。

SHURE掛けで視聴する時には、首に寄せて止めることで、ドライバーの揺れを低減できます。

まとめ

今回、Artio CR-V1用にケーブルクリップを作ってみました。

結果は、予想以上に使いやすい物ができ、満足しています。

手間暇はかかるとはいえ、UV樹脂の費用は殆どかからない、こういう小物こそ、家庭用3Dプリンターの本領が発揮されるのではないでしょうか。