小型3軸ジンバル ZHIYUN CRANE M2 に3DマイクZOOM H3-VRを取り付けた話

2020年5月24日

ミラーレスカメラまで対応出来る小型の電動3軸ジンバルZHIYUN CRANE M2に、3Dプリンターでマウンターを作って、ZOOM H3-VRを取り付けてみましたので、まとめます。

使用した機材

ZOOM H3-VR

4つのマイクと6軸モーションセンサーを搭載したVRハンディレコーダーです。

ステレオ録音はもちろん、5.1chサラウンドや、Ambix・アンビソニックスという360度全方位のフォーマット等も選べます。

詳しくは下記の公式サイトをご覧下さい。

ZHIYUN CRANE M2

アクションカメラからミラーレス一眼までで使用できる、小型の電動3軸ジンバルです。

撮影前のセッティングとして、3つの軸の重さのバランスを取ってあげる必要がありますが、電動でカメラのブレを補正してくれるので、きれいな動画の撮影が出来るようになります。

垂直クイックリリースプレート

ZHIYUN CRANE-M2用の垂直クイックリリースプレートを使用しています。

QooCam 8k単品でバランスを取った記事はこちら。ご参考までに。

出来上がった物

ZHIYUN CRANE M2のチルト制御用のモーターの、カメラと反対側に、カウンターウェイト的にZOOM H3-VRを配置できました。

写真の通り、バランスが取れています!

これの何が良いのかというと、カメラとマイクの向きが揃う! という点につきます。

ジンバルの軸にマイクを付けてしまうと、カメラの方向とマイクの方向が大きくずれてしまう瞬間があります。

ジンバルが回転運動をゆっくりにしてくれることによって、手振れをメカ的に補正してくれているので、文句はないのですが、カメラとマイクが一緒に動いてくれればと思っていました。

ところが、ZOOM H3-VRはデカい、ということで、カメラに固定すると重心が離れてしまって、ジンバルのバランスを取り辛く、小型のZHIYUN CRANE M2ではちょっと無理がありました。

この構造で、問題点があるとすれば、

  • ジンバルの駆動音を拾うのではないか
  • ジンバルが動作した時に、ジンバルとマウンターがこすれる音が入るのではないか

といった不安点があります。これについては、実際に撮影してみましたので、後述します。

3Dプリント

使用した機器「ELEGOO MARS」

手頃に使える光造形方式の3Dプリンタです。

下記に光造形方式の3Dプリンタの使い心地をまとめています。ご参考までに。

使用したアプリ「Fusion360」

AUTODESK社の定番アプリ、Fusion360でモデルを作成しました。

個人での使用ならば無料で使用できます。ライセンスの発行方法は下記を参考ください。

使用したUVレジン(Hieha製)

たまたまこのレジンを使用しましたが、粉は出やすいし、欠けやすいし、このレンジは失敗でした。こういった治具のようなものは、硬さがあったANYCUBIC製のレジンの方が良かったように思います。

下は何回か取り外しを行った、今回作成したマウンターです。ネジ穴がつぶれ掛けています。レジンがもろいですね。

モデル

例によって、DMM.makeにモデルを上げています。ご興味がある方はダウンロードしてみてください。

使用感

取付方法

ZHIYUN CRANE M2の純正のネジを使用します。

マウンターにはめ込みます。ZHIYUN CRANE M2のネジを使用すると、ちょうどネジを手でつかめるように作りました。とは言え、指が太めの人には隙間が狭いかもしれません。

このネジでZOOM H3-VRを固定します。

ZHIYUN CRANE M2にはめ込みます。

蓋を締めれば完成。

取り付けた見た目

黒いレジンで作り直したいところではありますが、今回は機能確認ということで見ていきます。

自作マウンターは、ZHIYUN CRANE M2のmicroUSBが表に出るように作っています。

蓋の見える部分にサポーターの後が付いていて、ちょっと不格好です。

本体も、調度前面に当たる部分にサポーターの跡が・・・

撮影してみた

実際にZHIYUN CRANE M2にQooCam 8kとZOOM H3-VRを取り付けて歩いてみました。

今回は、自撮り棒等で体をZOOM H3-VRから離していませんので、撮影者を消すために黒塗部分が大きめです。

右を向けば、マイクの裏面が見えているのですが、個人的には思ったよりも気にならないレベルとなったのではないでしょうか。

また、気になっていたジンバルの駆動音や、マウンターがすれる音等は気になるレベルではないようです。

まとめ

今回作成したマウンターを使うことによって、ZOOM H3-VRに、QooCam 8kとZOOM H3-VRが、同じ方向を向く形で、取り付けることが出来るようになりました。

自作マウンターの利点

  • カメラとマイクが同じ向きに固定できるようになった
  • ジンバルの駆動音もマイクに入っていない
  • マウンターとジンバルがすれる音も入っていない

個人的には、やりたいことは出来るようになりました。

今回のマウンターは意外と難産でした。電池を入れたZOOM H3-VRは意外と重たいらしく、レジンが反ります。これを解決するために2パーツ方式にした、というわけです。

Fusion360は、標準でネジ山を切る機能があるのですが、直径45mmのネジ切りなんて造形も簡単に作れてしまうことに、感動してしました。下は死屍累々の一部です。結構ボツりましたが、これも経験だと思っています。