EVO-X3とEVO-X2、実際どこが違うのか〜X2を使ってきた視点で発売前のスペックを読む

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手元のEVO-X2で大きなモデルを動かしてきた身として、後継をうたう「EVO-X3」の発表は気になりました。最新のRyzen AI Max+ 395を積んだ上位モデル、と紹介されています。ただ、EVO-X2もすでに同じチップを積んでいます。では、いったい何が「上位」なのか。発売前の公開スペックを、実際に使ってきたX2と一台ずつ突き合わせて読んでみます。(EVO-X3は未入手のため公開スペックに基づく調査。EVO-X2側の速度は当方の実機計測・2026年7月時点)

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先に結論:中身はほぼ同じ、違いは一つだけ

細かい話に入る前に、要点だけ先に置きます。EVO-X3とEVO-X2は、頭脳にあたる部分――CPU、内蔵GPU、メモリの量と速さ――が公開スペック上まったく同じです。つまり、ローカルでLLM(大規模言語モデル:手元で動かすChatGPTのような文章生成AI)を動かしたときの実力は、基本的に変わらないと読めます。両者を分ける差は、X3に外付けGPU用のOCuLink(オキュリンク)端子が付いたこと――ただしその代わりにUSB端子とDisplayPortがいくらか減っていること。この二点に集約されます。メモリの速さもM.2の拡張性も、両者で変わりません。

スペックを並べる:どこが同じで、どこが違うか

公開されている仕様を、項目ごとに並べます。色をつけたところが、実質的に違う箇所です。

項目 EVO-X2(実機所有) EVO-X3(発売前・調査)
CPU Ryzen AI Max+ 395(16コア) 同じ Ryzen AI Max+ 395(16コア)
内蔵GPU Radeon 8060S(40基) 同じ Radeon 8060S(40基)
メモリ 128GB LPDDR5X・8000MT/s 同じ 128GB LPDDR5X・8000MT/s
GPUに回せる容量 最大96GB 同じ 最大96GB
ストレージ M.2×2スロット(最大16TB) 同じ M.2×2スロット(最大16TB)
無線 Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4 同じ Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4
消費電力 120W(ピーク140W) 同じ 120W(ピーク140W)
OCuLink端子 なし あり(PCIe 4.0 ×4)
USB Type-C(USB4) 2基 1基
USB-A 5基(高速3+低速2) 3基
DisplayPort 1.4 あり なし(廃止)
HDMI / LAN / 音声 HDMI 2.1・2.5G LAN・3.5mm 同じ HDMI 2.1・2.5G LAN・3.5mm

並べてみると、頭脳まわりは行がそろって「同じ」で埋まります。マーケティングの言葉では「さらに進化した上位モデル」ですが、少なくともLLMや画像生成といったAI用途で効いてくる部分――チップ、メモリの量と速さ――は、数字の上で差がありません。ここは正直に押さえておいたほうがよいところです。

むしろ意外なのは、USB端子の数です。X3はUSB Type-Cが二基から一基へ、USB-Aも五基から三基へ減り、DisplayPortもなくなりました。周辺機器を数多くつなぐ人にとっては、X2のほうが取り回しがよい、という逆転もあります。X3で純粋に増えたのは、後で述べるOCuLink端子の一点だけでした。内部の拡張性――M.2スロットの数(両機とも二基)や最大容量(十六テラ)――も、そろって同じです。

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唯一の違い、OCuLinkは何のための端子か

では、その一つだけの違いであるOCuLinkとは何か。ひとことで言えば、外付けのグラフィックボード(外付けGPU、eGPU)をつなぐための専用の出入り口です。ミニPCは小さい筐体に強力なグラフィックボードを内蔵できません。そこで、箱の外に別のGPUを置き、太いケーブルで直結する。その直結用の端子がOCuLinkです。USBよりも内部のバス(PCIe)に近い形でつなぐため、外付けでも速度のロスを抑えやすい、という位置づけになっています。

EVO-X2 と EVO-X3 の関係
共通の頭脳(同じ中身)
Ryzen AI Max+ 395
Radeon 8060S
128GB メモリ(GPUへ最大96GB)
→ LLM・画像生成の実力はここで決まる。X2=X3で同じ。

EVO-X3 だけの扉
OCuLink 端子
(PCIe 4.0 ×4)
→ 外付けGPUを直結できる。X2には無い。

ここは実機で試した話ではなく、仕様と一般的な構成からの説明です(調査・2026年7月時点)。手元にはOCuLink接続用の外付けボックスとグラフィックボードを用意してあり、この組み合わせを別途試す予定でいます。結果が出たら、別の記事で改めて報告するつもりです。

AI性能は変わらない、という読みの根拠

「頭脳が同じなら性能も同じ」と言うだけでは弱いので、当方のEVO-X2で実際に測った数字を置いておきます。これはX2の実測値ですが、X3も同じチップ・同じメモリなので、そのまま目安になると考えています。

動かしたモデル サイズ EVO-X2 実測の生成速度
gpt-oss 120B(MoE:専門家混合型) 65 GB 約33 トークン/秒
Nemotron 120B(活性12B・MoE) 85 GB 約20 トークン/秒
Qwen3 235B(超巨大モデル) 約104 GB 約18 トークン/秒

百億単位の大きなモデルが、手元の小さな箱で毎秒二十トークン前後で文章を書く。この水準はX2で確かめたもので、X3でも同じ数字が出るはずだ、というのが今回の見立てです。もしAIを動かす目的だけでX3を選ぶなら、支払う差額に見合う速度の上積みは、スペック上は見当たりません。速度や賢さの詳しい実測は、EVO-X2で大きいほど賢いのかを八問で測った記事や、巨大モデルを手元で動かした記事にまとめています。

結局、どちらを選べばいいのか

用途で切り分けると、はっきりします。

あなたの目的 向いているのは
ローカルでLLMや画像生成を動かしたい EVO-X2で十分。性能は同じで、その分安い。
将来、外付けGPUを足して用途を広げたい EVO-X3。OCuLink端子がそのための保険になる。
今すぐ最大容量のストレージが欲しい EVO-X3の4TBモデル(X2も4TBはあるので在庫次第)

言い換えると、AIを動かす箱としての実力を買うならX2、あとから外付けGPUで拡張する可能性に備えるならX3、という分け方になります。OCuLinkに価値を感じるかどうかが、差額を払う判断の分かれ目でしょう。

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価格と、パートナー向けクーポンについて

発売時点の価格は、2TBモデルが¥576,576、4TBモデルが¥616,456です。当方が入手したEVO-X2(128GB/2TB)の実購入価格は約¥52万でしたので、OCuLink端子ぶんの差額、という見方もできます。

現在、期間限定で5,000円引きのクーポンコード「A8X301」が用意されています。購入手続きの際に入力すると割引が適用されます(クーポンの有効期間・適用条件は販売ページでご確認ください)。

まとめ:進化というより「拡張の扉が付いた版」

EVO-X3をひとことで言うなら、EVO-X2の頭脳をそのままに、外付けGPU用のOCuLink端子という扉を一つ付け足したモデルでした。AIを動かす実力そのものは、両者で変わりません。だからこそ選び方は単純で、拡張の余地がほしければX3、実力だけで足りるならX2。手元のX2で測ってきた実感からすると、多くの人にとってはX2で必要十分で、OCuLinkに将来性を見出す人がX3を選ぶ、という整理がいちばん誠実だと思います。外付けGPUの実際の効きめは、当方で試したうえで改めて書きます。

参考にした資料

※EVO-X3は未入手のため、スペックは公開情報に基づく調査です。生成速度はいずれも当方のEVO-X2での実測値(2026年7月時点)で、X3の数値ではありません。価格・クーポンは変動する場合があります。

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