GPUの値段がまた上がった〜買うのと借りるので、どこが分かれ目になるのか調べた

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そろそろグラフィックボードを買い替えようかと値段を見にいって、手が止まりました。上がっているのです。それも、少しではありません。

手元でローカルAIを動かすのに、グラフィックボードは要ります。ところが、その前提が崩れかけているように見えました。だとすると、買わずに時間で借りるほうが現実的になっていくのでしょうか。

買う場合と借りる場合で、いくら違うのか。借りると速度はどれくらい落ちるのか。見落としやすい費用はどこか。2026年8月6日時点で調べました。

本記事は調査が中心です。手元の機材で測った数字にはその旨を書いています。借りるほうは、まだ実際には借りていません。この記事のあとで実際に借りて測る予定で、その計画も最後に載せました。

グラフィックボードの値段に、何が起きているのか

いちばん分かりやすいのが RTX 5090 です。発売時の希望小売価格は 1,999ドルでした。それが 2026年8月の時点で 4,288ドル2倍を超えています(いずれも米国での価格です。国内の店頭価格は、これに為替と流通が乗ります)。

時期起きたこと
2026年1月10〜15%の値上げ
2026年5月RTX 5090 だけ、さらに値上げ
直近全モデルで 20〜30% の値上げ(2026年に入って3回目)

値上げしているのは NVIDIA だけではありません。AMD も Intel も、さらにゲーム機のメーカーまで価格を上げています。

なぜ上がっているのか
原因はグラフィックボードそのものではなく、その中に載っているメモリです。

AIのデータセンターがメモリを大量に買い付けていて、個人向けの製品にまわる分が足りません。 メモリを作っている側も値上げしていて、この不足は2028年ごろまで続くという見方が出ています。

つまり、待てば下がるという話ではなさそうです。

ローカルAIを動かす立場からすると、これは他人事ではありません。大きなモデルを載せるにはメモリの多いカードが要り、そのメモリがいちばん値上がりしているからです。

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借りるほうは、いくらなのか

時間で借りるサービスの値段を並べます。1時間あたりの金額です。

借りるものRunPodVast.ai
A100(40GB)$0.60$0.52
A100(80GB)$0.79$0.67
L40(48GB)$0.69$0.31
RTX 4090(24GB)$0.69
H100(80GB)$2.89

Vast.ai のほうが安く出ています。誰でも自分の機材を貸し出せる仕組みで、そのぶん値段が下がるためです。ただし、これには続きがあります(あとで書きます)。

ここで気になるのは、買う側が2倍になったのに対して、借りる側はどうなのかです。調べたかぎり、借りる側の値段は上がり方が緩やかでした。ただし、これは今の時点の話です。データセンターも同じメモリを買っているので、いずれ借りる側にも来ると考えるほうが自然だと思います。

借りると、速度はどれくらい落ちるのか

借りたGPUは、たいてい他の人と同じ機械の上で動いています。そのぶん遅くなるのではないか、という心配です。調べてみると、「どういう借り方か」で答えが正反対でした

仮想マシンで貸す形
1台の機械を切り分けて貸す形です
15〜25%ほど遅くなるという報告
出せる力の 65〜76% にとどまる、という測定も
コンテナで貸す形
GPUを直接触らせる形です
差は1%未満という測定
(毎秒4,250 と 4,210 トークン)
どちらも他所の測定です。当窓では測っていません。

今回見たサービスは、どちらもコンテナで貸す形でした。だとすると、速度そのものは、それほど落ちない見込みです。

ただし、これは1回の生成が始まってからの速さの話です。手元で測ってきた経験から言うと、待ち時間の大半はそこではありませんでした。

手元の実測では、202GBのモデルをディスクから読み込むのに31分かかっています(毎秒110MB)。借りた機械では、この読み込みがネットワーク越しになります。動かす前に待つ時間が、借りる場合はもっと効いてくるはずです。ここは実際に借りて測りたいところです。

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値段表に出てこない費用

1時間あたりの金額だけを見ていると、あとで合わない部分が出ます。調べていて「これは知らないと危ない」と感じたものを挙げます。

  • 止めても、置き場の料金は止まりません。使うのをやめても、消すまで課金が続きます。200GBを10日置いておくと、それだけで7〜10ドルほどという計算になります
  • 通信量にも料金がかかります。100GBのやりとりで2.5ドルほど。大きなモデルの重みを落としてくるだけで積み上がります
  • 相手の機械が落ちている間も課金された、という報告があります。返金は受けられなかったとのことです
  • そのため、実際に払う額は表示価格より20〜40%高くなるという見方が出ています(審査を受けていない貸し手の場合)

安いほうを選ぶと、こうした不確かさが増えます。安さと安定は、そのまま引き換えのようです。

買うか借りるか〜「何時間使うか」より「何に使うか」

以前この計算をしたときは、1日8時間使う前提で「約2,000時間で並ぶ」と書きました。書き直します。1日8時間も使っていません。実際は、思いついたときに数十分、といったところです。

そこで、月に何時間使うかで並べ直しました。中古のRTX 3090を買う場合と、同じものを借り続ける場合が並ぶまでの年数です。買う側は16万円としました(中古の相場。2026年8月時点の調査値で、一点物なので店や時期で動きます)。

月に使う時間だいたいの使い方元が取れるまで
10時間週に2〜3回、少し触る30〜71年
30時間毎日1時間ほど10〜24年
100時間毎日3時間強3〜7年
200時間ほぼ毎日、長時間1〜4年
借りる側の単価は1時間 19〜45円(RTX 3090・2026年8月6日調べ・1ドル150円換算)。幅があるのは、貸し手によって値段が違うためです。
使った時間と、かかったお金(中古 RTX 3090 を買う場合と借りる場合) 0万円 6万円 12万円 18万円 24万円 30万円 0時間 2,000時間 4,000時間 6,000時間 8,000時間 10,000時間 買う(中古 16万円)— 何時間使っても同じ 8,500時間で並ぶ 借りる(安い貸し手 19円/時) 3,500時間で並ぶ 借りる(高い貸し手 45円/時) 1,500時間で並ぶ 借りる(RTX 4090級 104円/時) 横軸=そのGPUを使った合計時間。線が下にあるほうが安い。月30時間の使い方だと、8,500時間に届くのは20年以上先です。

数字を出してみて、自分の思い込みが崩れました。趣味で触る程度の使い方だと、元は取れません。30年や70年は、寿命の話ではなく「そこまで使わない」という意味です。

では、なぜ手元に置くのか
金額で正当化できないなら、理由は別のところにあります。書き出してみると、こうなりました。

思いついた瞬間に使える(借りると、借りる手続きと読み込みが先に来ます)
データを外に出さなくて済む
止め忘れても、電気代しか増えません
いじって覚えられる(設定を間違えても、時間で課金されません)

逆に言うと、この4つが要らない使い方なら、借りるほうが理にかなっています。

用途で分けると、こうなりました

使い方向いているのは理由
日々の調べ物・要約・コードの相棒手元1回が短く、回数が多い。借りると待ち時間のほうが長くなります
手元に載らない大きなモデルを試す借りるそもそも手元では動きません。月に数回なら費用も知れています
画像や動画をまとめて作るどちらでも数時間続けて回すなら、借りても数百円です
外に出せないデータを扱う手元金額の問題ではありません
常時動かしておきたい手元借りると止めない=ずっと課金されます

何日も続けて借りるのは、どういうときか

時間単位で借りる話をしてきましたが、何日も続けて借りる使い方もあります。個人でそうなるのは、だいたい次の3つでした。

  • モデルに自分の癖を覚えさせる(追加学習)。手元のカードでは容量が足りず、時間もかかります。借りた大きなカードなら数時間〜1日で終わることがあります
  • 大量にまとめて処理する。記事を何百本も翻訳する、動画をまとめて変換する、といった作業です。1本ずつなら手元で足りても、数を掛けると日をまたぎます
  • 比べるために何十通りも回す。設定を変えながら同じ測定を繰り返す使い方です。当窓がやっている実測も、これに当たります

ここで効いてくるのが単価です。3日続けて借りると72時間になります。

借りるもの1時間72時間(3日)
RTX 3090(安い貸し手)約19円約1,400円
RTX 3090(高い貸し手)約45円約3,200円
RTX 4090 級約104円約7,500円

3日で1,400円なら、追加学習を1回試すのに悪くない金額だと思います。ただしこれは計算どおりに終わった場合です。途中で失敗して回し直せば、そのぶん積み上がります。そして止め忘れると、寝ている間も課金され続けます

何日も借りる使い方は、金額が読みにくい使い方でもあります。先に上限を決めておくのが要るところです。

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これから実際に借りて、測ります

ここまでは調べただけです。数字が本当かどうかは、借りてみないと分かりません。次のように測る予定です。

測ることなぜ
同じモデル・同じ設定で、手元と借りた機械の生成速度「速度はほとんど落ちない」が本当か
借りてから、最初の答えが返るまでの合計時間読み込みの待ち時間が、借りる場合にどれだけ効くか
終わったあとの請求の内訳置き場と通信に、いくら乗ったか
同じ条件を時間帯を変えて2回他の人の使用状況で、どれだけぶれるか

手元の測定と同じ条件にそろえるのが肝心なところです。そろえないと、比べても意味のある数字になりません。

この記事で触れたもの

買う側の例に使った中古のカードです。値上がりしているとはいえ、24GBを手元に置ける現実的な選択肢です。

【中古】MSI GeForce RTX 3090 GAMING X TRIO 24GB

¥148,000 Amazon・2026/5/1調べ

時間で借りるほうのサービスです。当窓ではまだ実際に借りていません(この記事は調べただけです)。紹介リンクのため、当方に紹介の特典が入ります。読者側の料金が上がることはありません。

GPUの時間貸し(RunPod / Vast.ai)

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まとめ

  • グラフィックボードの値段は2026年に3回上がり、RTX 5090 は2倍を超えました。原因はメモリ不足で、2028年ごろまで続くという見方があります
  • 借りる側の値段は、いまのところ上がり方が緩やかです。ただし同じメモリを取り合っているので、いずれ来ると考えるほうが自然です
  • 速度は、コンテナで貸す形なら1%未満の差という測定があります。今回見たサービスはどちらもこの形でした
  • ただし動かす前の読み込みは、借りる場合のほうが重いはずです(手元では202GBに31分)
  • 止めても置き場の料金は止まりません。通信量にも課金されます。実際に払う額は表示より20〜40%高いという見方も
  • 「何時間使うか」で元を取る考え方は、いまの値段では成り立ちません。月30時間の使い方だと、元が取れるまで10〜24年です
  • 手元に置く理由は金額ではなく、すぐ使える・データを出さない・止め忘れても電気代だけ・いじって覚えられるの4つでした
  • 何日も続けて借りるのは、追加学習・大量のまとめ処理・何十通りも比べる測定のとき。3日で1,400〜7,500円ほどですが、止め忘れると寝ている間も課金されます

借りるほうが向いているのは、金額の問題というより手元に載らない大きさを触りたいときでした。次回は実際に借りて、この計算がどこまで当たるのかを確かめます。

本記事の価格は2026年8月6日に調べたものです。為替は1ドル150円として概算しました。料金も為替も変動します。

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