VIVEシリーズのBase Station 1.0をモバイル化したという話
VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の一つである VIVE Cosmos Elite を買ったのはいいけれど、同封されているベースステーション(Base Station 1.0)は、標準では壁に取り付けろ、みたいな感じで書かれています。
壁に穴を開けるのも嫌なので、三脚に乗せて使っています。が、こうすると、DCアダプタが結構邪魔なので何とかした、という話をまとめます。
ベースステーション(Base Station)とは
ベースステーションとは、VIVEシリーズをはじめとする、高精度に頭やコントローラーの動きをトラッキングするために置く、一辺が9cm弱の四角い黒い箱です。
このベースステーション出る赤外線をHMDやコントローラーが感じて、トラッキングをしています。
設置場所が問題で、本当ならば2.0m以上の高さに置いた方が良いようです。
詳しくは、下記の記事が分かりやすく書いてありました。ご参考までに。
ベースステーションはより広範囲をトラッキングできる2.0もありますが、一般家庭では1.0で十分とのことです。
私自身、今のところ設置方法以外はBase Station 1.0で不満を感じていません。
ベースステーションの不満点:DCアダプタ
付属のDCアダプタが意外と大きいのです。
個人的には、三脚に乗せて使っていますが、長くダランと垂らさなければいけない上に、コンセントの位置から離すわけにもいかない。
これを何とかしたいと考えたわけです。
DCアダプタの定格
上記の写真にも小さく乗っていますが、このDCアダプタの定格は、下記の通りです。
項目 | 定格 |
---|---|
出力電圧 | 12V |
出力電流 | 2.5A |
電力で言うと30Wです。大きさ相応の供給能力があるようです。
消費電力の確認
ベースステーションは、赤外線を発しているだけです。本当に30Wもの電力が必要なのでしょうか。
ベースステーションの消費電力を見てみました。約4Wです。
DCアダプタでのロスもあるでしょうから、本体の消費電力はもう少し小さいでしょう。
ちなみに、電流は0.3A程度流れている換算になります。
おや? 電力で考えると、USBは5Vなので・・・0.8A? USBから供給できるんじゃない?
と考えたわけです。
購入した物:USB12V電圧ブースター
購入した物は、この電圧ブースターです。
ベースステーションのDCアダプタのジャック部分のサイズは、5.5mm×2.5mmのタイプです。
電圧とジャックサイズさえ間違えなければ、使えるはず。
項目 | 定格 |
---|---|
出力電圧 | 12V |
出力電流 | 0.6A |
電力で言えば7.2W。ベースステーションの消費電力が4Wならば、倍くらいの余裕がありそうです。
モバイルバッテリーに接続してみる
使用したモバイルバッテリーは下記のものです。安かったから買っただけで、特殊なものではありません。
接続してみました。ベースステーションには、電源ボタンもないので、接続すると直ぐに動き始めます。
写真のように、何の問題もなく動きました。
消費電力確認
この接続の間にテスターを入れて、消費電力を確認してみます。
およそ5Vで0.8A・・・約4Wですね。想定通りでした。
ベースステーションが移動可能に
というわけで、我が家のベースステーションは、下の写真の形に落ち着きました。
- 百均自撮り棒
- ミニ三脚
- USB 12V電圧ブースター
- モバイルバッテリー
給電もモバイルバッテリーになりので、手軽に移動できます! モバイル化した!、と言わせてください。
このセットならば、コンセントが届かなくても、家具の上に置いて使えます。
ちなみに、ベースステーション単品の重さは約300gなので、スマートフォン用の自撮り棒でも使えます。首が動くタイプの自撮り棒を使うと角度も調整できますので、新規で購入するのならば、首が動かせるタイプが良いでしょう。
まとめ
PC用のHMDは、ベースステーションの設置が・・・と思っていたのですが、モバイルバッテリーから給電できるようになりました。
元々、ベースステーション自身はPCにつなげる必要もないので、電源がモバイルバッテリーになったことから、ベースステーション単品で、気軽に動かせるようになりました。
なお、現状、私自身はトラッキングにも不満を感じていませんが、HTCが公式にこの方法を取らなかったということは、USBからの給電では、条件によっては電力不足になる等の不具合があるかもしれません。
また、Vive Cosmos EliteのHMD本体は、この手のUSB電圧ブースターでは起動しませんでした。起動後は6W程度に落ち着くようなので、あと一歩の工夫で何とかなりそうな気はしますが。