Insta360 EVO 3D写真画質検証(HDR)日中屋外撮影
Insta360 EVOのHDR写真についてまとめます。撮影した写真は下記の記事と同じ物を使用します。
HDRとは
HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略称です。
普通ならば、白飛びや黒ツブれしてしまうようなシーンで、HDR設定で撮影すると、ディテールを損なわない撮影が出来ます。
具体的に何をやっているかというと、Insta360 EVOの写真のHDR撮影は、下記のCanonのサイトに書いてあるように、複数枚の露光条件の違う写真を合成しています。
HDR撮影手順
Insta360 EVOは電源を切ると、撮影の設定がデフォルト状態に戻ってしまいます。
HDR撮影を行う場合は、スマートフォンのアプリで接続・設定が必要になります。
写真の設定画面から、「写真」のアイコンをタップすると、HDRのアイコンが見えます。
HDRのアイコンをタップすると、HDR撮影が出来るようになります。露光の設定が「±4」になっています。
「±4」の部分をタップすると、±0.3~±4まで設定が変更できます。この値を小さくすると、撮影時の露光の変化量を調整できます。光量のレンジを増やすための設定ですので、デフォルトの「±4」で問題ないでしょう。
その他の設定としては、中央の「自動」アイコンをタップすると、通常の写真撮影と同様に、ISO優先やシャッター優先の設定を行えます。
撮影した写真はスマートフォンのアプリでは、「HDR」の表示が入ります。
HDR撮影の効果の確認
ISO優先でISO100として、通常撮影の写真とHDR撮影時の写真を比べてみます。
HDR撮影にすることで、視界中央の草むらの黒つぶれや、視界右上の空の白飛びが改善していることが確認できます。
通常撮影の写真
カメラ | ISO | 露光時間 | 露光補正 |
Insta360 EVO | 100 | 1/1059 | 0 |
HDR(EV4)の写真
カメラ | ISO | 露光時間 | 露光補正 |
Insta360 EVO | 100 | – | – |
細部の比較
JPEGデータを切り取って比較してみます。通常の撮影ではデータが無くなってしまうような暗部・明部共に、HDR撮影の方はデータを持っていることが分かります。
黒ツブれ部分
白飛び部分
HDR(EV4)の写真の中身
HDR撮影時にEV設定を4とすると、EV設定が-4, 0 , +4の3枚の写真を撮影します。
EV0をベースにして、EV-4で白飛び補正、EV+4で黒ツブれ補正をかけてあげている、と考えれば良いでしょう。
EV0
カメラ | ISO | 露光時間 | 露光補正 |
Insta360 EVO | 100 | 1/1112 | 0 |
EV-4
カメラ | ISO | 露光時間 | 露光補正 |
Insta360 EVO | 100 | 1/8197 | -3.9 |
EV+4
カメラ | ISO | 露光時間 | 露光補正 |
Insta360 EVO | 100 | 1/70 | +4 |
アプリでHDR撮影の効果を確認する
HDR撮影した写真を閲覧時に、右上の設定アイコンをタップすると、「HDR」のON/OFFの設定が出来ます。アプリ上では並べてみることは出来ませんが、HDRの効果を確認し、欲しい方だけをシェアする、と言った使い方が出来ます。
Insta360 EVOのHDR写真撮影の問題点
本体の設定が残らない
前述していますが、Insta360 EVOの電源が落ちると、本体の設定がデフォルトに戻ってしまいます。”HDR撮影をしているつもりが、通常撮影だった”ということが多々起きます。
HDR撮影時には、スマートフォンでの接続が必須というのも、ハードルが高いと言えるでしょう。
カメラ固定が必要
Insta360 EVOのように露光条件を変えた複数写真を合成するタイプのHDR撮影は、複数枚の写真を合成する都合上、撮影時間が長くなります。手ぶれ補正が付いているとは言え、HDR撮影時はカメラ固定での撮影が前提と考えた方が良いです。出来れば三脚で固定した撮影をしたいところです。
スマートフォンでの処理が必要
Insta360 EVOのスマートフォンのアプリ上は、HDR撮影写真は1枚の写真のように取り扱いが出来ます。
一方、PCにデータを転送すると、3枚の別ファイルとして取り扱われます。Insta360 Studio 2019でもHDR写真としては認識しないようですので、別途Photoshop等のソフトウェアで合成する必要があります。
まとめ
Insta360 EVOでのHDR写真撮影について見ていきました。HRD撮影をすることによって、レンジの広い撮影が出来るようになることが分かります。
撮影時にスマートフォンに接続しなくてはいけない点が惜しいところです。