Vuze XRでスマホ用ジンバル「Snoppa Atom」を使う 1
先日、スマートフォン用ジンバル「Snoppa Atom」を購入致しました。
これで、Insta360 EVOでの撮影が手軽になると思っていたのですが、
Snoppa Atomは搭載重量が310gまで。
上手くすれば、重さ212gのVuze XRでも使えるんじゃない? と思いテストしてみましたので、まとめます。
Snoppa Atomとは
スマートフォン用のジンバルです。折りたたみが出来て非常にコンパクトに持ち運びが出来ます。
下の写真は、Insta360 EVOと並べて撮っています。電動3軸ジンバルとしてはかなり小さいのではないでしょうか。
詳しくは、下記の記事に書きましたので、ご参考までに。
Snoppa Atomの作りを観察
ちょっとおさらいです。3軸ジンバルには、3つのモーターがそれぞれの回転軸を制御しています。
Snoppa Atomの場合どうなっているでしょうか。下の写真の様に3つのモーターが見て取れます。
また、FeiyuTech G6のようにマウンターだけ交換、というのも難しい構造です。
一般にスマートフォン用のジンバルとカメラ用のジンバルとの大きな違いとして、スマートフォン用の地盤バルはそれぞれの軸のバランスを調整する機構がありません。
各モーターが頑張ることによって、制御する仕組みになっています。
形状・重さも大きく異なるカメラと違って、板状で重さも大きさもある程度同じスマートフォンをターゲットとしているので、簡略化されているのでしょう。
Snoppa Atomを見ると、ロール用のモーターの重さと、スマートフォンの重さで、チルト用のバランスを取るように設計されていることが分かります。
パンのモーターはほぼ水平になっていますし、大きな力もかからないでしょう。
ロールは、スマートフォンの重心が、モーターの中心と重なっていれば何とかなりそうです。
Snoppa AtomとVuze XRを並べてみる
取り敢えず並べておいてみました。
Vuze XRの本体は、スマートフォン用アームに対してかなり細いです。
どうやって固定するのか、考える必要があります。
そしてこれ、チルトのバランスは一番難しそうです。明らかに重心が偏っています。
テスト1
取り敢えず、手元にあったレザー紐でくくりつけてみました。
ロール軸はそこそこ簡単に合わせることが出来ます。
では、Snoppa AtomのスイッチON!
ガ、ガ、ガ、ガクッ・・・
モーターのトルクが抜けてダラ~ンと、力尽きました。Snoppa AtomのLEDも消えて制御されていないことが分かります。
テスト2
最初の観察を思い出してみます。やはり、チルトのバランスが悪すぎるのではないでしょうか。
Vuze XRをくくりつけた時に、完全にバランスが崩れているので、下の図のような位置に何か重りを付けてみればどうでしょう。
と言うことで、手元にあった単三電池をくくりつけてみました。
スイッチON!
見栄えはともかく、バランスが取れました。ロール90度回転でも安定しています。今度はSnoppa Atomの青いLEDが点灯しています。モーターで制御できています。
どうやら、この方針で間違っていないようです。
固定治具を作ってみる
以上を踏まえて、方針を考えます。
- ロール:Vuze XRをスマートフォン用マウンターの中央に固定出来るようにする
- パン:無視
- チルト:チルトモーターから出るアームに重りを取り付ける
ホームセンターで買ってきた100 x 50 x 1mmのアルミ板を切ったり曲げたり、ネジ止めしたりして、形状を模索しました。
Vuze XRのロールを固定するのが中々難しいです。1/4″ネジは必須。Vuze XR自身が細長いので、ちゃんと固定しないと、Vuze XR自身が揺れます。
また、スマートフォン用アーム部と、Vuze XRに隙間が出来るとチルト用モーターが鳴き始めます。変な共振が入るのかもしれません。
これがなかなか曲者で、1mmのアルミ板をアームにピタッと押し当てるようにしようとすると、無駄に曲げが必要になり、アルミ板が傷だらけになってしまいました。
今回は、本体の横揺れを防止する意味も込めて、今回はアルミ板とVuze XRは1/4″ネジにプラスして、バンドで固定しました。
できあがったのがこちら。本当に見栄えが悪いですが、何とかバランスは取れているっぽい。
Snoppa Atomに取り付けたらこんな感じになります。バランスを取ってくれています。
ちなみに後ろから見るとこんな感じ。テストで電池を付けたところには、ボルト+ナット3個のブロックを置きました。
なお、総重量は、
Vuze XR(213g) + 治具(33g) + 重り(59g) = 305g
でした。
一応、Snoppa Atomの定格310gいないには収まっています。
Vuze XRの本体の電源ボタン・WiFiボタンも完全に塞いでしまっています。この辺りは改善したいポイントですね。
動画撮影で検証
この状態で撮影した動画が下記の記事で書いたものです。
ジンバルとしては十分機能してくれているように思います。
が、実は連続10分くらいすると、ブーンと鳴って力尽きました。チルト用のモーターが発熱しています。
モーターが冷えると再起動はしました。が、当然原因は取り除けていないわけで、だましだまし撮影しています。上記の動画で言うと観音堂の辺りから動きがギクシャクしてしまっているのは、このためです。
まとめ
今回、一応Vuze XRでのなめらかな撮影が出来るように、スマートフォン用3軸ジンバル「Snoppa Atom」の固定治具を作ってみました。
結果、不十分なできではあるものの、10分くらいなら使用できる程度の物が出来はしました。
なお、今回の固定治具の構成の問題点は、
- チルトのバランスが取り切れていない
- そもそも、総重量305gは余裕がなさ過ぎる
と言った点があったように思います。これらを改善して、再度固定治具作りにチャレンジしていきたいと思っています。