180度3Dカメラ、どれを買えばいい? 選択チャート 2019年夏版 ,Insta360 EVO, Vuze XR, QooCam

2019年6月28日

Oculus Questはじめとして、やっと一般人でも手が届くVRゴーグルが出始めてきました。VRゴーグルで見るならば、3D映像が見たくなります。

自分で3D映像が撮れるVR180対応カメラ、買うならばどれを買うべきか、まとめましたので参考にしてください。

候補カメラ

下記の記事にも書きましたが、下の表は日本で入手できる10万円以下のVR180対応カメラの一覧です。

機種名 価格(2019/3/16 時点) 最大解像度 コメント
LUCIDCAM ¥53,858
4k
@30fps
Amazonでは並行輸入で販売されています。
解像度と価格が釣り合いません。
Mirage
Camera
¥31,223
4k
@30fps
動画撮影時の発熱が問題視されています。長い撮影には向かないでしょう。
手ぶれ補正は効いていないようです。
180度3Dを初めて見るには良いかもしれません。
QooCam ¥48,500
4k
@60fps
手軽に撮影できる点が強み
AIでの強力な手ぶれ補正やディプスマップの作成など、ソフトウェアに強みがあります。
4kは画質が物足りなく感じますが、360度映像をコンテンツとして、面白いクリップが作成できるアプリが魅力です。録音は残念なレベルです。
Vuze XR ¥59,500
5.7k
@30fps
高画質、手振れ補正は要PC
Insta360 EVOと並んで高画質です。
手ぶれ補正が貧弱ですが、PCでレンダーすれば使えるレベル。固定で撮影するならば綺麗な動画が得られます。
唯一、録音がまとも(スマホレベル?)。
Insta360
EVO
¥56,570
5.7k
@30fps
高画質、手振れ補正に強み、HDR撮影可
Vuze XRと並ぶ高画質に、強力な手ぶれ補正が入ります。
唯一の欠点は、録音が残念なレベルです。

ちなみに、現在の価格は下記の通りです。

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上記の中で現状お勧めできるのは、下記の3機種です。

  • QooCam
  • Vuze XR
  • Insta360 EVO

プロ仕様なら「Z CAM K1PRO」なんてカメラもありますが、約50万円! 同じ土俵では比較はできないですね。

VRカメラ選択チャート

この3機種の中から、何を選べばいいのか、選択チャートを作りました。

  • QooCam
  • Vuze XR
  • Insta360 EVO

パターン別解説

パターン1「デプスマップ重視」

デプスマップが必要な方が買うべきカメラは、QooCamです。

デプスマップ(深度マップ)は乱暴に言ってしまえば、カメラからの距離を近いほど白、遠いほど黒で表した画像です。

Facebookの3D写真が普通の写真とデプスマップを使って擬似的に3D感を出しています。下記のサイトの画像が、Facebookのデプスマップの使い方をわかりやすく表現していると思います。

では実際にQooCamのデプスマップがどう言った物かというと、下の写真では、左がQooCamで撮った写真、右がデプスマップです。

ちょっと解析がおかしな部分もありますが、イメージはつかめるのではないでしょうか。

ちょっと前には、GoogleがAIを使って2D動画からデプスマップを計算する手法を公開していました。

PC用編集アプリ「QooCam Studio」で、180度3D写真からこのようなディプスマップを作ってくれます。

なお、Vuze XRやInsta360 EVOでもディプスマップは作れなくはありません。

下記のサイトのPC用のアプリ「ステレオフォトメーカー」を使うと、VR180の写真からディプスマップが作れます。

QooCamはQooCam Studioだけで、ディプスマップが作れるのに対して、他のカメラでは専用編集アプリで写真ファイルを作成してから、ステレオフォトメーカーでディプスマップを作る、とかなり手間がかかります。

手軽にデプスマップを使って楽しみたい方は、QooCam一択でしょう。

パターン2「音質重視」

録音も必要なあなたが買うべきカメラは、Vuze XRです。

QooCamもInsta360 EVOも録音が残念です。音量が小さく雑音が多いです。下記に録音の比較をまとめています。ご参考までに。

Vuze XR以外の二機種の音は、Premiere Proで音を別撮りした音のタイミングを合わせようとしても、合わせてくれない程度に小さな音量になってしまいます。

録音も重視したい場合はVuze XR以外に選択肢はありません。

とは言え過信は禁物で、Vuze XRの音質もスマートフォンでの録音程度の物です。ちゃんとした音を取りたい場合は、別途マイクが必要だと思ってください。

パターン3「手軽さ重視」

録音をそこまで重視せず、画質も4kで十分なあなたが買うべきカメラはQooCamです。

手振れ補正も優秀ですし、スマートフォンのアプリで、いろいろなシーンが簡単に撮影できる、ある意味

ホビー用途最強

のカメラです。最近のスマートフォン用のアプリのアップデートはビデオクリップの追加を重視しているようです。例えば、下記の記事を参考にしてください。

ほぼ、スマホで完結できるのも良いですね。

パターン4「スマホ連動重視」

スマートフォンで5.7k画質の動画を扱いたいという猛者のあなたが買うべきカメラはInsta360 EVOです。

現状スマートフォンで5.7k画質の動画を取り扱えるカメラはInsta360 EVOのみです。

Vuze XRはスマートフォンに転送すらしてくれません。

気を付けるべき点は、5.7k動画はデータ容量も大きく、スマートフォン単体での処理は高スペックの機種以外は難しいとは思います。

パターン5「HDR重視」

HDR撮影重視のあたなが買うべきカメラはInsta360 EVOです。

Insta360 EVOは、唯一、写真も動画もHDR撮影が可能です。

ですが、HDR動画撮影時には、手振れ補正が効かなくなり、5.7k画質では25fpsに落ちる点を考慮に入れてください。

パターン6「トキメキ重視」

ギミック最高なあなたが買うべきカメラはVuze XRです。

形からして未来感があふれるこのカメラ、ボタン一つで変形する様は必見です。

パターン7「とにかく撮りたい!」

とにかく高画質で取れれば! というあなたが買うべきカメラは、Insta360 EVOかVuze XRです。

両者共に一長一短あり、差はあまりない印象です。

Insta360 EVOの方が、若干くっきりとした絵が取れる、小さい、軽い、でも持ちにくい。画質については下記の記事にまとめています。

Insta360 EVOの方が、カメラ単体でも秀逸な手振れ補正がかけれる。Vuze XRはPCありきの手振れ補正。手振れ補正については下記の記事にまとめています。

価格帯も似たようなものですので、どちらを選んでも問題ないでしょうが、

あえて言うならば、Insta360 EVOの方が手軽に思います。

まとめ

以上、上記3機種を実際に使った感想を踏まえた選択チャートでした。

個人的には最近はVuze XRをメインに使い始めています。理由は”録音”です。

3D録音に興味を持って、ZOOM H3-VRというマイクを試してみているのですが、録画した映像と音を同期させるのならば、Vuze XRが一番楽なんです。