カメラ1台で全身トラッキング?〜無料ソフト HIROMEIRO について調べた

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カメラの映像から体の動きを読み取り、全身トラッキングできるアプリ、HIROMEIRO(ひろめいろ)が、2026年9月17日に正式版が無償で公開されました。

VTuber のようにアバターを全身で動かすには、一般には、体に付けるトラッカーのような専用の機材が必要なのですが、HIROMEIRO は、Webカメラやスマホのカメラ1台で全身のトラッキングができるとしています。PCやスマホの中で動くAIによって、体の動きを読み取る形式とのことです。このアプリを使えばPCやスマホで、アバターの全身を動かせるのでしょうか?

本記事では、公式の取扱説明書と、公開されているソースコードを読みました。HIROMEIRO で何ができるのか、どのOSで何が動くのか、どんなカメラと広さが要るのかを整理します。あわせて、カメラだけで全身を動かす同じようなソフトと、料金や読み取る点の数を数字で比べました。

2026年10月11日時点の内容です。

この記事で調べたこと〜範囲と情報源

調べたのは5つです。HIROMEIRO が何をするソフトなのか、体の動きを読み取るAIがどこで動いているのか、どのOSとカメラで使えるのか。さらに、同じようなソフトとの違いと、使う前に気を付けたい点です。

アバターを表示する本体が Windows 専用で、当ブログで使っているPCは Linux と Mac のため、HIROMEIRO はまだ試していません。動作についての話は、すべて次の情報源に書かれている内容です。

情報源 中身 扱い
公式サイトと取扱説明書 できること、動作環境、操作方法、既知の不具合、FAQ 公式
GitHub の README と公開ソース 体の動きを読み取るアプリ(Windows 版・Android 版・Python 版)の作り 公式(ソースを読んだもの)
配布ファイルの中身の一覧 正式版の zip に入っているファイルの名前(中身は開いていない) 配布物の確認
PR TIMES、MoguLive 正式版の公開の知らせと、その紹介記事 公式の発表とニュース
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HIROMEIRO は何をするソフト?

取扱説明書によれば、手持ちの VRM のアバターを、トラッキング用の機材を使わずに全身で動かすソフトです。要るのはカメラ1台で、普段着のままでよいとされています。開発したのはクシナダ機巧株式会社で、2023年から開発版として公開されていたものが、今回の正式版です。

VRM とは

VRM は、3Dのアバターを保存するためのファイル形式です。人の形をしたモデルに、骨組み(ボーン)や表情の情報を決まった形で持たせています。形式がそろっているため、あるソフトで作ったアバターを、別のソフトへ持ち込んで動かせます。HIROMEIRO は、VRoid Studio で書き出した VRM で動作を試していると README に書いています。

できること

取扱説明書と公式の発表から、主な機能を並べます。

機能 中身
全身のトラッキング カメラ1台で、全身の動きをアバターに写す
上半身だけのモード 顔と肩の角度、両手の位置で動かす。椅子に座ったままの配信や、全身が画面に入らないときに使う
アバターの読み込み VRM のファイルを画面へドラッグ&ドロップで切り替え。起動時に読み込むファイルも設定できる
背景(ステージ) グリーンバック、公園、屋内ジムの3種類。グリーンバックは背景色を変えられる
縦型の映像 設定ファイルでカメラを90度倒すと、ショート動画向けの縦長の画面にできる
入力映像を隠す PC用のトラッキングアプリで、カメラに映った自分の姿を画面に出さない(初めから有効)
動きの収録と再生 読み取った動きを、動画より軽いデータとして保存し、あとから等倍速で再生して本体へ送れる

体の動きを読み取るAIはどこで動く?

カメラに映った体の動きを読み取っているのは、Google が公開している MediaPipe という部品のうち、Holistic Landmarker というAIのモデルです。映像の中の人について、体と顔と両手の要所(ランドマーク)の位置を、1つのモデルでまとめて推定します。Google の説明では、出てくる点の数は体が33、顔が478、両手が合わせて42で、合計553です。

ランドマークは、肩、ひじ、手首、指先、目や口の端のような、体の目印になる点のことです。HIROMEIRO は、これらの点がどこにあるかから関節の角度を計算して、アバターに同じ姿勢をとらせています。点から関節への変換は mediapipe_receiver_cpp という名前で公開されています。

推定と表示の2つのアプリに分かれた作り

HIROMEIRO は、動きを読み取るアプリ(トラッキング用ソフトウェア)と、アバターを表示する本体の2つに分かれています。読み取った結果は、ネットワークの UDP という送り方で、ポート番号 38013 を使って本体へ届けます。流れを図にすると次の通りです。

HIROMEIRO の中で進む処理(取扱説明書と公開ソースから並べたもの)
① カメラ
Webカメラ・スマホ
1280×720 で取り込み
→
② 推定
体と顔と両手の点を読み取る
MediaPipe Holistic Landmarker
→
③ 送る
同じPC内か、同じネットワーク内
UDP・ポート 38013
→
④ 表示
関節の角度にしてアバターを動かす
Unreal Engine 製・VRM
①②=トラッキング用ソフトウェア
Windows/Android/Python
④=本体
Windows のみ

UDP は、データを相手へ次々と投げて届ける、手軽な送り方です。ポート番号は、PCに届いたデータがどのアプリ宛てかを見分ける番号です。38013 を16進数で書くと 947d になり、開発元がドメインや GitHub の名前に使っている 947D-Tech と同じ並びです。

分けてある理由について、公式の発表では処理の負荷を分けるためと説明しています。読み取りをスマホや別のPCに任せ、表示だけを Windows PC で行えます。同じPCで両方を動かす場合は、送り先を 127.0.0.1(自分自身を指す住所)のままにしておけば動く、と取扱説明書にあります。

カメラの映像はインターネットへ送られる?

カメラで自分を映すソフトなので、映像がどこかへ送られていないかは気になるところです。Windows 版のトラッキングアプリ(mediapipe_transceiver_app)の公開ソースを読んで、3点を確かめました。

  • AIのモデル(holistic_landmarker.task)と、それを動かす部品は、アプリの中に置いたファイルから読み込む作りです。ネット上の配布元から読み込む行は、コメントとして無効にされていました(src/capture.js)。
  • モデルのファイルは、アプリを組み立てる段階でダウンロードしてアプリに入れる手順が、package.json に書かれています。
  • 通信を受け持つ部分(src-tauri/src/lib.rs)が使っているのは UDP の送信だけで、ほかのサーバーへつなぐ処理は見当たりませんでした。送っているのは、読み取った点の位置などの数値です。

ソースを読む限り、AIの推定はPCの中で完結し、結果は指定した送り先にだけ届く作りです。映像をクラウドのAIへ送る ChatGPT のような形とは作りが違い、ローカルで動くAIの一例と言えそうです。ただし、読んだのは公開ソースです。配布されている実行ファイルの通信を、当ブログで調べたわけではありません。

同じソースには、GPUで推定する設定(delegate: “GPU")も書かれていました。その横には、GPUで推定すると表情の値(blendshapes)を出す設定でエラーになる、というメモがあります。表情は別の方法で計算しているという取扱説明書の記載と、話が合います。

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HIROMEIRO はどのOSで動く?〜Windows、Android、Mac、Linux

取扱説明書の動作環境は、本体とトラッキング用ソフトウェアで分けて書かれています。本体には Windows PC が必要で、トラッキング用ソフトウェアは、Windows PC、Android、Python が動くPCのどれかで動かします。

役割 動くとされるシステム 入手のしかた
本体(アバターを表示) Windows PC のみ。グラフィックボード付きを推奨 配布の zip を展開するだけ。インストールは不要
トラッキング(Windows 版) Windows 11。ほかのOSでも動く可能性ありと記載 本体と同じ zip に同梱
トラッキング(Android 版) Android スマホ。Snapdragon 8 系か同等の処理性能を推奨 ソースを入手し、Android Studio で自分で組み立てる
トラッキング(Python 版) Ubuntu 24.04 で動作確認。Python と uv があれば、ほかのOSでも動く可能性ありと記載 ソースを入手。開発者向けで、難易度は高めとされている

公式のテスト環境は、Windows 11、Ryzen 7 5700X、メモリー32GB、GeForce RTX 4060 Ti(16GB)のデスクトップPCでした。これより軽いPCでどこまで動くかは、書かれていません。

配布ファイルの中身は?

正式版の配布ファイルは HIROMEIRO-v20260917.zip の1つで、大きさは約412MBでした。zip の中に入っているファイルの一覧(177件)を確かめると、主な実行ファイルは次の3つです(ほかに、Unreal Engine の前提ソフトを入れるインストーラーと、本体の内側にある実行ファイルが入っています)。

ファイル 役割
Windows/HIROMEIRO.exe 本体(中身は Binaries/Win64 の下にある Unreal Engine 製のアプリ)
mediapipe_transceiver_app.exe Windows 版のトラッキングアプリ
mediapipe_receiver_utility.exe 動きの収録と再生のアプリ

どれも Windows 用で、Mac や Linux 向けの実行ファイルは入っていませんでした。Android 版のアプリ(apk)も同梱されておらず、スマホで使う場合は自分で組み立てる形です。

Mac や Linux しか持っていない場合は?

Mac や Linux のPCでも、動きを読み取る役は担える可能性があります。Linux は Python 版で公式に動作が確かめられていて、Mac は「ほかのOSでも動く可能性」の範囲です。どちらも、アバターを表示する本体のために Windows PC が別に1台要ります。

本体を Windows 以外で動かす方法は、公式には案内されていません。FAQ によれば、本体は Unreal Engine を使っているため、ライセンスの都合でソースを全部は公開できないとのことです。自分で Mac 版や Linux 版を組み立てる道も、いまのところ無さそうです。

どんなカメラと広さが要る?

項目 公式の記載
PCで使うカメラ 一般的な Webカメラ。テストは Logicool C920n。Python 版の説明では UVC 形式のカメラと書かれている
スマホで使うカメラ スマホ本体のカメラ(前後を切り替え可能)。動作確認は Xperia 1 IV と Galaxy S26
取り込む大きさ Windows 版のソースでは 1280×720 に決め打ち
入力する値 カメラの対角画角(カタログの値)と、カメラの向き
部屋の広さ 全身が写ることが前提。おおよそ2m×2m

UVC(USB Video Class)は、ドライバを別に入れなくてもPCがカメラとして扱える、USBカメラの共通の決まりです。Windows 版のトラッキングアプリでは、OSが認識しているカメラを一覧から選ぶ形です。

画角と向きを入れる理由

カメラ1台で撮った映像は平面なので、そのままでは奥行きが分かりません。レンズがどれだけ広く写すか(画角)と、カメラがどちらを向いているかを入れることで、体の位置を立体として割り出す作りです。カメラを水平に置いている場合、向きは初めの値のままで動くとされています。

向きの値は、重力がどちらへ向いているかを表す3つの数(重力ベクトル)で入れます。映像の下側が床のときは (0, 9.8, 0)、カメラを横に倒して映像の左側が床のときは (9.8, 0, 0) です。Android 版は、スマホに入っているセンサーで縦向きか横向きかを判断します。

どのカメラを選ぶ?〜固定のWebカメラと、AIで追いかけるカメラ

最初の1台を選ぶなら、カメラが動かない固定式で、画角(映る広さ)が広めのWebカメラが合っていそうです。ただし、これは公式の記載と仕組みから考えた見立てで、当ブログで実際に試して確かめた結果ではありません。

理由は、前の節の「画角と向きを入れる」仕組みです。HIROMEIRO は、入力した画角とカメラの向きをもとに、体の位置を割り出します。入力した値と実際のカメラの状態が合っていることが、前提になっています。公式の取扱説明書(クイックスタート・FAQ・トラッキングの説明)を読んだ範囲では、カメラが動く場合の扱いは書かれていませんでした。

カメラの種類 HIROMEIRO との相性(見立て) 理由
固定式のWebカメラ 合っている 画角も向きも変わらないので、最初に入力した値のまま使える。取扱説明書の想定どおり(テストは Logicool C920n)
AIで追いかけるカメラ(追尾をオン) 公式の記載なし。合わない可能性が高い 人に合わせてレンズの向き(パン・チルト)やズームが変わると、入力した向き・画角と実際がずれる。ずれたまま計算すると、体の位置が狂うと考えられる
AIで追いかけるカメラ(追尾をオフにして固定) 使えそう 固定式のWebカメラとして使う形。ただし画角は広くないことが多い(下の表を参照)

「HIROMEIRO は、AIで追いかけるカメラでも使えるのか」という点は、公式には、使えるとも使えないとも書かれておらず、情報がありません。当ブログでも試していないため、追尾をオンにしたまま使えるかどうかは分かりません。なお、取扱説明書にある「追従モード」は、画面の中の仮想カメラがアバターの腰を追う機能です。実物のカメラを追尾させる機能ではありません。

もうひとつ気にしたいのは、追尾型のカメラの画角が、全身向きとは限らない点です。全身が入るには、おおよそ2m×2mの広さが目安でした。画角が狭いカメラは、カメラから離れる必要があり、狭い部屋では全身が入りにくくなります。メーカーが公表している画角(対角)は、次のとおりです。

カメラ 種類 画角(対角)[度] 出どころ
Logicool C920n 固定式 78(切り替え不可) 販売店の仕様表。取扱説明書のテスト機
Logicool BRIO 固定式 65 / 78 / 90 から選べる Logicool 公式ページ(アプリ Logi Tune で切り替え)
Razer Kiyo Pro 固定式 3段階から選べる(発売時の報道では 80 / 90 / 103) Razer 公式ページ(視野角は3段階の設定)と発売時の報道
OBSBOT Tiny 2 Lite AI追尾(パン・チルト) 約79(広くはない) 販売店の仕様表。公式ページには数値の記載なし

一般に、全身を入れたいときは90度前後の広角が向くとされますが、110度を超える超広角は映像がゆがみやすい、という指摘もあります。ゆがみが体の位置の計算にどう響くかは、取扱説明書に書かれていません。画角を切り替えられるカメラなら、広め(90度)で全身が入るかを先に試し、画角の値を HIROMEIRO に入力し直す、という順が無難そうです。

当ブログの一番のおすすめ〜ロジクール C920n

最初の1台として当ブログが選ぶのは、ロジクール C920nです。HIROMEIRO の取扱説明書がテストに使っているカメラで、画角は対角78度、フルHD(1080p)の固定式です。Amazon.co.jp の評価は5つ星のうち4.4(4,628件)、価格は4,880円でした(2026年10月12日、Amazon.co.jp の表示)。当ブログでは HIROMEIRO との組み合わせを試していないため、「取扱説明書と同じ機種で始められる」という理由での選択です。

ロジクール Webカメラ C920n フルHD 1080P オートフォーカス ステレオマイク画像なし。価格はAmazon.co.jp表示(2026-10-12)

¥4,880 Amazon.co.jp・2026-10-12調べ

買った人の声では、差すだけで使える点や会議に十分な画質が評価されています。一方で、顔が赤っぽく映る、PCに認識されない場合がある、短期間で壊れた、という声もあります。部屋が狭く全身が入らないときは、画角が90度ほどのカメラも候補に入れるとよさそうです。

ほかのカメラも比べたい方は、PC向けWebカメラのおすすめは?〜固定式・広角・AI追尾・オートフレーミングを調べたもあわせてどうぞ。

最初の1台は、動かない広角のWebカメラが候補です。すでに持っているなら、まずその1台で上半身のモードから試してみて、全身が入らないと分かってから買い足す順でも遅くありません。AI追尾のカメラは、追尾をオフにして固定して使えそうですが、HIROMEIRO で動作を確かめた情報は見つかっていません。使えるかどうかは、試した人の報告や公式の案内が出るまで、様子を見るのが安全です。

スマホの処理性能

Android 版の README では、Snapdragon 8 系以上のスマホを推奨しています。8 系なら少し古い端末でも快適に動き、7 系では新しくても動作が重い端末があったとのことです。動くものの重い例として Torque G07 が挙がっていました。

また、Android 版は画面が前に出ている間だけ処理を行い、裏に回すと止まる作りです。使っている間は、アプリを開いたままにしておく必要があります。

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カメラで全身を動かす他のソフトと比べると?

カメラの映像からアバターを動かすソフトは、HIROMEIRO のほかにもあります。同じようなソフトとしては、TDPT(ThreeDPoseTracker)、XR Animator、Webcam Motion Capture があります。参考として、体にセンサーを付けるソニーの mocopi も並べました。値はどれも各公式ページの記載で、当ブログでは動かしていません。

ソフト・機器 料金 要るもの 読み取る点の数 足の動き 動くOS
HIROMEIRO 無償 カメラ1台 体33、顔478、両手42(使っている MediaPipe Holistic Landmarker の出力) 読み取る 本体は Windows のみ。読み取りは Windows/Android/Python
TDPT(Windows 版) 無料 カメラ1台 体24 読み取る Windows(iOS 版もあり)
XR Animator 無料(CC BY-NC-SA 4.0) Webカメラ1台 記載なし(MediaPipe を使用) 読み取る Webブラウザ、Windows/macOS/Linux のアプリ
Webcam Motion Capture 有料プランあり(読み取りの機能は無料で試せる) Webカメラ1台 記載なし 機能一覧は上半身と手まで Windows 10 以降/macOS Catalina 以降
mocopi(参考・センサー式) 49,500円(ソニーストア) 体に付けるセンサー6個+スマホ センサー6点 読み取る スマホのアプリ

カメラ式の4本のうち、料金がかからず足まで読み取れるのは HIROMEIRO、TDPT、XR Animator の3本です。顔と手を除いた体の点の数で比べると、HIROMEIRO が使うモデルの33は、TDPT の24より9点多くなっています。点が多いほど細かく読めるとは限らず、精度は点の数だけでは比べられません。

違いが大きいのは、アバターを表示できるOSです。HIROMEIRO の本体は Windows 専用です。XR Animator は Webブラウザでも動き、Webcam Motion Capture は Mac にも対応しています。センサー式の mocopi はカメラを使わない代わりに、49,500円の機材代がかかります。

公式が示すPCの目安は?

ソフト 公式が示す構成
HIROMEIRO テスト環境=Ryzen 7 5700X、メモリー32GB、GeForce RTX 4060 Ti(16GB)。グラフィックボード付きを推奨
TDPT(Windows 版) 参考値=高:Core i9、16GB、RTX 4090/中:Core i7、16GB、RTX 2070 Super/低:Core i5、4GB、GPUなし(軽い読み取りの設定のみ動作)

HIROMEIRO はこれより軽いPCでの動作を書いていません。グラフィックボードの無いPCについて公式に目安があるのは、比べた中では TDPT だけでした。

HIROMEIRO を使う前に気を付けたい点は?

公式が挙げている不具合

取扱説明書には、2026年9月14日時点で確認されている不具合が2つ書かれています。

  • Windows 版のトラッキングアプリは、MediaPipe 側の挙動により、表情の値を出せません。別の方法で計算しているため、アバターの表情自体は動くとされています。
  • Android 版は、顔が隠れるとトラッキングが止まります。カメラに背中を向ける動きをしたい場合は、別のトラッキング用ソフトウェアを使うよう案内されています。

Python 版は、すべての機能が安定して動いていると書かれています。ただし、コマンドで操作する前提で、カメラの補正(キャリブレーション)も自分で行う必要があります。

自分の姿が配信に映り込まないか

Windows 版のトラッキングアプリには、カメラの映像を画面に出さない「プライバシーモード」があり、初めから有効になっています。映像を確かめるために外した場合は、配信の画面に映り込まないよう十分に注意するよう、取扱説明書が呼びかけています。アバターの配信で素顔が出てしまっては、元も子もありません。

ゲームパッドの入力の注意

本体の操作には、ゲームパッドの利用が推奨されています。視点の移動や、アバターの位置のリセット、設定メニューの開閉がボタンで行えます。

気を付けたいのは、本体の画面を選んでいないときでもゲームパッドの入力を受け付ける点です。ゲーム実況のようにゲームパッドをゲームの操作に使う場合は、設定メニューでゲームパッドを無効にするよう案内されています。

料金と、使ってよい範囲

FAQ によれば、HIROMEIRO は無償です。配信に使って収益を得ることも認められています。禁止されているのは、本体の再配布、他人への誹謗中傷に使うこと、そのほか社会通念上不適切と判断される使い方の3つでした。

本体はオープンソースではありませんが、トラッキング用ソフトウェアと、点を関節の角度に変える部分は Apache-2.0 のライセンスで公開されています。不具合の報告や要望は GitHub の issue で受け付けていて、必ず対応できるとは限らない、と書かれています。

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HIROMEIRO を試すかどうか、どう決めるか

ここまで調べた範囲から、向いている人と、注意が要る人を分けてみます。どれも公式の記載とソースをもとにした目安で、当ブログで動作を確かめた結果ではありません。

こういう人は 目安
Windows PC と Webカメラがあり、VRM のアバターを全身で動かしてみたい 候補になる。本体とトラッキングアプリが同じ zip に入っていて、1台のPCで完結する
カメラの映像をインターネット上のサーバーへ送りたくない 候補になる。公開ソースでは、推定はPCの中で行い、結果は指定した送り先へ UDP で送る作り
座ったまま配信したい、部屋に2m×2mの広さが取れない 上半身だけのモードが用意されている
Mac や Linux のPCしか持っていない 本体が Windows 専用のため、そのままでは使えない。表示用に Windows PC が要る
スマホをカメラ代わりにしたい Android のみ。apk の配布は無く、Android Studio で組み立てる必要がある。Snapdragon 8 系を推奨
グラフィックボードの無いPCで試したい HIROMEIRO はグラフィックボード付きを推奨。GPUなしの目安を公式に出しているのは TDPT(軽い設定のみ)
Mac だけでアバターを表示したい HIROMEIRO は使えない。同じようなソフトでは XR Animator と Webcam Motion Capture が Mac に対応
カメラに背中を向ける動きが多い Android 版は顔が隠れると止まると公式に書かれている。Windows 版か Python 版を選ぶ

最初の一歩としては、Windows PC に Webカメラをつなぎ、同梱された2つのアプリを同じPCで動かす形が、いちばん手数が少なく済みます。送り先は 127.0.0.1 のまま変えずに済みます。まずは上半身だけのモードで、アバターが自分の動きに付いてくるかを見て、広さが取れるなら全身へ進む、という順が手堅そうです。

カメラだけで全身を読み取る方法のほかに、体に付けるトラッカーを使う方法もあります。それぞれの特徴を調べて並べた記事はこちらです。

まとめ〜HIROMEIRO の仕組みと使える環境

HIROMEIRO は、Webカメラやスマホのカメラ1台で、VRM のアバターを全身で動かす無償のソフトです。体の動きは MediaPipe の Holistic Landmarker が読み取り、公開ソースを見る限り、その推定はPCやスマホの中で行われます。アバターを表示する本体は Windows 専用で、動きを読み取るアプリは Windows、Android、Python の3種類から選べます。同じようなカメラ式のソフトと比べると、体の点の数は TDPT の24に対して33で、足まで読み取れる点は XR Animator や TDPT と共通です。

使う前には、全身が写る広さ(おおよそ2m×2m)、カメラの画角と向きの入力、Android 版の組み立てと不具合を確認しておく必要があります。配信での収益化は認められていて、本体の再配布は禁止です。

カメラの映像から体の動きを読み取るAIも、PCやスマホの中で動くようになってきました。当ブログで扱っている文章を書くAIと合わせて見ると、ローカルで動くAIの使い道は思っているより広いのではないでしょうか。

なお、PCに積んだメモリーの大きさ別に、どんなAIのモデルが動くのかを並べた記事はこちらです。

参考にしたサイト

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