Insta360 EVO を2台使って360度3D撮影は出来るのか? その3
180度3Dカメラ2台を用いて、一般向けVRカメラで疑似的に360度3D映像が撮れるのか、ということを試しています。
今回はその3回目です。
前回までの取り組み
前回は、下記の記事に書いた通り、Insta360 EVOを2台重ねて撮影してみました。
分かったこととしては下記の通り。
さて、これで前回の撮影時の対策1.と2.が終わりました。今回新たに分かった点としては、撮影者が大きく映りすぎるという、ある意味分かりきっていた不具合が顕著になりました。
1.(済)カメラは正面を向かせるべき。
2.(済)「FlowState」が使えないので、ジンバル必須。
3.発熱対策が必要。
4.ステッチは素人には困難。専用ソフトを探す必要あり。
5.撮影者が大きく映りすぎる ⇒ 離れて撮影する必要あり。
今回は、「3.発熱対策」と「5.離れて撮影する」を行いました。
発熱対策
対策内容
Insta360 EVOは、撮影中はどんどん熱が溜まっていき、最終的には撮影が強制終了します。
どうやら、下の写真のヒンジ部分の金属が放熱板を兼ねているようです。
今回目標としている、360度3D映像の撮影を行うには、下記のようにInsta360 EVOを背中合わせで使用しようとしています。
このままでは、放熱板を兼ねているヒンジ部分が全く冷えません。
準備した物
そこで、熱を逃がす構造を考えてみます。
使用した物は、下記の3点です。
銅板
欲しいのは1枚だけですが、Amazonでは、最小購買数が5枚となっていましたので5枚購入しました。
ヒートシンク
15mm角のヒートシンクです。3Mの両面テープが付いていました。熱伝導率は分かりませんが、取り敢えず、このテープを用いて、銅板に張り付けます。
熱伝導シート
こちらも薄い物が1枚あれば十分なのですが、一先ずこれを買っています。
厚さの異なる3種類を一つのパッケージとしています。発送間違い防止などの意味合いがあるのでしょうか。興味深いです。
放熱構造
放熱構造の思想はいたってシンプルです。熱くなるヒンジ部分から熱が逃げる経路を作ってあげようと考えました。
上記の通り準備した銅板の長手側を、下記の長さで切ります。
Insta360 EVOの高さ(約50mm) + ヒートシンクの高さ(15㎜) = 65mm
ヒートシンクを配置してみます。
銅板の横方向の長さが50mmなので、ヒートシンクの間隔は2.5mmです。
[ 銅板の横方向の長さ(50mm) – { ヒートシンクの長さ(15mm)×3つ } ] / ヒートシンクの間隔の数(2つ) = 2.5mm
後は、銅板とヒンジが接する場所に、一番薄い熱伝導シートを張り付けます。
適当に切った割には、それっぽい長さになりました。ちょっと切り口が曲がっています。
ヒートシンクを挟み込む
銅板の両面に熱伝導シートを張り付けて、Insta360 EVOをセットしてみました。
ちょっと外寄りに沿っていますが、左右のロックは出来ています。
下から見るとこんな感じです。銅板が曲がっています。面取りや矯正やらをするべきなのでしょう。
一応ロックは出来ています。
この状態で、ZHIYUN Crane M2のクイックリリースプレートに取り付けます。
銅板も薄いですし、ヒートシンクも軽いため、問題なくバランスが取れます。
離れて撮影する
ZHIYUN Crane M2には、2か所に1/4インチネジ穴があります。
側面にマイク取り付け用の1/4インチネジ穴、底面に三脚用のネジ穴の計2か所です。
今回の撮影では、ZHIYUN Crane M2を出来るだけ垂直に保って撮影した方が、ジンバルの映り込みが小さくなります。
また、側面に3DマイクZOOM H3-VRを取り付けてみたところ、映り込みが多くなりました。
このことから、側面に自撮り棒を取り付けて撮影してみました。
使った自撮り棒はVelbonのULTRA STICK SELFIEです。荷重がオーバーしていますが、今回はこれを使っています。
撮影時にはこんな感じになりました。自撮り棒が重心に無いので、写真のような回転方向に力がかかります。
自撮り棒自身も過積載状態なのですが、自由雲台部分は何とか耐えていました。
安定性を考えるならば、ZHIYUN Crane M2とZOOM H3-VRの間に自撮り棒を入れる方が良さそうです。
撮影結果
上記の状態で実際に撮影した物が、下記の物です。
今回は熱対策も出来ているため、30分以上の連続撮影が出来ました。
また、撮影者がある程度離れることが出来たので、撮影者をマスクしてもググっと視野が広がっています。
まとめ
さて、これで個人的には撮影上の問題は解決したように感じています。
1.(済)カメラは正面を向かせるべき。
2.(済)「FlowState」が使えないので、ジンバル必須。
3.(済)発熱対策が必要。
4.ステッチは素人には困難。専用ソフトを探す必要あり。
5.(済)撮影者が大きく映りすぎる ⇒ 離れて撮影する必要あり。
自撮り棒をもう少し良い物を使えば更に視野を広げることが出来るでしょう。
後は、ステッチの問題が残っています。
やはり、プロユースの10万円コースの物以外は見つかりません。コンシューマー向けのアプリが出ることを祈るしかないのでしょうか。