Vuze XR用に3DプリントサービスDMM.makeでケースを作ってみた、その1
先日Insta360 EVO用にケースを作ってみましたが、今回はVuze XR用に作った物が届きましたので試してみます。
前回(Insta360 EVO用)の試作ケース
以前試作してみたInsta360 EVO用のケースについては、下記の記事に記載しています。ご参考までに。
ケース作りの目的
前回使用したDMM.makeの3Dプリントサービスを使います。今回の目的は下記の通りとしました。
- Snoppa Atomでキッチリとつかめるケースとする
- シャッターボタンにアクセスできる
- USBカバーを開けているときに、固定できる構造を入れる
- USB・microSDカードにアクセスできる
- 1/4″ネジ穴を活用できる
Insta360 EVO用ケースのように、レンズ保護用の構造は付けていません。と言うのも、ジンバルで固定する部分と、レンズ部がかなり離れているので、別ブロックとしてた方が良さそうと判断したからです。
Snoppa Atomは、下記の記事で書いたスマートフォン用電動ジンバルです。ご参考までに。
ケースのイメージとしては、下記の記事で書いています固定治具です。これの使い勝手を向上できればと目論んでいます。
使ったサービス
前回も使用した、DMM.makeというサイトです。
自分で作った3Dモデルから物を作ってくれるサービスがあります。
出来上がってきた物
普通に完成形のモデルを作り、見積もりを出したところ、約1万円と非常に高価な物になってしまいました。
と言うことで、2つのパーツに分けて作りました。
組み立て
出来上がってきた物は下の写真の物です。
2点でつながっているので、ニッパーで切ります。
二つに分かれました。
これをズズズッとくっつけてあげると完成です。この構造で25gと軽量です。
形上は、下記の記事で書いたものと似たような物が出来ました。
Vuze XRを固定してみる
すっぽりと綺麗に入りました。
もちろん、1/4″ネジも使えますので、キッチリ固定できます。
USBのフタもかけれるように・・・と受け口を作ったつもりでしたが、全然固定できません。やり直しです。
Snoppa Atomに固定してみる
前回はM10のボルトを使いましたが、もう少し軽くしたいと思い、M8でバランスを取ってみました。
一応各重量は、
- Vuze XR:213g
- ケース:25g
- 重り(ネジ):32g
合計:270gです。前回のアクリルの試作よりも18g軽くなりました。
また、Vuze XRのロール方向が固定されました。ケースがスマートフォン用アームに対してちゃんと垂直が出ているので、ロール方向の水平出しの必要がなくなりました。
もう一点、Vuze XRのパン方向が固定しやすくなりました。ケースの下部の1/4″ネジの部分でVuze XRの四方の面と治具の面を一致させやすく、ケースとVuze XRのパン方向を容易に揃えられます。
さて、バランスは取れたのですが、上の写真の様にアーム部分がたわんでいる??
不安に思いつつ、Snoppa Atomの電源を入れてみました。
やはり不具合がありました。気づいた点は2点です。
不具合1、干渉
USB部のフタ固定用の部分がSnoppa Atomのチルトのモーターと干渉することがあります。少なくとも、ケースの下部には、USB部のフタ固定用の構造は付けてはいけないようです。
不具合2、剛性不足
やはり、アーム部分と、部品と部品との間の剛性が足りません。たわみます。
原因は分かっていまして、発注したときに、材料をMJFのPA11にしてしまったからです。説明文もあまり読まずに適当に選んでしまっていました。下記にPA11について、
PA12とその強化品であるPA12GB、非常に柔軟なPA11の3つの素材
https://make.dmm.com/print/material/85/
と書いてあります。柔軟だから、たわむし、ねじれる。
結果、Snoppa Atomのチルトがアームと共振して、重り(M8ネジ)がビヨンビヨン揺れました。
まとめ
今回は、Vuze XR用のケースを作ってみました。が、材料選びを失敗してしまっているため、構造の検証が不十分です。
とは言え、今回の試作で良かった点としては、下記の通り。
- 治具の重量が軽くなった。
- Vuze XRのロール方向の調整が不要になった。
- Vuze XRとケースのパン方向の調整が容易になった。
改善すべき点として、下記のことが分かりました。
- 材料はコストを考えると、強度の高いPA12GBが無難と推測
- 部品と部品との間の嵌合部分が少ないため、剛性不足
- USBフタの固定構造の再検討
これらの点を考慮して再度設計し直してみます。
自分で考えた物が形になって出てくるというのは、面白いですね。