Oculus Quest 2でVR用イヤホン「final VR3000 for Gaming」を試す
3DサウンドやVR向けのイヤホン「final VR3000 for Gaming」を購入してみました。Oculus Quest 2に接続してみて、その効果を試します。
下記の記事で試した、final E500等のイヤホンと体感がどう違うのかまとめます。
購入したイヤホン:final VR3000 for Gaming
日本のオーディオメーカーfinal社の開発した3Dオーディオ向けのイヤホンです。
ゲーミングヘッドホンなどの多くは、低温や高音を強調したような、一見華やかな音作りがされているのに対して、このVR3000 for Gamingは、自然な音を再現するように設計されています。
この思想が実現できているのならば、音の追体験が出来るということであり、正にVRに適したイヤホンと言えるでしょう。
内容物確認
入ってたのは、下記の通りです。
- イヤホン本体
- イヤーピース(TYPE E)5サイズ
- ロック付きイヤーフック
- 専用ポーチ
- 説明書類
本体
6mmφダイナミックドライバーを備えており、大きめの筐体になっています。
VR3000と同じくVR用のイヤホンE500と並べてみると、大きさの違いが良くわかります。
また、VR3000右耳側にマイクなどを搭載したコントローラを持っています。音量調節が出来る他、コントロール用のボタンを一つ持っています。
専用ポーチ
8cm×10.5cmと、小さめサイズです。本体を入れるには調度良いサイズ感です。
イヤーピース
イヤーピースは、finalのEタイプの物が5種類です。ケースに4種類と、本体に付いている1種類合わせて5種類です。
同じサイズで軸の色が違う物が入っています。イヤーピースの色で、イヤホンの左右を見分けることが出来るようになっています。
イヤーフック
後述する耳の上を通してイヤホンを身に着ける方法、所謂「SHURE掛け」用のイヤーフックが付いてきます。
シリコーン製で弾力性があり、両端にフックが付いているため、一度付けてしまえば取れにくい構造になっています。
装着感
イヤーフックを使うことによって、SHURE掛けで安定して使うことが出来ます。
筐体のサイズがそこそこあるので、安定して耳にはまります。イヤーフックが秀逸で、シリコーン製なので滑りにくく、耳にフィットします。VR3000自身の重さが軽いこともあり、装着感は悪くありません。
SHURE掛けをすることもあり、多少ケーブルに引っ掛けても、筐体が動きにくくなっています。
これは、VRに使う上では結構重要で、聞こえ方が変ってしまうと没入感が削がれます。final E500は、筐体の向きがキッチリと決まると、音の位置がハッキリしてくるのですが、ちょっとした拍子に場所がずれてしまうことがありました。E500の筐体が小さいことの弊害ですね。
VRを試してみる
PCに繋いだOculus Quest 2に取り付けて、PC用VRアプリ「Asgard’s Wrath」を動かしてみます。
酒場にいる楽隊の前でくるくる回ってみて、位置の感じ方を聴いてみました。
これがなかなか面白い体験です。目を閉じていても、ちゃんと音のする方向が分かります。
下記の記事でも書いたfinal E500と、Artio CR-V1とも比較してみます。
final E500との比較
final E500と比べると、音がハッキリとしており、定位もはっきりとしています。final VR3000 for Gamingはfinal E500よりも、後ろに回った音も聞き分けが出来ました。ちょっと怖いくらいです。
何より、final E500は小型の筐体が災いし、ちょっとした拍子に筐体の向きがずれてしまうと、聞こえてくる音場が乱れて集中できないことがありますが、final VR3000 for Gamingは装着感が安定しており、ズレにくい点が素晴らしいです。
Artio CR-V1との比較
2つとも大きめの筐体を持つ、安定感のあるイヤホンです。双方ともに、定位が安定しており、VR空間のどこで音が鳴っているのか、非常に分かりやすい音が鳴っています。
final VR3000 for Gamingの音は、Artio CR-V1と比べると、空間が狭く、良く言えば自然、悪く言えば単調な音色です。Artio CR-V1は音楽も楽しめますが、VR3000で音楽を聴くと物足りない物を感じます。
ただ、VRゲームを楽しんでいる時には、この素朴な音の方が、Artio CR-V1の豪華な音よりも自然に感じられました。
まとめ
今回、VR向けと呼ばれるイヤホンfinal VR3000を、Oculus Quest 2で試してみました。
VRの臨場感を向上させるためには、普通のイヤホンではなく、バイノーラル対応や頭外定位のイヤホンを探した方が良いでしょう。
以前試してみた2つのイヤホンとも比較した印象は下記の通りです。
final VR300 for Gaming ≒ Artio CR-V1 > final E500
final VR3000 for Gamingは、自然な音色がゲームに対する没入感を高めてくれます。
反面、素朴すぎる音は、音楽を聴くにはちょっと物足りない物を感じます。
個人的にはArtio CR-V1の音が好みですが、コストパフォーマンスを考えるならfinal VR3000 for Gamingがおススメ。
final E500も価格を考えると悪くないですが、物理的にズレやすいのが難点でした。VR3000 for Gamingの方が安定している分だけ、VRに入り込める作りになっています。