【実機レビュー】HP Pavilion Gaming Desktop TG01【VRを試す】■Core i7-9700 /16GB /RTX2060■
HP様よりHP Pavilion Gaming Desktop TG01をお借りしました。ミニタワータイプのゲーミングPCです。
Legion T530のスペック
model | TG01-1167jp | TG01-1154jp | TG01-1155jp |
CPU | Core i5-10400F 6コア12スレッド・2.9GHz(TB 4.3GHz) | Core i7-10700F 8コア16スレッド・2.9GHz(TB 4.8GHz) | |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1650 SUPRE 4GB GDDR6 | NVIDIA GeForce GTX 2060 6GB GDDR6 | NVIDIA GeForce GTX 2060 SUPER 8GB GDDR6 |
メモリ | 8GB(8GBx1) | 16GB(8GBx2) | 16GB(8GBx2) |
チップセット | Intel H470 | ||
SSD | 256GB | 512GB | |
HDD | 1TB | 2TB | |
OS | Windows 10 Home 64 bit | Windows 10 Pro 64 bit | |
サイズ (幅×奥行×高さ) | 17.7リットル (155 x 321 x 338mm) | ||
電源 | 310W 80PLUS GOLD | 500W 80PLUS GOLD | |
価格(税込) (2021/1/24時点) | ¥92,840~ | ¥137,280~ | \148,280~ |
※価格・モデルは執筆時の物を記載しました。頻繁に変更されるので、必ず公式サイトでご確認ください。
2021年1月時点で、CPUは第10世代Core i5, Core i7が搭載されています。
テスト機:HP Pavilion Gaming Desktop TG01
今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。
model | HP Pavilion Gaming Desktop TG01-0721jp |
---|---|
CPU | Core i7-9700 8コア8スレッド 3.0GHz(TB 4.7GHz) |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 2060 6GB GDDR6 |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | 2TB |
電源 | 500W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
OS | Windows10 Pro 64bit |
お借りしたモデルは第9世代Intel Core i7を搭載したモデルです。現行型は第10世代Intel Core i5、Core i7を搭載していますので、この記事よりも高性能と考えられます。
デザイン・拡張性
HP Pavilion Gaming Desktop TG01は、いわゆるミニタワー型PCに分類されます。
前面には吸気口は無く、シンプルなデザインになっています。
電源を入れると、前面の下側に緑色のライトが光ります。
外観とインターフェース
前面
前面がフラットで、吸気口がありません。右下に印象的な「HP」のロゴがあつらえてあり、緑の成分が多く反射されています。
前面のインターフェースは、前面右側に集中して配置されています。
前面インターフェス
電源ボタン、ヘッドフォン/マイクコンボジャック、USB 3.2 Gen1 Type-A ×4つ、メディアカードリーダー、USB 3.2 Gen1 Type-C
上
上面には通風孔もなく、シンプルなデザインです。
物を置いても放熱への影響は無いでしょう。
背面
背面は塗装もなく、ごく一般的なミニタワー型のPCと言った印象です。
インターフェースはミニタワー型としては一般的な数です。
USBポートが裏面にはUSB2.0しかありません。VR用のHMD等の通信速度が欲しい機器をつなげたい場合は注意が必要です。
背面のインターフェース
マイク入力(ピンク)
ライン入力(水色)
ライン出力(緑)
USB 2.0 Type-A x4
有線LAN
グラフィックボード上インターフェース
DisplayPort ×3・HDMI
右・左
左右ともに、すっきりとしたデザインです。インターフェースはありません。
左側には、通気口が空いていますが、右側には通気口がありません。
本体の右側には通気口もないので、PCの右側に物を置いても冷却に影響は無いでしょう。
下
ゴム足は前面の2つのみに付いています。後ろ二つは筐体の出っ張りを利用しています。
下面にも通気口はありません。
USBの給電能力
Oculus QuestやOculus Quest 2を使ってOculus Link機能でVRを楽しむ場合、USBの給電能力が無いとOculus Quest本体のバッテリーがどんどん減っていきます。
Oculus Quest 2をHP Pavilion Gaming Desktop TG01に接続し、流れる電流を測定しました。
前面:USB 3.2 Gen1 Type-C
文字がひっくり返っていますが、電流は0.5A程度しか流れません。
通信速度はともかく、給電能力はUSB2.0と変わらないようです。
GALLERIA XA7C-R70Sの前面パネルのUSB Type-Aのポートが、使い勝手・給電能力共に良い
内部(左側:マザーボード側)
ミニタワー型としては、一般的な拡張性です。
- DDR4メモリースロット:2個(8GB×2使用、空き0、最大32GB)
- PCI Express x16:1個(グラフィックボードで使用、空き0)
- PCI Express x1 :1個(空き1)
- M.2 (Key E) :1個(空き0)
- M.2 :1個(SSDで使用、空き0)
- 3.5インチベイ(HDD用):2個(空き1個)
GPU(GEFORCE RTX 2060)
長さ約20cmの2スロットタイプの物が刺さっています。
スペース的には、長さ24cm程度までは入りそうです。25cm程度になると、HDDと干渉します。
補助電源は、6+2pinの物が刺さっています。
別途、6+2pinが筐体に括り付けてありますので、グラフィックボードの拡張は出来るでしょう。
電源
17cm×8cm×9cm程度の電源が設置されています。80 Plus Glodを取得している高効率電源です。
一般に出回っているATX系と比べると一回り小さいサイズです。
CPU周り
CPUクーラーはファンが一つのタイプが付いています。CPUで温まった空気がそのまま後ろのファンに吸い込まれるような設計になっています。
メモリーは2スロットは8GBが2本刺さっています。合計で32GBまで認識します。
グラフィックボードとPCIeスロット
CPUの下側には、GeForce RTX 2060が刺さっています。シングルファンのモデルです。
GeForce RTX 2060の上部にPCI Express x1のスロットが1つ空いています。
M.2
メモリーの手前側(写真右側)にM.2のSSDが接続されています。放熱板は付いていません。今回のモデルでは512GBの物が付いています。
VR性能測定結果
Oculus推奨スペックとの比較
Oculus推奨GPUの下限のスペックのPCとの比較をします。
- CPU:Intel Core i5 4590
- GPU:GEFORCE GTX 1060-6GB
- メモリ:8GB
今回テストしたRTX 2070 SUPER搭載モデルの実測値を基に計算しています。
※Oculus推奨スペックを100とした時の、Pavilion Gaming Desktop TG01の性能
項目 | 説明 |
---|---|
3Dmark TimeSpy | DirectX 12対応の描画性能を示しています。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Dmark FireStrike | DirectX 12対応のVRの描画性能を示しています。Orange Roomよりもリッチなグラフィックを使用します。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Cinebench CPU | CPU全体の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
Cinebench SingleCore | CPUのコア1つ分の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
memory | メモリーの容量を示しています。 Oculus推奨の8GBを100とした場合の値です。 |
今回お借りしたモデルのGPUはGeforce RTX 2060です。GPU性能・CPU性能共にOculus推奨PCの性能の約2倍程度のスコアが出ています。十分にVRを楽しめる性能を持っています。
解像度とフレームレートの関係
解像度を変えてVRMARKを実行しました。横軸が画素数、縦軸がフレームレートです。
VRMARKで記載されているフレームレートはPCが1秒間に何枚絵を描けるか、という値です。
このPCが絵を描くフレームレートが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のリフレッシュレートに達しない場合は中間のフレームが補完される場合があります。頭の動きの少ないアプリであれば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の半分のリフレッシュレートを目指すというのも手です。
Oculus Quest系は、2020年10月のアップデートで表示が変りました。
Oculus Rift S:リフレッシュレート80Hz
- 4.9Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 5.9Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest:リフレッシュレート72Hz
- 9.4Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2272設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 5.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 7.2Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 9.4Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest 2:リフレッシュレート72Hz、80Hz、90Hz
- 8.7Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2096設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 6.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 8.6Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 1.1Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
VRMARKでは、どのテストでもOculus Quest 2のレンダリング解像度の設定「1.0x」(画素数8.7Mpx相当)で、72fps付近のスコアが出ています。
Geforce RTX 2070SUPER搭載のこのPCは、Oculus推奨スペックの2倍程度のスコアを出しています。
十分にVRを楽しめるPCです。
VRスコア・コスパ
項目 | スコア |
---|---|
VRスコア 数字が高いほど高性能 | 177 |
VRコストパフォーマンス 数字が高いほどお得 | 123※ |
PC基本性能測定
ベンチマークアプリPCMARK10の測定結果を表示します。ゲーム以外の目的としてPavilion Gaming Desktop TG01を使った場合の能力を示しています。
デスクトップPCのCPUとして現在の売れ筋CPU「INTEL CORE i5-10400」を積んだPCと比較をします。
※INTEL CORE i5-10400のベンチマーク結果を100とした時の、Pavilion Gaming Desktop TG01の性能
ベンチマークアプリ「PCMark10」の結果を記載しています。スコアはCPUの1コアの能力に依存しやすい傾向があります。
項目 | 説明 |
---|---|
OverAll | PC全体の性能を示しています。 |
Essentials | アプリの起動などPCの動作の処理性能を示しています。 実際にアプリの起動速度やブラウザ等を使って、処理能力を数字化しています。 |
Productivity | WordやExcelと言ったOffice系アプリの処理性能を示しています。 OpenOffice系のアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
Digital Content Creation | 写真・動画・3Dグラフィックスなどのクリエイティブ系アプリの処理性能を示しています。 GIMP等のクリエイティブアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
現在主流のCore i5搭載PCと比べて20%以上の高い性能を持っており、特にクリエイティブ性能に関しては高い性能を発揮します。
定番ベンチマーク結果
前述の物を含めて、定番のベンチマーク結果を並べます。VR用途としては十分な性能を持っています。
ベンチマーク | スコア |
---|---|
SteamVR Performance Test | 平均忠実度:11.0(非常に高い) テストされたフレーム:14262 |
VRMARK | Orange Room : 10675 Cyan Room: 6794 Blue Room: 2248 |
3DMARK | Time Spy: 7223 Fire Strike: 16152 |
PCMARK10 | OVERALL: 6217 Essentials: 8921 Productivity: 8229 Digital Content Creation: 8883 |
CINEBENCH R20 | CPU: 2986 Single Core: 472 |
FINAL FANTASY XV | 高品質: 7781(快適) |
FINAL FANTASY XIV | 最高品質: 15012(非常に快適) |
消費電力・騒音
参考までに、消費電力と騒音を計りました。高負荷時でもHDDの起動音が分かる程度に静かです。
VRを楽しんでいる場合、ファンの音は気にならないでしょうか。
状態 | 消費電力 | 騒音 |
---|---|---|
停止時 | 0W | 32dB |
アイドル時 | 50W | 37dB |
高負荷時(3DMARK) | 324W | 44dB |
電力測定
騒音
PCの中央から、高さ15cm、PCの右側30センチの位置で測定。
HMDを接続してみた
Oculus Rift S
HP Pavilion Gaming Desktop TG01でOculus Rift Sを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
画質設定「パフォーマンスを優先」では、フレームレート80fpsは余裕で超えています。
Oculus Quest
HP Pavilion Gaming Desktop TG01でOculus Questを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
レンダリング解像度の設定を「1.0x」とした場合、アプリの画質を高くするとフレームレート72fpsを切る可能性が出てきます。
Oculus Quest 2
HP Pavilion Gaming Desktop TG01でOculus Quest 2を使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
レンダリング解像度の設定を「1.0x」とした場合、アプリの画質を高くするとフレームレート72fpsを切る可能性が出てきます。逆に言えば、画質さえ狙わなければ、十分VRを楽しむことが出来ます。
Vive Cosmos Elite
HP Pavilion Gaming Desktop TG01でVive Cosmos Eliteを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
アプリを高画質に設定したり、Asgard’s Wrathのような重たいアプリではフレーム落ちが発生します。今回のテスト機に搭載されているRTX 2060は、Vive Cosmos Eliteの「動き補償」機能が使えます。
高画質を狙わなければ、VRを楽しむことが出来ます。
Pimax 8k Plus
HP Pavilion Gaming Desktop TG01でPimax 8k Plus使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
Pimax 8k Plusの視野を「Normal」とした場合、Asgard’s Wrathのような重たいアプリは、フレーム落ちが激しく発生します。Pimax 8k Plusの広い視野角を楽しめるのは、軽いアプリのみと割り切った方が良いでしょう。
まとめ
ミニタワータイプのゲーミングPC「HP Pavilion Gaming Desktop TG01」を見ていきました。
・シンプルで飽きが来にくいデザイン
・高負荷時でも確保されている静音性
・高いコストパフォーマンス
・拡張性は乏しい
・裏面のUSBが全てUSB2.0
コンパクトな本体の中に、VRもこなせる十分な性能が収まっています。コストパフォーマンスが高いモデルと言えるでしょう。
筐体が小さいために、どうしても拡張性は犠牲になります。メモリースロットにも空きがありません。
電源も500Wと拡張するにはやや少なめ。補助電源PINは持っているので、将来的にRTX3060系の低消費電力タイプで、2スロット・長さ24cm以内の物が出てくれば換装は出来るかもしれません。
また、地味に面倒なのが、背面のUSBが全てUSB2.0だという点です。VR用HMDを接続する場合は、配線が乱雑にならざるを得ません。