Surface Laptop Ultra の128GB版と DGX Spark は何が同じで何が違う?〜RTX Spark 搭載ノートを公式情報と第三者の実測で調べた

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メモリ128GBの小さなマシンを探していると、最近はノートPCまで選択肢が広がってきました。2026年10月16日に発売されたMicrosoftの「Surface Laptop Ultra」は、NVIDIAの新しいチップ RTX Spark を積み、最上位の構成ではメモリが128GBです。以前、当ブログで調べたDGX Sparkと同じ128GBですが、ノートPCと小型の据え置き機で、何が同じで何が違うのでしょうか。

2026年10月17日時点の内容です。

RTX Spark の発表内容はこちらの記事、DGX Spark の価格と64GB版はこちらの記事にまとめています。

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何を調べたのか

MicrosoftとNVIDIAの公式ページ(仕様・価格表・脚注)を読み、Surface Laptop Ultra の128GB版と、DGX Spark の128GB版を、構成・価格・消費電力・使えるメモリ・OS・買える場所で比べました。実機は動かしていません。数字はすべて出どころを書き、メーカー自身の測定は「メーカーの値」と書き分けています。

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Surface Laptop Ultra の構成と価格

日本では10月16日21時に発売されました。個人向けの主な構成は、次のとおりです(価格は税込)。

CPU / GPUメモリSSDOS価格買える場所
18コア / 5,120コア24GB512GBWindows 11 Home513,480円家電量販店・Microsoft Store
20コア / 6,144コア32GB1TBWindows 11 Pro707,080円家電量販店・Microsoft Store
20コア / 6,144コア64GB1TBWindows 11 Pro812,680円Microsoft Storeのみ
20コア / 6,144コア128GB1TBWindows 11 Pro1,094,280円Microsoft Storeのみ

128GB版は、10月11日の時点で、Microsoft Storeの構成ページが「在庫なし」と表示していました。発売後の在庫は、確認できませんでした。家電量販店で扱うのは、24GB(1TBを除く)から48GBまでの構成です。Amazonでの取り扱いは、確認できませんでした。

メモリは基板に載せた方式で、あとから増やしたり交換したりすることはできないと報じられています(ITmedia)。SSDは取り外せる作りです。画面は15型のタッチ専用で、ペンには対応していません。重さは約2.0kg、厚さは約18mmです。

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128GB版と DGX Spark は、何が同じで何が違うのか

項目Surface Laptop Ultra 128GBDGX Spark 128GB同じか
CPU20コア(Arm)20コア(Arm)。構成が同じ同じ
メモリ128GB(CPUとGPUで共有)128GB(同)同じ
メモリの速さ(帯域)300GB/s(NVIDIA)273GB/sやや違う
AIの演算性能(FP4)最大1PFLOPS(スパース込み)最大1PFLOP公称は同じ
チップの消費電力45〜80W(NVIDIAの公表値)140W(GB10チップ)違う
電源140W(USB-C)。バッテリー92Wh240W。バッテリーなし違う
OSWindows 11 Pro(Arm版)DGX OS(Linux系)違う
ネットワークWi-Fi 7(有線LANなし)200Gbpsの専用NIC+10GbE+Wi-Fi 7違う
SSD1TB最大4TB違う
大きさ・重さ15型ノート・約2.0kg15cm角・約1.2kg違う
価格1,094,280円(Microsoft Storeのみ・10月11日時点で在庫なし)NVIDIAの公式の円価格は未確認。価格.comの最安は1,133,000円(10月8〜10日)近い

CPUの構成とメモリの容量が同じで、メモリの帯域が近い点は、2つがよく似た仕組みであることを示しています。一方で、NVIDIAもMicrosoftも、2つのチップが同じ物だとは明言していません。帯域の公称値が違い、Surface 側には NPU(AI専用の演算部)が載っていると書かれています。同じシリコンかどうかは、確かめられませんでした。

消費電力の違いは、大きな点です。Surface のチップは45〜80W、DGX Spark のGB10は140Wです。ノートPCでは、長く動かしたときに同じ速さを保てるかが気にかかる点ですが、Microsoftは熱容量が従来機の2.5倍と書くだけで、持続性能の数字は公表していません。第三者では、StorageReview が128GB機で約30分間の連続負荷を試し、終わりの点数は始めより1%高かったと報告しています。一方、同じレビューでは、全コアに重い計算(OpenBLAS)をかけたところ、10月14日に3回、突然電源が切れたと書かれています。以前の試験機も同じ症状で交換されたそうです。32GB機を試した PCWorld は、Cinebench 2024 の連続負荷で、10分後に性能が6.3%下がったと書いています。

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128GBのうち、AIが使えるのはどれだけか

Microsoftの資料の脚注には、「GPUが使えるメモリの最大量は、構成と使い方によって決まり、全体より少ない」と書かれています。同社のブログに載ったタスクマネージャーの画面では、GPUメモリが110GB(GPU専用74.9GBと、共有35.5GB)と表示されていました。画面の機体のメモリ容量は書かれておらず、128GB機と推測しています。StorageReview の試験機(128GB)では、GPUに64GBが割り当てられており、最大96GBまで変更できると書かれています。

128GBのすべてがモデルの置き場になるわけではありません。OSやアプリの分も要ります。NVIDIAの移植ガイドは、GPU専用の領域と共有の領域が分かれる仕組みを説明しています。

速さはどれくらいと読めるか

書く速さは、メモリの帯域でほぼ決まります。Surface の300GB/s は、DGX Spark の273GB/s と近く、当ブログの EVO-X2(256GB/s)とも近い水準です。そのため、似た速さになるのではないかと見ていますが、これは帯域からの推測で、実測ではありません。発売後に、第三者の実測が出ました。128GB機で StorageReview は、Llama 3.1 8B を56.4 tok/s、Phi-4-mini を97.5 tok/s と測り、gpt-oss:20b と Qwen3.6-35B-A3B は「毎秒58〜89トークンで書ける」と書いています。32GB機で PCWorld は、Qwen 3.8 27B(LM Studio)を39.9 tok/s と測りました。gpt-oss 120B での実測は、見つかりませんでした。

機材モデル書く速さ [tok/s]出どころ
DGX Sparkgpt-oss 120B(4ビット相当)58.7llama.cpp公式の測定(2026年2月)
EVO-X2gpt-oss 120B(4ビット相当)55.2当ブログの実測(b11192)
Surface Laptop UltraMAI Code 1.1 Flash(53GB)約63(2Kコンテキスト)〜約39(256K)Microsoftの測定(メーカーの値)
Surface Laptop Ultra(128GB)Llama 3.1 8B56.4StorageReview(MLPerf Client v2.0・llama.cpp CUDA)
Surface Laptop Ultra(128GB)gpt-oss:20b と Qwen3.6-35B-A3B58〜89(2モデルの範囲)StorageReview(llama.cpp または Ollama)
Surface Laptop Ultra(32GB)Qwen 3.8 27B(LM Studio)39.9PCWorld(10月16日)

どの行も、モデルや条件が違うので、並べて優劣を付けられません。DGX Spark の58.7 tok/s は gpt-oss 120B、Surface の58〜89 tok/s は gpt-oss 20B と Qwen3.6-35B-A3B の値です。目安として見てください。tok/s は1秒に書けるトークン数で、日本語ではおおむね1〜2文字が1トークンです。

Microsoftが書いている「最大1ペタフロップ」は、スパース性(計算の一部を飛ばす仕組み)を使った理論値です。実際のAIの速さを示す数字ではありません。

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使う前に知っておきたいこと

  • OSは、Arm版のWindowsです。Arm向けに作られていないアプリは、変換して動かしますが、特殊なドライバーや古いユーティリティは、事前の確認が推奨されています。
  • CUDA(NVIDIAのGPU向けの仕組み)は、Windows の Arm 版に対応しています。Ollama も、7月のリリースで Arm 版 Windows の CUDA に対応しました。llama.cpp の配布ビルド(b11702、10月17日)には、Arm 版 Windows 向けの CUDA ビルドが含まれています。GitHub 上では prerelease(先行版)の扱いです。
  • StorageReview は、実機で CUDA 対応の Arm64 版 llama.cpp と Ollama を使ったと書いています。Ollama 公式のリリースノート(v0.40.5、10月14日)には、RTX Spark の記載はまだありません。
  • バッテリーの駆動時間(動画で最大15時間)は、メモリ64GBの試作機での値で、128GB版の値ではありません。

どんな人に向くのか

128GBのメモリが、持ち運べる1台に入るのがSurface の価値です。出先でも大きなモデルを動かしたい人、Windowsのアプリと同じ機械で使いたい人には、候補に入ります。

据え置きで使うなら、DGX Sparkや、EVO-X2のようなミニPCも候補です。当ブログのEVO-X2(128GB)は、10月9日の時点で、楽天のクーポン価格が583,999円でした。Surface の128GB版より、約50万円安い計算です。DGX Spark は、同じ128GBで、複数台をつなぐ専用の通信(200Gbps)を持っています。持ち運びを重視するか、価格や拡張性を重視するかで、分かれると考えます。

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分かっていないこと

  • Surface の実機は、当ブログでは動かして確かめていない点です。数字はすべて、メーカーと第三者の公表値です
  • gpt-oss 120B での Surface の実測(DGX Spark と同じモデルで比べるために必要です)
  • ファンの音と、128GB版のバッテリーの駆動時間(第三者の数値の原典を確認できていません)
  • RTX Spark とGB10が、同じシリコンかどうか
  • DGX Sparkの公式の円価格(日本)
  • 128GB版の、発売後の在庫

まとめ〜128GBの重さを、持ち運ぶか、置いて使うか

Surface Laptop Ultra の128GB版は、DGX Sparkと同じ容量・近いメモリ帯域を、約2kgのノートに収めた機種です。違いは、OS(Windows と Linux)、消費電力、持ち運び、価格、買える場所です。128GB版は、10月11日の時点で在庫がなく、Microsoft Storeでしか買えません。

速さは、発売後に第三者の実測が出たため、上の表に加えました。gpt-oss 120B での実測が出たら、この記事を更新します。

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参考にしたサイト

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