メモリが192GBあれば300Bのモデルが動く?〜Ryzen AI Max+ PRO 495 のミニPC2機種を調べた

2026年9月8日

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128GBのユニファイドメモリを積んだミニPC、GMKtec EVO-X2(以下、EVO-X2)でローカルLLMを動かしています。コンパクトなサイズ感で、87GBのモデルまでGPUのメモリーに当てられるPCです。ただ、載せたいモデルはだんだん大きくなっていて、128GBという枠が近く感じる場面が出てきました。

そこへGMKtec と MINISFORUM の2社から、メモリを192GBまで積めるミニPCの発表がありました。搭載しているのは AMD Ryzen AI Max+ PRO 495 という新しいプロセッサです。64GB増えると、何が変わるのでしょうか。そして、いま128GBのPCを持っている人は、買い替える理由があるのでしょうか。

2026年9月時点の内容です。

2026年9月16日 追記:GMKtec が公式ブログ(9月15日付)で EVO-X5 Pro の発売日を2026年9月28日と発表し、先行公開ページを開きました。この記事を書いた9月7日の時点では公式サイトに掲載がなく、仕様は報道によるものと断っていましたが、いくつかは公式で確認できるようになっています。ただし価格は9月16日の時点でも公表されていません。以下、本文はそのまま残し、公式で確認できた内容を各所に追記しています。

何を調べたか〜範囲と情報源

この記事は全編が調査です。各社が公開している情報と、報道されている内容と、手元にある395機(EVO-X2)の実測値から当方が計算したものの3つです。

区分この記事での書き方
各社の公式ページに書いてあること表に入れる。出どころを本文に書く
報道で伝えられていること本文で「報道では」と断って書く。公式仕様の表には入れない
当方の実測EVO-X2(395・128GB)のものだけ。機材と条件を添える
当方の計算・概算「概算」と明記する。式も載せる
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Ryzen AI Max+ PRO 495 の公式仕様

開発名は Gorgon Halo と呼ばれています。下の表は MINISFORUM の製品ページに記載されている値です。

項目Ryzen AI Max+ PRO 495
メモリ最大 192GB/LPDDR5X-8533/256bit のユニファイドメモリ
GPUへ割り当てられる上限160GB
AI性能(合計)131 TOPS
AI性能(NPU単体)55 TOPS

報道されている内容では、CPUは Zen 5 の16コア32スレッドで最大5.2GHz、内蔵GPUは Radeon 8065S で40基の演算ユニット、最大3.0GHzとされています。ただしこれは各社の公式ページで当方が確認できたものではないため、上の表には入れていません。

395と495の違いは?

手元の EVO-X2 が積んでいるのは Ryzen AI Max+ 395 です。2つを並べると、こうなります。

項目Ryzen AI Max+ 395(手元にある側)Ryzen AI Max+ PRO 495
メモリ上限128GB192GB
メモリ規格LPDDR5X-8000LPDDR5X-8533
GPUへの割り当て上限96GB(Windows)/110〜120GB(Linux)160GB
内蔵GPURadeon 8060S(40基)Radeon 8065S(40基)
AI性能(合計)126 TOPS131 TOPS

並べてみると、演算ユニットの数は40基で同じで、AI性能の表記も126から131へと4%ほどの差です。世代がまるごと変わったというより、同じ設計にメモリを足したものと読むほうが近そうです。

ただ、ローカルLLMを動かす側から見ると、この「メモリを足した」という一点が最も気になる部分でしょう。生成AIの出力速度を決めるのはメモリの帯域で、生成AIのモデルが載るか載らないかを決めるのは容量だからです。

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帯域は、どれくらい変わる?

公表されている規格から計算できます。ここからは当方の概算です。

搭載されるメモリの種類が若干変わっています。

計算帯域
395(LPDDR5X-8000・256bit)8,000 MT/s × 32 バイト256 GB/s
495(LPDDR5X-8533・256bit)8,533 MT/s × 32 バイト273 GB/s

差は6.7%です。速さが劇的に上がるわけではありません。

GMKtec EVO-X5 Pro

1機種目は GMKtec EVO-X5 Pro です。ドイツで開かれた IFA 2026 で公開されました。報道によれば、メモリは192GB、動作は45〜120W の範囲で、電力の設定を3つのモードから選べるとされています。冷却はベイパーチャンバーと3つのファンで、遠隔管理の仕組みと、セキュリティ用のチップを備えるとのことです。

GMKtec は、このPCで3,000億パラメータ規模のモデルを手元で動かせると説明しています。発売は2026年10月で、色は黒と銀の2種類とされています。

ただし、2026年9月7日時点で、GMKtec の公式サイトの製品一覧に EVO-X5 Pro は載っていません(当方が確認したのは EVO-X3、EVO-X2、EVO-X1 Pro、EVO-T1、EVO-T2、EVO-X1 の6機種でした)。上に書いた仕様は、公式ページで裏を取れたものではありません。

2026年9月16日 追記。その後、GMKtec の公式ブログ(9月15日付)と先行公開ページが出ました。公式に書かれているのは次の点です。発売は2026年9月28日。メモリは最大192GBのユニファイドメモリで、そのうち最大160GBをグラフィックス用として動的に割り当てられるとされています。プロセッサーは AMD Ryzen AI Max+ PRO 495、グラフィックスは Radeon 8065S、NPU は XDNA 2 です。3,000億パラメータ規模のモデルをローカルで動かせるという説明もありますが、「適切なモデル、ソフトウェア、設定環境のもとで」という条件が付いています。

この記事の後半で、300B級のモデルの大きさを150GBと見積もりました。160GBという割り当ての上限は、その150GBを収められる大きさです。手元の128GB機では、実際にグラフィックス用へ回せるのは約112GiBでした。

一方で、価格は公式ブログにも製品ページにも書かれていません(当方が9月16日に取得して確認しました)。冷却やポートなど、報道で見た仕様のうち公式に載っていないものもあります。そこは報道のままです。

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MINISFORUM MS-S1 MAX-P495

2機種目は MINISFORUM MS-S1 MAX-P495 です。こちらは公式の製品ページが既に公開されていて、仕様を直接読むことができます。手元にある395版(MS-S1 Max)の後継にあたります。

項目公式ページの記載
メモリ最大192GB/LPDDR5X 8533MT/s/256bit
GPUへの割り当て最大160GB
ストレージM.2 2280 NVMe ×2(PCIe 4.0 x4 と x1・各最大8TB)/RAID 0・1 対応
電力設定Performance 120W/Balanced 95W/Quiet 60W
電源内蔵320W
ポートUSB4 V2 ×2、USB4 ×2、USB 3.2 Gen2 ×2、USB 2.0 ×2、HDMI 2.1 FRL、10GbE LAN ×2
価格「近日公開」と書かれており、金額の記載はありません

目を引くのは10ギガビットの有線LANが2口ある点です。ローカルLLMを複数台で分担させる使い方を想定しているように読めます。ストレージは2本挿さりますが、2本目は PCIe 4.0 の x1 です。速さの必要なモデル置き場は1本目に置くことになりそうです。

2機種を並べる

項目GMKtec EVO-X5 ProMINISFORUM MS-S1 MAX-P495
公式ページの有無(9/7時点)製品一覧に無し有り
メモリ192GB(報道)192GB(公式)
電力45〜120W・3モード(報道)120/95/60W(公式)
有線LAN報道では管理用のRJ45に言及10GbE ×2(公式)
価格未発表未発表(「近日公開」)
時期2026年10月(報道)記載なし

いまの時点で言えるのは、MINISFORUM のほうが情報が出そろっているということだけです。中身の優劣はありません。

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192GBで、300Bのモデルは動く?

ここが、この記事でいちばん知りたかったところです。手元の128GB機での実測から概算します。

まず容量です。3,000億パラメータのモデルを4ビット相当に量子化すると、重みだけで約150GBになります(パラメータ1つあたり約0.5バイトとして計算)。GPUへ割り当てられる上限が160GBなので、計算の上では入ります。ただし文脈を保持する領域も同じメモリから取るため、余裕は大きくありません。

手元の128GB機で測ったのは、どのモデルか

当方が EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395・128GB・Ubuntu)で測ったのは、Qwen3-235B-A22B というモデルです。総パラメータは2,350億ですが、MoE(混合エキスパート)という作りで、1トークンを作るときに実際に使うのは220億パラメータぶんだけです。これをQ2という強めの量子化で約87GBに縮め、全95層をGPUに載せて動かしました。

項目実測の条件
モデルQwen3-235B-A22B(MoE・活性220億・Q2量子化)
ファイルの大きさ約87GB
PCGMKtec EVO-X2(Ryzen AI Max+ 395 / 128GB / Ubuntu)
書く速さ18.8 tok/s(複数回の中央値・全95層GPU)
別の条件(use_mmap を無効にした単発の測定)では 19.9 tok/s も出ています。ここでは中央値の 18.8 tok/s を使います。
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速さを決めるのは、ファイルの大きさ?

ここが、この記事でいちばん間違えやすいところです。書く速さは「メモリ帯域 ÷ 1トークンあたりに読む量」でおおよそ決まります。ファイル全体の大きさではありません。

MoEのモデルは、87GBのうち毎回全部を読むわけではなく、そのトークンで使うエキスパートの部分だけを読みます。だから、同じ87GBでも、全部を読む「密(dense)」なモデルより速く動きます。

実測値から、1トークンあたりに実際に読んでいる量を逆算できます。EVO-X2 のメモリ帯域は規格から計算して 256 GB/s でした。

256 GB/s ÷ 18.8 tok/s = 1トークンあたり 約13.6GB

活性220億パラメータをQ2で読むだけなら7GB前後のはずなので、実際にはその倍近くを読んでいることになります。注意の計算や共有部分、量子化されていない層など、エキスパート以外にも読むものがあるためだと考えられます。この13.6GBという値は、当方の実測から逆算したものです。

495機だと、どれくらいになるのか

495機のメモリ帯域は273 GB/sで、395機の256 GB/sより6.7%だけ速い計算でした。ここに、上で求めた「1トークンあたりに読む量」を当てはめます。ここから先はすべて当方の概算です。

ファイルの大きさは、パラメータの数と量子化の強さから決まります。4ビット量子化なら1パラメータあたり0.5バイトなので、2,840億なら約142GB、3,000億なら約150GBです。手元で測ったQ2のモデルは87GB ÷ 2,350億 = 1パラメータあたり0.37バイトで、3ビット相当まで縮めていた計算になります。495機はGPUに160GBまで割り当てられるので、下の3つはいずれも容量では収まります(ただし文脈を保持する領域も同じメモリから取るため、余裕は大きくありません)。

PC動かすモデルファイルの大きさ1トークンあたりに読む量メモリ帯域書く速さ
Ryzen AI Max+ 395(EVO-X2)Qwen3-235B-A22B(MoE・活性220億・Q2)約87GB13.6GB
(実測から逆算)
256 GB/s18.8 tok/s
(実測)
Ryzen AI Max+ PRO 495同上約87GB13.6GB
(同じと仮定)
273 GB/s約20 tok/s
(概算)
Ryzen AI Max+ PRO 495DeepSeek V4 Flash 284B(MoEと推定・Q4)約142GB18.2GB
(メーカー申告値から逆算)
273 GB/s15 tok/s
(メーカー申告)
Ryzen AI Max+ PRO 4953,000億級の密なモデル(Q4)約150GB150GB
(毎回すべて読む)
273 GB/s1.8 tok/s が上限
(概算)
同じ「300Bのモデル」でも、MoEか密かで10倍近く変わります。

MINISFORUM は自社の内部テストとして、DeepSeek V4 Flash という2,840億パラメータのモデルを4ビット量子化で 15 tok/s としています。もしこれが密なモデルなら、142GBを毎回読むことになり、帯域273 GB/sでは理論上でも1.9 tok/s が上限です。15 tok/s が出ているということは、このモデルもMoEだと考えるのが自然です(当方は動かしていないため、これは推定です)。

申告値から逆算すると1トークンあたり18.2GBで、手元のPCで測った13.6GBと同じくらいの範囲に収まります。別のPC・別のモデル・別の測定者で、近い値になりました。

つまり「300Bのモデルが動く」は、MoEなら本当で、密なモデルなら実用にならない、という読み方になります。MoEであれば15〜20 tok/s ほどで、人が読む速さ(およそ10〜15 tok/s)と同じくらいです。読みながら待つ速さで動くことになります。

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価格と発売時期

2機種とも、価格は発表されていません。MINISFORUM の公式ページには「近日公開」とだけ書かれています。GMKtec も金額を出していません。

2026年9月16日 追記。GMKtec は EVO-X5 Pro の発売日を2026年9月28日と発表しました。発売日が決まっても、価格はまだ出ていません。この記事の「いま買うか、待つか」で、待つ側の判断材料が足りないと書いた点は、いまも変わっていません。

報道では7,000ドルを超えるという見方や、2,300〜2,700ドルという見方が出ていますが、出どころによって数字がまるで違います。この記事では金額を推測しません。分かるのは、395版の128GB機がいくらで売られているかまでです。

いま買うか、待つか

判断の分かれ目は、載せたいモデルが128GBに収まるかどうかの一点だと考えています。

あなたの状況考えられる選び方
まだ1台目を選んでいる現行の395機で試せる範囲は広い。当方の実測でも87GBのモデルがGPUのメモリーに載って動いている
128GB機を持っていて、収まっている買い替える理由は薄い。演算部分の差は数%
128GBに載らないモデルを動かしたい192GBを待つ意味がある。ただし価格が未発表。
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今回 確かめていないこと

  • GMKtec EVO-X5 Pro は、この記事を書いた2026年9月7日の時点では公式サイトの製品一覧に見当たらず、仕様は報道によるものでした。9月15日に公式ページが出たため、メモリ・割り当て上限・プロセッサー・発売日は公式で確認できています(本文に追記しました)。冷却やポートなど、公式に載っていない項目は報道のままです
  • 価格は両機種とも未発表です。この記事では推測していません
  • 上の速さの概算は、メモリ帯域と「1トークンあたりに読む量」だけを見た単純な計算です。1トークンあたりに読む量は、当方の実測から逆算した1つの値をそのまま当てはめています。実際には量子化の方式や実装、文脈の長さによって上下します

まとめ

Ryzen AI Max+ PRO 495 は、395に対して演算では数%、メモリでは64GBぶんの差という形をしています。増えたのは速さではなく、置ける場所の広さです。

3,000億パラメータのモデルは、容量の上では160GBの割り当てに収まります。速さは、そのモデルがMoEなら15〜20 tok/s ほど、密なモデルなら1.8 tok/s が上限という計算になりました。同じ「300B」でも作りによって10倍近く変わります。読みながら待つ速さで大きなモデルが動くのは、MoEの場合だけです。

価格が出ていないので、買うか待つかの判断はまだ半分しかできません。金額が公開されたら、この記事に追記します。

記事で紹介した機材

まず、今回の2機種です。どちらもまだ販売されていないため、商品ページはありません。各社の公式ストアの入口だけを置いておきます。発売されたら、この欄を商品ページへ差し替えます。

GMKtec EVO-X5 Pro(Ryzen AI Max+ PRO 495 / 192GB / 2TB)2026/10/8 10時台の日本公式ストア表示(192GB+2TB)。9/29 16:00以降の早割価格は1,055,840円、発売時のスーパー早割は1,039,840円。特典(Z.AI 3か月コード・ポイント)の内容と期間は公式ストアで確認/クーポン「KANSYA2026」で2,000円OFF(2026/10/18まで・公式ページ上では確認できず、購入手続きで有効かを確認)

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MINISFORUM MS-S1 MAX-P495(Ryzen AI Max+ PRO 495 / 192GB)2026年9月時点で未発売です。商品ページがまだ公開されていないため、公式ストアの入口へご案内します。

下はいま買える395世代の機種です。当方が実際に使っているのは1台目です。

GMKtec EVO-X2 (Ryzen AI Max+ 395 / 128GB / 2TB)A8限定クーポン「A82608」で5,000円OFF(2026/10/31まで)/公式オンラインストアのクーポン「KANSYA2026」で2,000円OFF(2026/10/18まで)

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公式サイトのみ ¥5,000引きクーポン配布中 クーポンコード A82608(2026-10-31まで)
MINISFORUM MS-S1 Max(Ryzen AI Max+ 395 / 128GB)

MINISFORUM MS-S1 Max(Ryzen AI Max+ 395 / 128GB)

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