Insta360 ONE Rのレンズモジュールの画角設定について計算してみた話

2020年9月12日

レンズを交換できるアクションカメラ「Insta360 ONE R」は、現在(2020/9/12時点)で、3種類のレンズモジュールが発売されています。

このうち、アクションカメラっぽい4k広角モジュールと1インチ広角モジュールの画角のについて、簡易に試してみました。

Insta360 ONE Rとは

中国のArashi Vision社から発売されているモジュール交換式のカメラです。

カメラモジュールを交換することによって、アクションカメラになったり、360度カメラになったりと、汎用性を持たせていることが特徴です。

レンズモジュール云々については、下記にまとめていますので、ご参考までに。

試してみたこと

4k広角モジュールや、1インチ広角モジュールをセットして、設定をいじっていると、下の写真のように「広角」や「超広角」と言った設定が出来ます。

これは何ぞや? と思い、ほぼ同じ場所でこの「広角」等の設定のみを変えて撮影してみました。

各モジュールの撮影時の設定

露出設定は両方ともAUTO、LOGはオンとしてます。

レンズモジュール撮影設定
1インチ広角モジュール5312×2988@30fps
4k広角モジュール3840×2160@60fps

結果

PCで撮影した動画を比べてみると、、、差が無い??

カメラで設定した画角の設定は、表示されるときの設定であって、記録自体は一番画角の広い映像が記録されているようです。

Insta360 Studioでは、画角の設定は、FOVオプションの欄で設定することが出来ます。

1インチ広角モジュール

1インチ広角モジュールで設定できるFOVオプションは、

  1. 超広角
  2. 広角
  3. リニア
  4. 狭角

の4つです。これらの設定は、カメラ側でどれを選んでいても、PCのInsta360 Studioで変更が出来ます。

それぞれのスクリーンショットは下記の通り。

1インチ広角モジュール:超広角
1インチ広角モジュール:広角
1インチ広角モジュール:リニア
1インチ広角モジュール:狭角

4k広角モジュール

4k広角モジュールで設定できるFOVオプションも、1インチ広角モジュールと同じく、

  1. 超広角
  2. 広角
  3. リニア
  4. 狭角

の4つです。こちらの設定も、カメラ側でどれを選んでいても、PCのInsta360 Studioで変更が出来ます。

それぞれのスクリーンショットは下記の通り。

4k広角モジュール:超広角
4k広角モジュール:広角
4k広角モジュール:リニア
4k広角モジュール:狭角

各FOVオプションを一言でまとめると

超広角

これが記録されている映像です。これを元に、他の画角の映像が作られています。

広角

超広角と、広角は、かっちりと重なります。広角を選ぶと外周をクロップ(切り取り)された映像です。

リニア

広角よりもクロップされる部分が大きく、更に曲率を修正されています。

狭角

リニアよりも更にクロップされている部分が大きくなります。

2つのレンズモジュールの比較

それぞれの超広角の映像を並べてみます。

超広角の比較

まずは、前述の写真の「超広角」を並べてみます。

1インチ広角モジュール:超広角
4k広角モジュール:超広角

画角が1インチ広角モジュールの方が大分広い点が一つ、色合いが異なるのは仕方ないにしても、川の中の表現の違いに驚きました。

1インチ広角モジュールは、水面で反射した光を拾っているのに対して、4k広角モジュールは川底まで映っています。レンズのフィルター構造の差が出ているのでしょうが面白いですね。個人的には1インチ広角モジュールの映し方の方が好みではあります。

画角を合わせる

1インチ広角モジュールの広角設定の画像と、4k広角モジュールの超広角が近しい画角となるように見えます。

1インチ広角モジュール:広角
4k広角モジュール:超広角

各FOVオプションの36mm換算の焦点距離は?

実際に得られた画像と、各レンズモジュールの公称値から、ざっくりとした焦点距離を計算してみました。リニアや狭角の設定では、曲率も変わっているのであくまで目安程度とお考え下さい。

FOVオプション1インチ広角
モジュール
4k広角
モジュール
超広角(公称値)14.4mm16.4mm
広角15.5mm18mm
リニア19mm23.5mm
狭角22mm29mm

こうしてみると、確かに1インチ広角モジュールの広角設定と、4k広角モジュールの超広角設定では、近しい焦点距離となっているようです。

なお、焦点距離の計算は、下記のサイトを参考にしました。

各FOVオプションの有効画素数は?

FOVオプションでは、元画像を切り取っているわけですから、それだけ小さくなっているはずです。

ざっくりと算出した数字を有効数字3桁で丸めて記載します。

FOVオプション1インチ広角
モジュール
4k広角
モジュール
超広角(公称値)5312 x 29883840 x 2160
広角4900 x 27603500 x 1970
リニア4000 x 22502700 x 1520
狭角3590 x 20202150 x 1210

狭角設定では、半分以上の画素数が切り捨てられていることが分かります。4k広角モジュールでは、もはや4kなどではなく、FHD程度の映像ということになりますね。

まとめ

Insta360 ONE Rの1インチ広角モジュールと4k広角モジュールの画角の設定について、色々と見てみました。

結論としては、

Insta360 ONE Rの画角の設定

・録画時にどの画角を選んでも、記録された映像は「超広角」で残される
・画角設定(FOVオプション)を変更すると元画像がクロップされる

という結果となりました。もちろん、クロップ(切り取り)されることは悪いことではありません。超広角で撮った映像の好きな部分のみを切り取って使う、というの使い方が想定されています。という点を考えると、より広角に撮影が出来る1インチ広角モジュールの方が強みがあるのではないでしょうか。

なお、前述のように画角を合わせても、1インチ広角モジュールと4k広角モジュールでは、絵作りがかなり異なります。

個人的には1インチ広角モジュールの絵作りの方が、ドラマチックで好みですね。