【実機レビュー】ASUS ZenBook 13: 軽量コンパクトな新世代ノートPC ■Core i7-1165G7 /16GB /iGPU■

2020年12月8日

ASUS様よりZenBook 13をお借りしました。ミリタリーグレードの堅牢性を謳うノートPCでありながら、軽量コンパクト、正に新世代モバイルノートZenBook 13について、まとめます。

ASUS ZenBook 13のスペック

モデル展開は、CPU/メモリが異なる2機種と、Officeの種類の2種類を掛け合わせた、計4機種です。

modelUX325EA-EG109TUX325EA-EG109TSUX325EA-EG124TUX325EA-EG124TS
CPUCore i5-1135G7
4コア8スレッド
2.4GHz(TB 4.2GHz)
Core i7-1165G7
4コア8スレッド
2.8GHz(TB 4.7GHz)
GPUCPU内臓GPU(Iris Xe Graphics)
メモリ8GB16GB
チップセット未公開
SSD512GB
HDD
ディスプレイノングレア13.3型ワイドTFTカラー液晶
1,920×1080(フルHD)
インターフェースHDMI×1, Thunderbolt 4 (Type-C) ×2、USB3.2 (Type-A/Gen1)×1, microSDカード
ネットワーク無線LAN(Wi-Fi):IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax
Bluetooth:Bluetooth 5.0
Webカメラ92万画素赤外線(IR)カメラ内蔵
バッテリー駆動時間約13.9時間約14.4時間
OSWindows 10 Home 64 bit
サイズ
(幅×奥行×高さ)
0.9リットル (304 x 203 x 13.9mm)
電源65W
重さ1.15kg
OfficeWPS OfficeMS Office 2019WPS OfficeMS Office 2019
価格(税別)\113,455\136,182\136,182\158,910

※価格・モデルは執筆時の物を記載しました。頻繁に変更されるので、必ず公式サイトでご確認ください。

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ASUS Storeで購入する意味

ASUS Storeで購入すると、メーカーならではの手厚いサポートを受けることが出来ます。

保証名価格期間内容
ASUSのあんしん保証\01年故障時負担:どんな故障でも交換部品の20%の料金で修理可能
ASUSのあんしん保証
プレミアム3年パック
\14,8003年故障時負担:\0

どんな故障でも修理してくれます。例えば、部品の増設をしようとして失敗して壊した場合や、落下させてしまったり、水没してしまったり。普通は保証適応外となるような故障であっても、修理してもらえます。

通常の「ASUSのあんしん保証」であっても、修理代金の8割はASUSが負担してくれる、これがあれば安心して使用できますね。

テスト機:ZenBook 13 UX325EA (UX325EA-EG124TS)

今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。

modelZenBook 13 UX325EA
UX325EA-EG124TS
CPUCore i7-1165G7
4コア8スレッド 2.8GHz(TB 4.7GHz)
GPUCPU内臓GPU(Iris Xe Graphics)
メモリ16GB
SSD512GB
HDDなし
電源65W
OSWindows10 Home 64bit

デザイン・拡張性

ZenBook 13を持った瞬間に思ったのは「冷たい!」でした。

堅牢製と放熱性という全面アルミで作られた天板には、「ASUS」のロゴを中心点とした円形の”スピンメタルデザイン”が施され、光に沿って表情を変え、エッジのフラットな部分の反射と合わせて、シンプルでいながら高級感を感じさせます。

裏面には、横に長い放熱用の吸気口と、手前左右のスピーカー部分に開口部があります。また、四隅は端に行くほど薄くなっており、スピーカーから発せられた音は、机から跳ね返って使用者に聞こえる仕組みとなっています。このスピーカー、オーディオの老舗harman/kardonの認証を受けています。

ディスプレイのヒンジは、リフトアップヒンジとなっており、放熱性を高めるとともに、キーボードを約3度持ち上げることによって、タイピングポジションを快適なものとしています。

リフトアップヒンジになっているため、本体背面の排気口は、ディスプレイの上に乗り上げてきます。一般に、暖かい空気は上昇していきます。PC内で発熱した空気は上に上昇していきやすくなり、より自然な空気の流れが得られているのではないでしょうか。

キーボード・タッチパッド

パームレスト部分は、フラットに仕上げられており、面積の4割近くをタッチパッドが締めます。

右側にもAltキーやShiftCtrlが配置されています。コンパクトな中にうまく入れ込んであります。

特徴的な点は、「Enter」キーの左に「Home」等のボタンが配置されている点でしょう。フルタイプのキーボードを使っている方にとっては、あまり気にならない点ですが、13インチ以下のモバイルノートを常用している方にとっては、慣れるまでは打ち間違いをしやすいのではないでしょうか。

さて、キータッチについて見ていきます。打鍵感は悪くないのですが、個人的にはタッチパッドが大きすぎて、誤操作してしまうことがありました。そういう場合には、FnF6を同時に押すことで、タッチパッドのON・OFFを切り替えることが出来ます。

側面・インターフェース

インターフェースを見ていきます。

前面は傾斜がかかっているのみで、インターフェースはありません。

前面

背面側はヒンジと、放熱用の排気部分となっています。こちらもインターフェースはありません。

背面

右側には、手前から順に、mircoSDカードリーダーと、USB3.2-Gen1 Type-Aポートが配置されています。mircoSDカードリーダーは、microSDXC、microSDHC、microSDに対応しています。

右側には、手前から順に、Thunderbolt 4 (Type-C) ×2、HDMI×1が配置されています。

Thunderbolt4が2つも付いています。充電はこのポートから行います。もちろんどちらを使ってもOK。

スマートフォンでもそうですが、充電ポートが壊れてしまったことはありませんか?

丁寧に扱っていても、機械的に摩耗してしまう充電ポートが二つあると考えると、ZenBook 13は長持ちするのではないでしょうか。

付属品・アダプタ・ブリーフケース

前述のように、ZenBook 13には、ヘッドフォン端子や、有線LANの端子がありません。

これに対応すべく、アダプタが付属しています。

ヘッドフォン端子は、USB Type-C、有線LANはUSB Type-Aです。

また、専用のブリーフケースが付いてきます。

開閉部分のみフェイクレザーが使われています。

内側は起毛素材になっており、ZenBook 13が傷つきません。

マチやポケットは付いていません。

本体のみを持ち運ぶのであれば、これ一つで十分ではないでしょうか。

電源アダプタ

電源アダプタはUSB Type-Cの端子が付いた65Wの物が付いていました。コンセントの差込口は収納できません。

重さは、353g。

サイズ感・重さ

ZenBook 13の大きさは、A4サイズに近い大きさです。

試しに、A4サイズの冊子をZenBook 13の下に置いてみました。ZenBook 13の長手側が1cm弱はみ出す代わりに、短手は約5mmだけA4の方がはみ出しています。

ZenBook 13とA4冊子の上下を入れ替えました。

本体の重さは、1139gでした。公称値1.15kgなので、誤差の範囲で収まっています。

充電アダプタの重さは、214gです。

本体と充電器で、1350gとなりました。

軽量・コンパクトな本体に対して、充電器はちょっと大きく感じます。

ZenBook 13自身、約14時間バッテリーが持つとしています。外出時に緊急で使う程度であれば、下記のような充電器でも、十分使えるのではないでしょうか。

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RAVPOWER

消費電力・騒音

ファンの調整は専用アプリ「MyASUS」で設定できます。

設定は3種類。パフォーマンスモード・スタンダードモード・ウィスパーモードです。

参考までに、消費電力と騒音を計りました。3DMARKを走らせた時の騒音を測定しています。

状態消費電力騒音
停止時0W32dB
ウィスパーモード高負荷時45W34dB
パフォーマンスモード高負荷時47W42dB

バッテリー残量90%の時点で測定を行いましたが、負荷に関係なく充電アダプタには45W近辺を電力が流れていました。

ウィスパーモードにすると、確かにファンが回っている音はしている物の、例えばエアコン等、他に騒音があると紛れてしまう程度の音です。パフォーマンスモードにすると、ファンの回転が上がりノイズを発します。音量は小さいのですが、高音寄りのノイズなので、気になる人もいるかもしれません。

電力測定

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騒音

PCの中央から、高さ15cm、PCの手前カツカツの位置で測定。

Meterk 騒音計 騒音測定器 ノイズ測定器 サウンドレベルメーター 音量測定 手持ち LCD デジタル 30-130dB(A)電池付属
Meterk

さて、パフォーマンスモードとウィスパーモード、どれくらいの性能の差があるのでしょうか。

結果は下記の通り、6倍近い差が付いています。ウィスパーモードは発熱を抑えるために、動作自身をかなり抑えているということです。

パフォーマンスモード
ウィスパーモード

サウンド

ZenBook 13は、オーディオの老舗harman/kardonの認証を受けるほどの音質を謳っています。

ZenBook 13のスピーカーは、本体裏面の下の矢印の部分に設置してあります。

確かにモバイルPCに有るまじき音質のサウンドが楽しめます。

スピーカーが下を向いているため、机などの硬い面に接するようにZenBook 13を置いた方が、響きが良くなります。

また、どんな体勢で聴いても、ある程度の音質は楽しめますが、聴く場所によって表情が変わるようです。

個人の耳の位置の関係などもあるはずなので、一概には言えませんが、タッチパッドの真上40cmくらいの位置が最も音場が広く、リッチな音質に感じました。ここから離れていくと、音のステレオ感が薄れていき、低音の響きも飛んでいきます。

定番ベンチマーク結果

定番のベンチマーク結果を並べます。第11世代インテルCore i7を積んだZenBook 13は、専用のGPUを搭載しないにもかかわらず、FINAL FANTASY XIVがプレイできる程度のゲーミング性能を持っています。オフィスPCとしては十分な性能を持っており、ゲームも「軽いアプリなら動く」持ち運べるPCと言えるでしょう。

とは言え、VRはとてもではないが使えないようです。

ベンチマークスコア
SteamVR Performance Test平均忠実度:0.0(低い)
テストされたフレーム:4413
VRMARKOrange Room : 2026
Cyan Room: 1319
Blue Room: 320
3DMARKTime Spy: 1360
Fire Strike: 3798
PCMARK10OVERALL: 4584
Essentials: 9111
Productivity: 6705
Digital Content Creation: 4281
CINEBENCH R20CPU: 1680
Single Core: 503
FINAL FANTASY XV高品質: 1519(動作困難)
FINAL FANTASY XIV最高品質: 3413(やや快適)

SSD

SSDには、Intelの660pシリーズが積んでありました。

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インテル
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最近のPCとしては、極標準的に速度が出ています。普段使いする分には、データの読み書きで時間を取られることは無い早さです。

まとめ

ミリタリーグレードの堅牢製と、軽量コンパクトを併せ持った新世代モバイルPC「ZenBook 13」を見てきました。

ZenBook 13のおすすめポイント

・堅牢でスタイリッシュなデザイン
・軽量コンパクト
・サイズを凌駕するオーディオ性能(harman/kardon認定)

ZenBook 13のおススメ出来ないポイント

・モバイルPCの域にとどまるゲーミング性能

ZenBook 13は、モバイルPCとしては、軽量コンパクト、天板の光の反射は美しくデザイン性に優れたPCです。

とは言え、本サイトで度々ご消化しているようなVRが動くPCではありません。

 

・・・本当にそうでしょうか?

このPCは、Thunderbolt 4を積んでいます。というわけで、GPUボックスに繋いでみました、というお話をまとめています。

こういう風にすると、持ち運び時は最軽量で、家ではパワフルに使えるんです