【着物】足し布 ~袖に足し布があるアンティーク羽織~

2019年3月15日

着物を普段着にしようと目論んでおります。
私の体型的に、アンティーク着物を着るには裄(ゆき)が長く選択肢が無いと言うことが分かってきました。「ヤフオク」で裄の大きな物が無いかしばらくウォッチしていたところ、裄がちょうど良い物が見つかったものの「袖に足し布」があるとなっていましたので、足し布について調べました。

1.アンティーク着物の裄事情

今の世代の日本人は昔に比べて、体格が一回り大きくなっていると言われています。また、洋服になれた今の人々にとって、一昔前の着物の袖の長さは短く感じるそうです。
当然、アンティーク着物は、一世代前の方々が来ていた着物が殆どですから、一回り小さな物が数多く流通しています。
通販などである既製品の着物の裄は下記の表のようになっています。

 長着羽織
S6768
M7273
L7475
LL7677

実際に、アンティーク着物を売っている店に行き裄を測ってみました。置いてある着物の裄は70cm未満の物が殆どです。
67~68cmくらいが多いでしょうか。
上記の表で言うところのSサイズくらいが一番多いという事になります。

裄が短い着物は着れないのかと言うと、もちろん着ることは出来ます。
長着の場合ですと、上に羽織を羽織ってしまえば見えなくなりますし、費用が許すならば仕立て直すと言うのも手です。

2.足し布とは

裄が短い着物を直す手法の一つが「割入れ(わりいれ)」、割入れの際に足した生地を「足し布」と言います。
また、割りを入れて大きく仕立てることは”大物になる”意味があり、縁起が良いこととされていたようです。男物の着物では業と割りを入れている場合もあるそうです。

割入れをする際の費用としては1~2万程度との事です。

3.購入した結果

足し布が入った商品ですが、同程度の物に対して値段が低くなっているように感じます。
また、上記のように、足し布がされている事自体はおかしな事では無いと言うことが分かりました。むしろ縁起が良い物のようです。
そこで意を決して購入してみました。
購入した物の袖の部分が下記の写真です。亀甲柄の大島紬です。
P1070285.JPG
確かに、袖の付け根の部分に5cm弱の足し布が入っています。
が、柄もなるべく合わせようとしてあるようで、割り入れ自身は目立ちません。むしろアンティーク故の汚れの方が目立つくらいです。

まとめ

今回は、アンティーク着物を購入する際に、「足し布」が分からなかったため調べてみました。
【今回のポイント】
「足し布」「割入れ」は縁起が良い物
せっかく安く手に入るアンティーク着物ですから、仕立て直しで1万円も使いたくないところです。
裄が合う物があれば「足し布」「割入れ」が入っていても問題ないことが分かりました。