大画面スマートグラス MAD GAZE GLOW Plus レビューまとめ
クラウドファンディングにて、スマートフォンやPCの画面を映せるAR/MRスマートグラス「MAD GAZWE GLOW Plus」を手に入れましたので、レビューをまとめていきます。
MAD GAZE GLOW /GLOW Plusとは
中国MAD GAZE社から出たAR/MRスマートグラスです。解像度や光学系が異なるGLOWとGLOW Plusの2機種が開発されました。
現在(2020/8/12)は、クラウドファンディングCAMPFIREから出資できます。
スペック概要:GLOW・GLOW Plus
GLOWおよびGLOW Plusは、本体単体では動作しません。基本はスマートフォンに接続して使用します。そのため、バッテリーも積んでいないので非常に軽量です。
標準では、スマートフォンやPCにUSB Type-Cケーブルで接続してGLOW・GLOW Plusに搭載されたディスプレイやセンサーにアクセスする形で使用します。
また、別途オプションの3in1アダプターを購入すると、iPhoneやHDMIポートを持ったデバイス(PS4・Nintendo Switchなど)に対応出来る他、充電しながらの使用が出来るようになるようです。
項目 | GLOW Plus | GLOW |
---|---|---|
光学設計 | BirdBath OLED | LCoS |
解像度 | 1080p (1920 x 1080 px) | 720p (1280 x 720 px) |
視野角 | 53度 | 45度 |
3D表示 | なし | あり |
重さ(公称) | 92g | 98g |
AR/MR機能 | あり | あり |
なお、初期のクラウドファンディング募集時にはGLOW Plusも3D対応の予定でした。が、技術的に難しかったらしく、3D表示はGLOWのみとなり、GLOW Plusは3D表示に対応していません。
センサー類など
一応カメラが付いており、写真や動画の撮影が可能。
また、マイク・スピーカーが付いており、デモ映像では通話をしていました。
- 5MP RGBカメラ
- 5MP 赤外線検出カメラ
- 赤外線LED
- LEDインジケーター
- IMU 9軸(加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)
- マイク
- ステレオスピーカー
対応するアプリを入れれば、各センサーが活用できるようですが、これらはスマートフォン向けの使用を想定しています。
素の状態ではGLOW Plusは、画像・音声が出力出来るディスプレイと考えた方が良いでしょう。なお、接続する端末によっては、カメラは使えるようです。
MAD GAZE GLOWシリーズのAR/MR機能の現状
「GLOW」が備えているSLAM(リアルタイムポジショニングおよびマップ構築機能)テクノロジーによって、リアルな仮想体験を経験することができます。 SLAMによるハンドジェスチャーコントロールはソフトウェアアップデートにて随時バージョンアップしていきます。現在、MAD Gazeは多くのソフトウェア開発者と協力しており、多くのアプリにはベータ版が存在します。まもなくSLAM機能を備えたさまざまなアプリが登場します。MAD Gazeは、開発者がスマートグラスをサポートする測位マップアプリを開発するために使用する無料のSDKも提供します。
CAMPFIRE
SLAM自身には、GLOW Plusも対応するとのことですが、Unity用のSDKは提供されたばかり。本格的に使えるものが出るのかどうかは、今しばらく様子見で良いのではないでしょうか。
一応、下記の専用のアプリストアがありますが、個人的にはまだ試していません。
視力換算:MAD GAZE GLOW /GLOW Plus
過去に主要なHMD(ヘッドマウントディスプレイ)について、視力換算をしてきました。
MAD Gaze GLOWとGLOW Plusについても計算してみます。
視力は、角度1/60度の隙間に対してどれだけ見えるか、という計算をします。
視力換算 = 解像度 ÷ ( 視野角 * 60 )
この値が大きいということは、見えている映像の角画素密度が高く、キレイに見えるということです。
項目 | GLOW | GLOW Plus | Oculus Quest |
---|---|---|---|
解像度 | 1280 x 720 | 1920 x 1080 | 1440 x 1600 |
視野角(横) | 45 | 53 | 100 |
視力換算 | 0.47 | 0.60 | 0.24 |
発売から1年たっても製造が追いついていないほど人気のOculus Questとの比較を並べてみました。
GLOW PlusはOculus Questの約3倍の角画素密度となっています。
「視野角が小さいがために、より高精細な映像を手に入れた」と言えるでしょう。
使用感:MAD GAZE GLOW Plus
使用感については、下記の記事にまとめています。ご参考までに。
Androidアプリ「MAD Gaze Connector」
Android版アプリ「MAD Gaze Connector」は、まだまだ発展途上と感じるアプリです。
製品の保証のため、登録は必要なのでしょうが、現状ではこのアプリを使う意味はあまりないように思います。
詳細は下記の記事にまとめています。ご参考までに。
MAD GAZE 独自アプリストア
MAD GAZE の独自のアプリストアがあります。インストールは出来るのでしょうが、Google公認ではないので、セキュリティ上心配ではあります。
現在(2020/8/13時点)、MAD GAZEのアプリストアにて、MAD GAZE純正アプリが出ています。下記に試してみたことを記事にまとめました。ご参考までに。
MAD GAZE GLOW ・GLOW Plusで使えるケーブル類
PCに接続すると、MAD GAZE GLOW Plusは、モニターやカメラとして使用できます。
ケーブルによっては、カメラとしてしか認識しない場合があるので、色々試してみました。下記の記事にまとめていますので、ご参考までに。
カメラのプレビューモニターとして使ってみた
MAD GAZE GLOW Plusは透過型のディスプレイとして使用できますので、カメラのプレビューモニターとして使ってみました。
公式NOTE
MAD GAZE JAPAN様の公式NOTEです。
このNOTEを見ますと、
11.MADGazeは端末の画面を大きく投影するだけの使い方しかできないのでしょうか?
https://note.com/madgaze_japan/n/n664d9a804036
8月8日現在は大画面で投影する、プロジェクターの様な使い方のみになります。
今後様々なAR/MRアプリがリリースされて参ります。 具体的には8月中にハンドジェスチャーアプリとARレーシングゲーム、第4四半期ARバトルゲームがリリースされる予定です。(多少前後する可能性がございます。) その他様々なアプリを開発予定ですので続報をお待ちいただければ幸いです。
となっており、MAD GAZE GLOW・GLOW Plusは現状は眼鏡型のディスプレイとしての機能しかない、ということが分かります。
まとめ
MAD GAZE GLOW Plusを購入しました。改めてスペックを見て、画面のきれいさを再確認しました。
視野角が狭い中にフルHD画質の映像を映しているために、昨今のVR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の2~3倍の角画素密度と、非常に精細です。
〇良い点
・対応するデバイスならば、USB Type-Cケーブル一本でパーソナルディスプレイとして使える
・目の前いっぱいにフルHD画質の映像が映る
・Windows10で倍率100%でも文字がにじみもなく、普通に読める
・昨今のVR用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の2~3倍の角画素密度と、高精細
×残念な点
・スピーカーはおまけ
・長時間使うとおでこが熱くなる
・目の前にいっぱい過ぎて、きっちりと装着しないと画面の端が見切れる
・GLOW Plusは3D表示なし
・AR/MR機能はもうしばらくお預け
AR/MR機能は機能していませんが、パーソナルディスプレイとしては優秀です。
小さなPCの画面を大きく見るとか、画面を見せれない状況での作業等にはちょうどいい端末となるのではないでしょうか。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません