現行ゲーミングノートPCでもGPUボックスの効果は得られるのか
DELLのゲーミングノートPC DELL G5を購入しました。現行のゲーミングノートで、果たしてGPUボックスは効果があるのか試してみたのでまとめます。
テスト内容
GPUボックスの効果を測定するために、3台のパソコンを用いました。
準備したPCのスペック一覧
2018年モデルのDELL G5と、2020年モデルのDELL G5を用いました。別途デスクトップPCを使用しています。
これらの準備したPCのスペックをまとめます。
スペック | DELL G5 5587 (2018年モデル) | DELL G5 5500 (2020年モデル) | デスクトップPC |
---|---|---|---|
CPU | Intel Core i7-8750H | Intel Core i7-10750H | AMD Ryzen9 3950X |
メモリー | 64GB | 64GB | 32GB |
内臓GPU | GTX1060 Max-Q 6GB | RTX2060 6GB | RTX2070 もしくは RTX2080SUPER |
ベンチマークアプリ:3DMARK Time Spy
GPUのベンチマーク結果は、公式サイトの下記のページにデータベースがあります。これを見れば、世の中のPCの標準的な性能が分かります。
今回は3DMARKのグラフィック性能にのみ注目して比較をしていきます。
内臓GPUの能力
まずは、ノートPC2台の内臓GPUの能力を調べてみます。3DMARKの公式サイトの数字が実測とどのくらい違うのかも検証できるはずです。
ノートPC内臓GPU | 公式サイト | 実測値 |
---|---|---|
Geforce RTX2060 | 6013 | 5790 |
Geforce GTX1060 Max-Q | 3507 | 3549 |
3DMARKの公式サイトの数字とほぼ同じ結果がけられました。
また、GTX1060とRTX2060とでは、明確な差が出ています。
ノートPC + GPUボックス
GPUボックスにRTX2070を積んで、この2台のノートPCで3DMARKを走らせました。
ノートPC | RTX2070 GPU-BOX | 内臓GPU |
---|---|---|
DELL G5 5050(’20年) | 7229 | 5790 |
DELL G5 5587(’18年) | 7348 | 3549 |
内臓GPUでは明確な差があった2台のノートPCで、グラフィック性能が同等になっていることが割ります。
GPUボックス接続すると、内臓GPUやCPUの影響はほとんどなく、GPUボックスの能力で均一化されることが分かりました。
デスクトップPCとの比較
Thunderbolt3の細いケーブルで接続されるため、GPUボックスではGPUボードの性能を出し切れないという話を聞きます。
本当なのかどうか、デスクトップPCにGPUボードを直差ししてみて性能を確かめてみました。
ノートPC | RTX2080SUPER | RTX2070 |
---|---|---|
デスクトップPC | 11452 | 8741 |
DELL G5 5050(’20年) | 7961 | 7229 |
DELL G5 5587(’18年) | – | 7348 |
同じGPUボードをデスクトップPCに内蔵した場合と、GPUボックスを使用してThunderbolt3ケーブルで接続した場合では、RTX2070で10%の性能ダウン、RTX2080SUPERに至っては30%程度の性能ダウンが見られました。やはり、Thunderbolt3での接続はボトルネックとなっているようです。
超高性能ノートPCの内臓GPUと比較する
では、今度は3DMARKの公式サイトを参考にして、他の超高性能ノートPC内臓のGPUと比べてみましょう。
ノートPC | RTX2080SUPER | RTX2070 |
---|---|---|
3DMARK公式ノート内臓GPU | 8040 | 6971 |
DELL G5 5050(’20年) | 7961 | 7229 |
DELL G5 5587(’18年) | – | 7348 |
こうやって見てみると、GPUボックスで接続したGPUボードの性能は、ノートPC内臓のGPUと同等程度の性能が発揮できているようです。
もっとも、高性能GPU搭載ノートPCの場合は、発熱によって性能が制限されているのに対して、GPUボックスを使用した場合は、Thunderbolt3の配線によって性能が制限されている、という違いがあると考えられます。
まとめ
今回、高性能のGPUを積んだノートPCに、より高性能なGPUボード積んだGPUボックスをつなげるとどうなるのかを検証しました。
結果わかったことは、下記の通り。
- GPUの格が上がれば、その分グラフィック性能は上がる
- 繋いだGPUボードの性能は、デスクトップPCに差す場合と比べると劣る
- 高性能GPU搭載GPUボックスをつなげたノートPCは、高性能GPU搭載ノートPCと、同程度のグラフィック性能を手に入れる。
GPUをフルで使いたいならデスクトップPC一択です。高性能なGPUを積んだノートPCでも熱には勝てないために、性能を発揮しきれないようです。
とはいえ、コンパクトなノートPCはやはり魅力があるものです。映像が物足りなくなったらGPUボックスを使えばノートPCなりの性能は出来ると分かりました。
Thunderbolt3が付いているのならば、延命が出来ると考えると、ちょっと得した気分にはなりますね。
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