Insta 360 EVO用スマホケース「Insta360 HoloFrame」とは何か? VRカメラの普及の起爆剤足るか?
裸眼で3D映像が楽しめるというスマホケース「Insta360 HoloFrame」。四千円弱とお手軽価格で、3Dで見えるらしいです。撮影直後に見え方が確認できるのならば、撮影者にとって大きな利点です。今まで何枚使えない写真を撮ってしまったことか…
という事で、 「Insta360 HoloFrame」とはどのようなものか、原理は何なのか、という事を調べたことをまとめます。
Insta360 HoloFrameとは何か、「SNAP3D」との関係
Insta360シリーズの中国Shenzhen Arashi Vision社が韓国MOPIC社と組んで開発したスマホケースです。
変形させることにより、360度カメラと180度3Dカメラと、一台二役をこなす「Insta350 EVO」と同時に発表されています。
構造からの推測ですが、MOPIC社の 「SNAP3D」と同一商品だと考えられます。
Insta360 EVOについては、下記の記事にまとめています。ご参照までに。
韓国MOPIC社のサイトは下記の通り。
MOPIC「SNAP3D」とは何か
韓国MOPIC社が開発したスマホ用ケースです。
2018年8月にMAKUAKEでも支援者募集をしていたようです。
構造はいたってシンプルです。レンチキュラーレンズになっています。
デコボコしたレンズによって、スマホの映像が分離され、裸眼で左右の目で別の映像が映る仕組みです。
見る角度によって絵が変わったり、飛び出して見える絵葉書とかに使われている技術ですね。
この仕組み自体は新しい物ではありません。詳細は下記のサイトに譲りますが、枯れた技術です。
MOPIC「SNAP3D」の何が新しいのか、メリット・デメリット
ケース自身は新しい既存の技術で出来ていそうです。「SNAP3D」の新しい点は何なのか。
SNAP3D用の再生アプリ「Mplayer3D」を使うことによって、「SNAP3D」は真価を発揮します。
「Mplayer3D」 では、インカメラを用いて、見ている人の視線をトラッキングする点が新しい点です。
また、両目をトラッキングするという事のメリット、デメリットは下記が考えられます。
メリット
- 視線に追従するので、頭を動かしたら自然に映像が切り替わり、裸眼で手軽に自然な3D映像が楽しめる。
- 瞳孔間距離を考慮した映像が映し出されるために、視聴する人が代っても調整することなく3D映像が楽しめる。
- 視覚が発達中の子供でも、発達に悪影響を与えず視聴が楽しめる可能性がある。
デメリット
- 普通の映像と違って、複数の人が同時に見ることはできない
- カメラ・瞳孔位置解析・映像の調整とスマホの処理量が大きい
「SNAP3D」は、他のスマホケースを併用できないという点も大きなデメリットでしょう。
なお、iPhone用アプリでは1920×1080のFHDまでの対応、Android版では3840×2160の4kまでの対応となっています。
※現在(2019/11/29)AppStoreへのリンクが切れているようです。https://itunes.apple.com/jp/app/mplayer3d/id1191424861?mt=8
「Insta360 HoloFrame」・「SNAP3D」対応スマホ
「Insta360 HoloFrame」は現状では、下記の3種類5種類が販売されています。
(5/15追記)GaLaxy S9、S9+が追加されました。
- iPhone X/XS
- iPhone XR
- iPhone XS MAX
- Galaxy S9(5月追加)
- Galaxy S9+ (5月追加)
一方、MOPIC「SNAP3D」は、下記はiPhone 6S~8までの製品が追加される他、Samsung社のGalaxyシリーズが追加されます。
- iPhone X/XS
- iPhone XR
- iPhone XS MAX
- iPhone 6S, 7, 8
- iPhone 6+, 6S+, 7+, 8+
- Galaxy S9
- Galaxy S9+
- Galaxy S8
- Galaxy S8+
- Galaxy Note8
iPhoneへの対応について
「Insta360 HoloFrame」がiPhone 6S~8までに対応していない点が気になります。製造能力不足が問題ならばいいのですが、スマホの処理能力の問題ならば、今後も対応機種が増えない可能性があります。
Androidへの対応について
現在(2019/4/19)では、iphone用アプリは「Insta360 HoloFrame」に対応していますが、Android用アプリは「Insta360 HoloFrame」に対応していません。
現在(2019/5/15)、Android用アプリはGalaxy S9、S9+のみ対応となっています。
「Insta360 HoloFrame」が次に対応するのは、既に 「SNAP3D」が発売されているGalaxyS9シリーズだと推測されます。 ⇒予想通り、Galaxy S9シリーズからの対応となりました。
「Insta360 HoloFrame」や「SNAP3D」 はその性質上、スマホにきっちりと固定する必要があります。汎用の物は作りにくい、もしくは、出たとしてもスマートな物とは言いにくい物になります。
「SNAP3D」が現状Galaxyシリーズのみに対応していますが、今後対応機種が増えたとしても、メジャーな機種のみとなる可能性が高いでしょう。
「Mplayer3D」をインストールしてみた
古いスマホに 「Mplayer3D」をインストールしてみました。Galaxyシリーズでなくても、インストールは出来るようです。
インストールしたスマホはこちら。本来は音楽再生専用機です。
機種 | GRANBEAT |
メーカー | ONKYO |
発売時期 | 2016年冬モデル |
SOC | Snapdragon 650 MSM8956 |
RAM | 3GB |
OS | Android 6.0 |
普通に立ち上がります。「Album」の欄では、ローカルの写真・動画が見れます。Insta360 EVOで撮影した映像も見れる可能性があるのではないでしょうか。
Youtubeの3Dコンテンツを見ようとしてみます。右上の赤い目のマークは、目がトラッキングできていると緑になります。
スペック不足のためか、何も映りません。
画面をポンっとタッチしてみると、メニューが表視されます。
歯車マークを押すと、レンチキュラーレンズの調整が始まりました。
1つ目は 、傾きの調整
2つ目は、シーケンスの設定。画面の解像度とレンズのデコボコの距離を調整しているのでしょう。
3つ目が右目が見えている画像の選択です。この時、インカメラの映像と目の認識が画面に表示されます。
下記の写真ではスマホケースをずらしてインカメラを隠しています。
これらの設定ができるのであれば、固定できるレンチキュラーレンズさえあれば、簡単にコンテンツが見れそうです。
既存の技術をソフトウェアで進化させている、素晴らしい技術です。
まとめ
調べた結果、「Insta360 HoloFrame」は手軽に3D映像を視聴できるため、3Dコンテンツ業界にインパクトを与える商品だと感じます。
欠点としては、現状対応機種が非常に少ない点がネックとなっています。
対応スマホを持っているのならば、「SNAP3D」で試してみるのも良いかもしれません。
「SNAP3D」はAmazonでも楽天でも購入できます。
追記~Huawei P20でMplayer3Dを試してみた
結論から言うと、再生できません。動画がブラックアウトして何も映りません。
下記は、Mplayer3Dのデモ動画をダウンロード後再生しようとしてみた結果です。
現状のMplayer3DはAndroidではGalaxy専用と考えた方が良いのでしょう。
「SNAP3D」をiPhone7で試す。
下記の記事にて、iPhone 7 にてSNAP3Dを試しています。ご参考までに。
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