Vuze XRが出力する180度3D動画ファイルのフォーマットについて

2019年2月28日

YouTubeでVuze XRで撮影された非常に綺麗な動画を見付けました。その方はVuze XRの生ファイルから変換されているようです。

しかしながら、Vuze XRで撮影した180度3D動画の出力ファイルは、一般のプレーヤーで見ると、片方の視野のみしか見ることが出来ません。このファイルでどうやって左右の2視野の映像を格納しているのか、調べたことをまとめます。

調べるきっかけの動画

YouTubeで見付けたとても綺麗な動画です。 解像感が段違いです。Vuze XRの可能性を感じます。

投稿された方は、「TMPGEnc」を使って処理をされているようです。

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TMPGEnc

TMPGEncは高圧縮且つ高画質と言うことで、”マルチメディア”とかが流行っていた頃からの定番エンコーダーでした。

さて、この「TMPGEnc Video Mastering Works 7」ですが、8k動画の編集や、HDRへの対応など、多機能になっています。手ぶれ補正もあるようです。

VR動画用としては、360度動画には対応しているようです。

180度3D動画については、直接の機能はなさそうです。

TmPGEncを試してみる

早速、私も体験版をダウンロードして試してみました。

Vuze XRの生ファイルを読んでみる

Vuze XRから出力された生ファイルを開くと、「映像ストリーム」に二つ映像が含まれていました。

Vuze XRの生ファイルの正体

Vuze XRの生ファイルのコーデックはH.264です。

H.264は左右の映像を一つのファイルに格納するMVC(多視符号化)というフォーマットがあるそうです。

MVCは3D映画のBlu-rayなどに使用されているようです。普通に2眼動画にするよりもファイルサイズが小さくなる特徴があるようです。

microSDに保存する転送速度を考えると、非常に理に適ったフォーマットの選択だと言えるでしょう。

ちなみに、ID1、ID2の画像は下記の通り。

【ID1の画像】
【ID2の画像】

左右共に魚眼レンズの画像のままです。

隣のカメラが写り込んでいますので、左右どちらの画像なのかが判別できますね。ID1が右目側、ID2が左目側です。

編集後のファイルの比較

魚眼のメタデータの入れ方が分からないままではあるのですが、下記のファイルを作ってみました。

Vuze XR Studioで出力

TMPGEncで魚眼動画を出力し、「VR180 Creator」で「動画を切り替え」に入力したもの

TMPGEncで魚眼画像を左右に配置し、「VR180 Creator」でメタデータのみ付加したもの

fisheyeの設定が出来るプレイヤーで見ないと歪んでしまっています。

まとめ

YouTubeで非常に綺麗な動画を見付け、その方法を再現すべく、Vuze XRの生ファイルの形式について調べました。

結果、Vuze XRの180度3D動画の生ファイルは、H.264のMVC(多視符号化)というフォーマットで記録されていることが分かりました。

先達に習って、編集ソフトを比較してみましたが、私にはVuze VR Studioでの出力ファイルと、TMPGEncでの出力ファイルの画質の違いが分かりません。

写し方が悪いのか、編集が悪いのか・・・、

私の場合は、「Vuze XR Studio」で出力しても綺麗な映像が撮れるように、撮影の技術の向上に力を入れた方が良さそうです。