Vuze XRのRender設定による画質の違いの検証

2019年2月23日

Vuze XRで撮影した動画を編集するにあたり、Vuze VR StudioのRender設定の違いによる画質の違いを検証しました。

検証したVuze VR Studioのバージョンは、v3.1.5935です。

Vuze XRとは

QooCamやInsta360 EVOと同様に、VR360とVR180が撮れるカメラです。

上記3機種のスペックの比較は下記の記事にまとめています。ご参考までに。

Vuze VR Studio

このVuze XR、スマホで取り圧が得るのは4k画質まで。5.7k画質の動画・静止画は、PCでの処理が必要になります。

また、Vuze XRで撮影した動画や写真のファイルは、魚眼レンズで撮影した画像がそのまま入っています。そのため、そのままでは動画や写真として視聴することができません。

専用の変換ソフト「Vuze VR Studio」を使って視聴できる形式に変換する必要があります。

検証したVuze VR Studioのバージョンは、v3.1.5935です。

「Vuze VR Studio」は下記の公式サイトからダウンロードできます。

Render設定検証

デフォルト状態での出力

下記の記事にて出力した動画ですが、どうもブロックノイズがひどく、5.7k画質を生かし切れていないように思います。

そこで、「Vuze VR Studio」の設定で改善できないかどうか、検証していきます。

Render設定内容確認

「Vuze VR Studio」が出力できるEncodingは、「H.264」と「ProRes」の二つです。 それぞれ、BitrateをAutoかCustam(~120MBps)を選択できます。

検証動画作成

10秒程度の5.7k画質動画に対して、それぞれのCodecを選択し、 40~120Mbpsで動画を作成しました。

画質の検証をするため、動きが大きめの場面を抽出しましたので、視聴には向きません。

出来上がったファイルサイズは下記の通りです。

H.264での出力では、設定したBitrateに対して、ほぼ比例して出力されているように見られます。

BitrateをAutoにすると、90Mbps程度の設定になっていると考えられます。

対して、ProResでの出力では、全てファイルサイズが同一となっています。Youtubeにアップした際も「同一ファイルです」と警告が出てアップできませんでした。ファイルサイズも12秒で3GBととんでもないことになっています。 後述しますが、ProResでの出力は「VR180である」というメタデータも持っていなかったようです。

検証動画

 
各ファイルを下記にアップしました。前述の通り、注視できるような動画ではありません。ブロックノイズ等の入り具合のチェック用です。
●H.264
 
Bitrateが60Mbpsはブロックノイズがひどいですね。80Mbpsくらいからましになりますが、ノペッとした絵作りになっています。
Maxである120Mbpsなら、5.7kにした意味が出てくるように思います。
●ProRes
 ※各Bitrateで出力したファイルはYoutubeで同一ファイルと見なされ公開できませんので、一つだけです。
 
 
 ※こちらのファイルは、メタデータも持っていなかったようで、VR180動画だと認識されていません。
Googleの「VR180 Creator」を使ってメタデータを追加したファイルが下記です。
 
 
こちらは「VR180 Creator」を使うことによって、VR180として見ることが出来ました。
ProResの方が、細かい描写が出来ているようにも見えますが、10倍以上のファイルサイズであることを考えると、H.264でのレンダリングが現実的なようです。

「VR180 Creator」は下記の公式サイトからダウンロードできます。

まとめ

Vuze XRの画質を引き出すべく、専用ソフトVuze VR StudioのRender設定条件を探ってみました。

結果、 分かったことは下記の通り。

  • ProResでの出力はこのバージョンのVuze VR Studioではバグがあるのか、ビットレートの変更が効かないうえ、巨大なファイルサイズになってしまう
  • H.264出力時のAuto設定ではおよそ90Mbps程度の出力になる
  • H.264出力時に120Mbps設定とするとAuto設定よりもブロックノイズが減る

個人的には、これからVuze VR Studioでの出力時には、H.264、120Mbpsで出力していきます。