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3DプリンターでInsta360 EVO 2台を固定する台を作ってみた話

2019年12月6日

180度3Dカメラ2台を用いて、一般向けVRカメラで疑似的に360度3D映像が撮れるのか、ということを試しています。

今回は、Insta360 EVO2台をジンバル「ZHIYUN Crane M2」にきれいに固定できるように”台”を作ってみましたのでまとめます。

360度3D映像を撮る試み

5.7k画質で180度3D映像が撮れるカメラInsta360 EVOを2台使って撮影を試みています。

下記の記事に、私の行っている撮影方法等を書いています。ご参考までに。

この撮影では、ミラーレスクラスまでに対応した小型のジンバルZHIYUN Crane M2を使用しています。

上記の記事でも書きましたが、小型であるInsta360 EVOは、そのままではZHIYUN Crane M2で上下のバランスが取れません。重心が低くなりすぎるため、クイックリリースプレート上に何かを噛ませてあげる必要があります。

今回はこよクイックリリースプレートに固定するための台を作ります。

使用したもの

3Dプリンター「ELEGOO MARS」

光造形形式の3Dプリンターです。3万円前後で、高精細な造形が作れます。

UV樹脂

黒色のUV樹脂を選択しました。

露光条件は後述しますが、最適とは言いがたいです。

モデル作成

使用したソフト

一般によく使われているアプリ「Fusion360」を使いました。

Fusion360も個人利用の範囲では、無料で使えます。

モデルの目的

今回のモデル作成の目的を考えておきます。

  • Insta360 EVO 2台のうち1台は作成する台を貫通して1/4″ネジで固定し、もう1台は台からの突起で位置だけ固定する構造にする。
  • ZHIYUN Crane M2と1/4″ネジ2本で固定する。うち一つはInsta360 EVOの固定ネジと位置を共有する。
  • 厚さは、ZHIYUN Crane M2でバランスが取れる範囲のものにする。

使用する1/4″ネジ

1/4″ネジは下の物を使います。オス・メスタイプになっているものです。

  • オス側でInsta360 EVOと作成する台を固定
  • メス側でZHIYUN Crane M2のクイックリリースプレートを、別途準備した1/4″ネジで固定

という使い方をします。

モデルの目的自身は上記の通り、文字で書くとそこまで難しいものではないように思っていましたが、なかなかの難産でした。

モデル

最終的に、下記のようなモデルを作りました。

右上の突起にInsta360 EVOの1/4″ネジ部分に入ります。左下の貫通穴に後述する1/4″ネジが収まります。

強度を上げようと、樹脂が詰まったのもを作ってみましたが、何回プリントしても、サポートが千切れてしまったり、FEPフィルムに造形物がくっついてしまったりと、上手く印刷ができませんでした。

下の写真は、中途半端にFEPフィルムにくっついてしまっている悲しい物体です。この時は、中を空洞にしていなかったので重すぎたのではないかと考えています。

これも失敗例。ビルドプラットフォームにサポートだけが寂しそうにぶら下がっていました。

最終的には、内部は空洞化して、更にパンチング加工のような穴を開けました。

造形物の体積がそれなりにあるので、印刷中にサポートに加わる力が結構なものになるのではないかと思っています。

造形中にサポートにかかる力(推測)

造形中にサポートにかかる力 =
   造形物の重量
   + 造形物の上部にあるUV樹脂の重さと粘度
   + FEPフィルムにくっついている力

パンチング加工のような穴開き構造にすると、これらの力が減るので、キレイにできるのではないかと考えました。

スライスするときは、斜め30度以上角度が付いている方が失敗しにくいようです。

最終的にはこんな感じで印刷しました。4時間以上かかるものの、\300未満でできるようです。

FUSION360はネジ穴のイメージまで作ってくれるので有り難いですね。

DMM.make

Free素材として、DMM.makeにモデルを置いていますので、ご自由に使ってください。

出来上がったもの

出来上がったものが下記の写真です。

前述のように、写真手前の部分のサポートはきれいにできていなかったのですが、設計通りに出力されているようです。

右上の貫通穴の部分は、金属のピンセットでつまんでIPA洗浄を行ったので、擦れて白くなってしまっています。

失敗の山を作りつつ、何とかここまで形になりました。

取り付けてみる

サポートを外しました。思ったよりもしっかりと出来ているようです。写真の右上がちょっと歪んでいるような気もしますが、まぁ、許容範囲でしょう。

中央のネジ穴は、ZHIYUN Crane M2に固定するための1/4″ネジ用です。

上の写真の左上のくぼみは、下の1/4″ネジがはまるようになっています。

高さもサイズもバッチリです。

Fusion360などの3D CADは、こういったネジを貫通させるだけの形状なんかは、かなり簡単に作れます。

1/4″ネジ穴

中央のネジ穴が、どうもうまくはまりません。穴自体が小さくなっているようです。

ネジ穴を広げるために、タップを買ってみました。

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ゴリゴリと穴を開けてみます。

何とかネジが通るようになりました。ネジ穴もちゃんと立っているようです。

強度を考えるならば、下記のようなリベットを埋め込んだ構造を考えた方が良さそうです。

試しに買ってみたものの外寸は直径9mmでした。今回作ったものにはめるにはちょっと大きすぎます。

クイックリリースプレートに装着

Zhiyun Crane M2のクイックリリースプレートに付けてみます。

ネジ2本で固定できています。

表から見た写真です。これでInsta360 EVO 2台が固定できるはずです。

Insta360 EVOを載せてみる

Insta360 EVOを台に実装してみます。

Zhiyun Crane M2のクイックリリースプレートに付けてみます。

ZHIYUN Crane M2に取り付け、バランスを取ってみました。

下の写真は前回作った台です。

これに比べると、大分「進化した感」が出ているように思います。

今回の物は、ネジ2点で固定できましたし、以前よりもきっちりと固定できたはずです。

まとめ

今回は、Insta360 EVOを2台使って360度3D動画を録画するための台を作ってみました。

今回は、プリントに何度も失敗し、3Dプリントの難しさを感じました。今回学んだ点としては、下記のとおりです。

光造形タイプの3Dプリンタ向けのモデル作成のコツ

・2~3mmの厚さを維持する。
・材料をケチった造形にすると、結果的に軽くなり失敗しにくい。
・UV樹脂の動きを考えながら設計する。
・出来れば、UV樹脂を逃がすための穴を空けてあげる方が良い。

光造形タイプの3DプリンタはUV樹脂の中を上下に行ったり来たりを繰り返すので、垂直方向のUV樹脂の逃げ道が大事になるようです。

勉強になりました。

さて、出来上がったモノ自身は、当初の目的が実現でき、気に入っています。

これを使っての撮影についてはまた後日アップします。

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