【実機レビュー】ASUS VivoBook S15:RTX3060Tiをモバイルノートに付けてみる【VRを試す】■Core i7-1165G7 /16GB /RTX3060Ti(eGPU)■
ASUS様よりASUS VivoBook S15をお借りしました。「ジブン色で、進め。」をコンセプトとした、コンパクトなノートPCです。
CPUに第11世代Intel Coreシリーズを積んだモデルのVivoBook S15は、Thunderbolt4ポートを備えています。Thunderbolt4とGPUボックスを接続してVRが楽しめるかどうかを検証していきます。
この記事では、VR性能について見ていきます。
テスト機:ASUS VivoBook S15 S533EA (S533EA-BQ032TS)
今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。
model | ASUS VivoBook S15 S533EA S533EA-BQ032TS |
---|---|
CPU | Core i7-1165G7 4コア8スレッド 2.8GHz(TB 4.7GHz) |
GPU | CPU内臓GPU(Iris Xe Graphics) |
メモリ | 16GB |
SSD | 1024GB |
HDD | なし |
電源 | 65W |
OS | Windows10 Home 64bit |
用意した物:Razer Core X
項目 | Razer Core X |
---|---|
メーカー | Razer |
サイズ(高さx横x奥行き)(mm) | 230x168x374 |
内寸(mm) | 160x57x330 |
内蔵電源 | 650W |
電源能力が650Wと高めのGPUボックスです。これにRTX 3060 Tiを差してテストします。
Razer Core Xには、Thunderboltケーブルが付属しません。今回は下記のケーブルを用いてテストを行いました。
GIGABYTE GV-N306TGAMING OC-8GD
GIGABYTE製のRTX 3060 Tiです。GIGABYTEのモデルの中では中の下と言ったモデルです。
VR性能測定結果
Oculus推奨スペックとの比較
Oculus推奨GPUの下限のスペックのPCとの比較をします。
- CPU:Intel Core i5 4590
- GPU:GEFORCE GTX 1060-6GB
- メモリ:8GB
ASUS VivoBook S15は、モバイルPCでありながら、Oculus推奨CPU以上の性能を発揮します。このPCにGeForceを接続して、GPUを強化してあげれば、下のようにOculus推奨性能を上回る能力を持つことになります。
※Oculus推奨スペックを100とした時の、ASUS VivoBook S15 + RTX 3060 Tiの性能
項目 | 説明 |
---|---|
3Dmark TimeSpy | DirectX 12対応の描画性能を示しています。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Dmark FireStrike | DirectX 12対応のVRの描画性能を示しています。Orange Roomよりもリッチなグラフィックを使用します。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Cinebench CPU | CPU全体の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
Cinebench SingleCore | CPUのコア1つ分の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
memory | メモリーの容量を示しています。 Oculus推奨の8GBを100とした場合の値です。 |
今回お借りしたモデルのCPUは、Core i7-1165G7です。モバイル向けの低消費電力タイプのCPUですが、Oculus推奨CPUよりも高い性能を発揮します。
本来ASUS VivoBook S15は、VRを楽しめるほどのグラフィック性能はありません。この問題は、GPUボックスを介してRTX 3060 Tiを積むことによって解決できました。
解像度とフレームレートの関係
PCが描く絵の標準の解像度は、Oculus Quest・Oculus Queset 2でそれぞれ、9.4Mpxと8.7Mpxです。
およそ10Mpx程度の辺りで、フレームレート72fpsが出ていれば、余裕で描写で切ると考えていいでしょう。
解像度を代えてVRMARKを実行しました。横軸が画素数、縦軸がフレームレートです。
10Mpx付近で、フレームレート72fps以上が出ています。よほど重たいアプリでなければ、VRが楽しめるでしょう。
RTX 3060 Tiを接続したことによって、CPU・GPU性能共に、Oculus推奨PCの性能を大きく上回るようになりました。
VRを十分楽しめる性能と言えるでしょう。
VRスコア・コスパ
項目 | スコア |
---|---|
VRスコア 数字が高いほど高性能 | 232 |
VRコストパフォーマンス 数字が高いほどお得。付加価値未考慮 | 92※ |
PC基本性能測定
ベンチマークアプリPCMARK10の測定結果を表示します。ゲーム以外の目的としてVivoBook S15 + RTX3060Tiを使った場合の能力を示しています。
デスクトップ型PCのCPUとして現在の売れ筋CPU「INTEL CORE i5-10400」を積んだPCと比較をします。
※INTEL CORE i5-10400のベンチマーク結果を100とした時の、VivoBook S15 + RTX3060Tiの性能
ベンチマークアプリ「PCMark10」の結果を記載しています。
項目 | 説明 |
---|---|
OverAll | PC全体の性能を示しています。 |
Essentials | アプリの起動などPCの動作の処理性能を示しています。 実際にアプリの起動速度やブラウザ等を使って、処理能力を数字化しています。 |
Productivity | WordやExcelと言ったOffice系アプリの処理性能を示しています。 OpenOffice系のアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
Digital Content Creation | 写真・動画・3Dグラフィックスなどのクリエイティブ系アプリの処理性能を示しています。 GIMP等のクリエイティブアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
クリエイティブな作業もこなせるようになっています。ほぼほぼ、デスクトップ型PCと同じ性能を発揮します。
現在主流のCore i5搭載デスクトップPCと比べて、同等の性能が発揮できます。
第10世代デスクトップ用CPUと、同等の性能を得られます。
HMDを接続してみた
Oculus Rift S
VivoBook S15 + RTX3060TiでOculus Rift Sを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
画質設定「パフォーマンスを優先」では、フレームレート80fpsは余裕で超えています。Asgard’s Wrathを高画質設定にしてもフレームレート80fpsを確保できています。快適に使用できます。
Oculus Quest
VivoBook S15 + RTX3060TiでOculus Questを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
レンダリング解像度の設定を「1.0x」とした場合、アプリの解像度を上げなければ、十分フレームレート72fpsは余裕で超えています。
Oculus Quest 2
VivoBook S15 + RTX3060TiでOculus Quest 2を使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
レンダリング解像度の設定を「1.0x」とした場合、アプリの解像度を上げなければ、十分フレームレート72fpsは余裕で超えています。
Vive Cosmos Elite
VivoBook S15 + RTX3060TiでVive Cosmos Eliteを使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
Asgard’s Wrathのような重たいアプリでは、フレームレート90fpsを確保できません。フレームレート80fps程度出ていれば、体感的には違和感を感じませんが、VR酔いの恐れは高くなるでしょう。GeForce RTX3060Ti は現状「動き補償」機能も動きません。Vive Cosmos Eliteを使うのであれば、GeForce RTX 2000系のGPUを使い動き補償機能を使った方が良さそうです。
Pimax 8k Plus
VivoBook S15 + RTX3060TiでPimax 8k Plus使った場合、どれくらいのフレームレートが出るのかを試しています。
Pimax 8k Plusの視野を「Normal」とした場合、アプリの画質を求めなければVRは楽しめます。Asgard’s Wrathは頭の動きに対して遅延を感じます。
まとめ
スタイリッシュなモバイルノートPC「VivoBook S15」に、GPUボックスを介して、GeForce RTX 3060 Tiを接続してみました。
・グラフィック性能を押し上げることによって、VRを十分に楽しめる性能となっている
モバイルノートPCに余りあるGPU性能を外付けしてみた状態で、PC用HMDがどの程度きのうするのか、検証した結果は下記の通りです。
HMD | 評価結果 |
Oculus Rift S | 余裕を持って使えます。 |
Oculus Quest | 十分に使えます。 アプリの設定は低画質の方が良いでしょう。 |
Oculus Quest 2 | 十分に使えます。 アプリの設定は低画質の方が良いでしょう。 |
Vive Cosmos Elite | アプリを低画質設定にすれば使えます。 CPUがボトルネックとなるアプリはあきらめましょう。 |
Pimax 8k Plus | Pimax 8k Plusは十分使えます。 CPUがボトルネックとなるアプリはあきらめましょう。 |
通常のゲーミングPCはCPUは過剰な性能を載せているため、CPUがボトルネックとなることはありません。このため、他のPCのベンチマーク結果と比較した場合、「ASUS VivoBook S15 + RTX3060Tiはベンチマークの値のわりにフレームレートが出ないPC」となり得ます。
とは言え、VivoBook S15にGPUボックスをつないだ構成でも、PC用VRアプリは十分動きました。Oculus Quest 2単品よりはリッチな演出のアプリでも軽くこなせるだけの描写性能を手に入れます。最高画質さえ目指さなければ、十分VRを楽しむことが出来ます。
モバイルノートでVRを楽しむ一つの選択肢として、GPUボックスという手はありなのではないでしょうか。
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