【実機レビュー】Lenovo Legion Y740(17):ゲーミングノートのフラッグシップモデル【VRを試す】■Core i7-9750H /32GB /RTX2080MQ■
Lenovo様より、ハイエンドゲーミングノートのLegion Y740(17)をお借りしましたので、VR性能を検証していきます。
Legion Y740(17)
LenovoのゲーミングPCブランド「Legion」の名前を持つゲーミングPCの中でもフラッグシップモデルとなるのが「Yシリーズ」です。このLegion Y740は、Intelの第8世代CPUと第9世代CPUに対応したモデルでした。現状はLenovo公式サイトからは姿を消し、Amazon等でのみ、在庫分が販売されている状態です。
後継機は、Y750シリーズです。
テスト機のスペック
今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。フラッグシップノートPCというだけはあるスペックを誇っています。このPCを使って、性能を検証していきます。
model | Legion Y740(17) 81UJ002MJE |
---|---|
ディスプレイ | 17.3インチ FHD IPS液晶(1920x1080px、144Hz) |
CPU | Intel Core i7-9750H 6コア12スレッド・2.6GHz(TB 4.5GHz) |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 2080 Max-Q 8GB GDDR6 |
メモリ | 32GB |
SSD | 1TB (NVMe/M.2) |
HDD | 1TB |
電源 | 230W |
OS | Windows10 Home 64bit(英語) |
OSが、Windows10の英語版です。英語版とは言え、初期の言語設定で「日本語」を選択してあげれば、日本語で使用することが出来ます。
前述のように、現状(2020/12/20時点)でLenovoでの販売は終了しており、Amazon等で在庫分の販売がされています。
外観・デザイン
天板
天板はいたってシンプルです。艶消しブラックの天板に、「LEGION」のロゴが記されています。
側面・インターフェース類
Legion Y740のインターフェース類は、背面に集中しています。まるで、ドッキングステーション一体型ノートPCと言えそうなほどです。
背面のインターフェースは、左から順に、miniDP、HDMI、USB3.0、有線LAN、USB3.1、電源コネクタです。
背面にインターフェースがまとまっているため、実際に使用する際には、配線が非常にすっきりします。
本体右側のコネクタは、USB3.0のみです。
本体左側のコネクタは、マイク・イヤホンコンボジャック、USB3.1 Type-C(Thunderbolt3対応)です。
本体前面には、インターフェースはありません。
キーボード・タッチパッド
Legion Y740は英語版のOSが入っているだけあって、キーボードも英語版です。
個人的にはテンキーの配置がちょっと慣れないです。
打鍵感は悪くなく、音はかなり静かです。ゲーミングPCらしく、虹色に輝きます。
タッチパッドは、キーボードからある程度距離が離れているため、ミスタッチも起こりにくく、好感が持てます。
イルミネーション
電源を入れると、この天板の「LEGION」のロゴの「O」部分が光ります。
イルミネーションは、専用アプリ「iCUE」(CORSAIR iCUE)で調整することができます。
また、キーボードの「Fn」を押しながら、「スペース」キーを押すことで、設定したイルミネーションを切り替えることが出来ます。
重さ
本体の重さ
本体の重さを計りました。
項目 | 重量 |
---|---|
公称値 | 約2.9kg |
実測値 | 3.031kg |
17インチのディスプレイを搭載するLegion Y740(17)の重さは伊達じゃないです。3kgオーバーの、3031gでした。
公称値より約5%重たかった計算です。誤差の範囲ではあるのでしょう。
電源アダプタ
電源アダプタは230Wの物が付いています。個人的に持っているDELL G5 5500と同じサイズです。198mm×98mm×27mmと、結構なサイズ感です。
PC側のコネクタはLenovo製品ではよくある形状の、四角いコネクタです。
重量は、772g。
コードを入れて、972gと約1kgでした。
本体と電源ケーブルで、約4kg。基本は、「運べる固定PC」という概念で使うべきPCなのではないでしょうか。
VR性能測定結果
ここからは、Legion Y740(17)の性能を検証していきます。「サーマルモード」は、「性能」に変更して検証しています。
設定の変更は、繊維用アプリ「Lenovo Vantage」から出来ます。
クイック設定の「サーマルモード」を変更します。
Oculus推奨スペックとの比較
Oculus推奨GPUの下限のスペックのPCとの比較をします。
- CPU:Intel Core i5 4590
- GPU:GEFORCE GTX 1060-6GB
- メモリ:8GB
今回テストしたRTX 2080 Max-Q搭載モデルの実測値を基に計算しています。
※Oculus推奨スペックを100とした時の、Legion Y740(17)の性能
項目 | 説明 |
---|---|
3Dmark TimeSpy | DirectX 12対応の描画性能を示しています。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Dmark FireStrike | DirectX 12対応のVRの描画性能を示しています。Orange Roomよりもリッチなグラフィックを使用します。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Cinebench CPU | CPU全体の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
Cinebench SingleCore | CPUのコア1つ分の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
memory | メモリーの容量を示しています。 Oculus推奨の8GBを100とした場合の値です。 |
Oculus推奨性能に対して、ほぼ2倍程度の性能を発揮しています。ノートPCでこれだけの性能を発揮できているのは驚きです。
解像度とフレームレートの関係
解像度を変えてVRMARKを実行しました。横軸が画素数、縦軸がフレームレートです。
VRMARKで記載されているフレームレートはPCが1秒間に何枚絵を描けるか、という値です。
このPCが絵を描くフレームレートが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のリフレッシュレートに達しない場合は中間のフレームが補完される場合があります。頭の動きの少ないアプリであれば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の半分のリフレッシュレートを目指すというのも手です。
Oculus Quest系は、2020年10月のアップデートで表示が変りました。
Oculus Rift S:リフレッシュレート80Hz
- 4.9Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 5.9Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest:リフレッシュレート72Hz
- 9.4Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2272設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 5.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 7.2Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 9.4Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest 2:リフレッシュレート72Hz、80Hz、90Hz
- 8.7Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2096設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 6.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 8.6Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 1.1Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus QuestやOculus Quest 2で使う場合には、ほぼレンダリング解像度設定は標準の「1.0」の設定で描写しきれそうな性能を持っています。ただ、レンダリング解像度を上げたり、そもそも解像度の高いHMDを使用する場合、性能不足を感じる可能性があります。
Legion Y740(17)は、Oculus推奨性能の約2倍の性能を持っています。
通常は性能不足を感じることなく、使用できるでしょう。
VRスコア・コスパ
項目 | スコア |
---|---|
VRスコア 数字が高いほど高性能 | 175 |
VRコストパフォーマンス 数字が高いほどお得 | 74※ |
性能はノートPCとしては、最高峰のものと言えます。コスパについては、HDDを搭載したり、17インチモニターであったりするために、上記のスコア以上の付加価値が得られるでしょう。
PC基本性能測定
ベンチマークアプリPCMARK10の測定結果を表示します。ゲーム以外の目的としてLegion Y740(17)を使った場合の能力を示しています。
デスクトップPCのCPUとして現在の売れ筋CPU「INTEL CORE i5-10400」を積んだデスクトップPCと比較をします。
※INTEL CORE i5-10400のベンチマーク結果を100とした時の、Legion Y740(17)の性能
ベンチマークアプリ「PCMark10」の結果を記載しています。スコアはCPUの1コアの能力に依存しやすい傾向があります。
項目 | 説明 |
---|---|
OverAll | PC全体の性能を示しています。 |
Essentials | アプリの起動などPCの動作の処理性能を示しています。 実際にアプリの起動速度やブラウザ等を使って、処理能力を数字化しています。 |
Productivity | WordやExcelと言ったOffice系アプリの処理性能を示しています。 OpenOffice系のアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
Digital Content Creation | 写真・動画・3Dグラフィックスなどのクリエイティブ系アプリの処理性能を示しています。 GIMP等のクリエイティブアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
デスクトップPCと比較しても、遜色のない性能を持っています。
通常の作業では、デスクトップ型のゲーミングPCと比べても遜色のない性能を発揮します。ただし、より発熱が厳しくなるクリエイティブ系処理能力はデスクトップPCの8割程度となります。
定番ベンチマーク結果
前述の物を含めて、定番のベンチマーク結果を並べます。VR用途としては十分な性能を持っています。
ベンチマーク | スコア |
---|---|
SteamVR Performance Test | 平均忠実度:11.0(非常に高い) テストされたフレーム:15216 |
VRMARK | Orange Room : 7295 Cyan Room: 6530 Blue Room: 2546 |
3DMARK | Time Spy: 7891 Fire Strike: 17620 |
PCMARK10 | OVERALL: 4737 Essentials: 8662 Productivity: 7012 Digital Content Creation: 4749 |
CINEBENCH R20 | CPU: 2820 Single Core: 459 |
FINAL FANTASY XV | 高品質: 8029(快適) |
FINAL FANTASY XIV | 最高品質: 13839(非常に快適) |
ストレージ
Cドライブ
PCIe 3.0 x4対応の高速SSDが搭載されています。
Dドライブ
Dドライブは、お借りした機体には、SaeGateのものが入っていました。
HMDを接続してみた
Oculus Rift S
Oculus Quest
Oculus Quest 2
Vive Cosmos Elite
Pimax 8k Plus
まとめ
Lenovoの2019年夏モデルのフラッグシップゲーミングノート「Legion Y740(17)」の性能を見てまいりました。
現在(2020/12/22時点)でも十分ハイスペックなノートPCです。
ゲームもクリエイティブ用途でも十分満足できる性能を持っています。
現状型落ちモデルとなっているので、更にお得感が出ています。
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