E-ink 7.8インチAndroid端末「BOOX Nova Pro 7.8」が予想以上に”紙”だった話
以前からスマートフォンでは活字を読むことが多く、目が疲れる為E-ink端末に注目していましたが、スペック的に気になる端末「BOOX Nove Pro 7.8」を購入しましたので、使用感をまとめます。
BOOX Nova Pro 7.8の特徴
私が買ったときには、「BOOX 7.8 Grey Case」がおまけで付いて4万円弱でしたが、今はケースは付かないようです。
E-ink搭載
特記すべきは、E-ink端末ということです。
E-inkとは、”電子ペーパー”のことです。アメリカのE ink社が開発した物で、液晶や有機ELディスプレイのように自分自身は光らないので、目に優しく、まさに紙の様な見た目になるのが特徴です。AmazonのKindle Paperwhiteが有名ですね。
電子ペーパーは光を反射して白・黒を表示するのを得意としています。
光の動きとしては紙と同じですので、目に優しく疲れにくい特徴があります。
反面、高速な書き換えや階調・色の表示は苦手としています。BOOXも白黒16階調の画面となっています。
また、当然フロントライトも付いていますので、くらいところでの読書も出来るようになっています。
Android6.0 + Google Play対応
上記のKindle PaperwhiteはAmazonの独自OSを搭載しているので、Kindleで購入した本しか読めません。
対して、BOOX Nova Pro 7.8はAndroid搭載、且つ、Google Playに対応しています。
これによって、Kindle以外の電子書籍も読める可能性があります。
ちょうど良い画面の大きさ
画面の大きさが7.8インチです。これがどの程度の大きさなのかと言うと、本体サイズは、A5の本とほぼ同じです。
ちなみに、上の写真のBOOXは電源を切った状態です。E-inkは表示を変えるときにだけ電気を流すので、絵を表示したまま電源が切れるんです。面白いですね。
この前レビューを上げたVR原論と比べるとこんな感じ。横幅は、スタイラスペンの分だけBOOXの方が長くなっています。
紙面とBOOXの画面サイズを比べてみると、BOOXの方が一回り小さいイメージです。
軽い
重量 | |
BOOX Nova Pro 7.8 | 275g |
BOOX Nova Pro 7.8 + ケース + ペン | 365g |
(参考)iPad mini | 301g |
本体の重量は、iPad miniよりも若干軽く、275gです。ちなみに、上記のVR原論は470gです。
A5サイズで300gならば、本によってはBOOXの方が軽いということです。
ワコムペンに対応した電子ノートとして使える
純正でスタイラスペンが付いてきます。スラスラとノートのように書けます。
EvernoteやDropbox、Onenoteに対応しているようです。実際書き心地は良いのですが、私はこの機能は使わないかなと思っています。
その他主要スペック
スクリーン | 7.8″HD Eink Carta スクリーン(16階調) |
解像度 | 1872×1404(300dpi) |
SOC | Cortex-A17 1.6GHz クワッドコア |
メモリー | 2GB |
ストレージ | 32GB |
フロントライト | 暖色 + 寒色 の2つ |
通信 | WiFi Bluetooth4.1 |
OS | Android6.0 |
USB | Type-C |
バッテリー | 2800mAh |
外寸 | 196x137x7.7mm |
重量 | 275g |
性能としては、4~5年前のスマートフォン程度です。
スマートフォンの画面がフルカラーなのに対して、BOOXは16階調しかない点を考えると、電子書籍端末として使う分には、このスペックで十分な気はします。ストレージが少ない点が気になるところでしょうか。
悪く言うと、電子書籍端末としてしか使えない可能性があります。
購入初期の設定
残念ながら、購入直後に何も見ずに使える、と言う物ではありません。初期に設定が必要です。
設定について、示された手順通りの部分は省略しますが、Kindleを読むために必要な手順を記載します。
ファームウェアのアップデート
まずは、画面左下の「設定」をタップしてください。下記の写真の様な画面が映るかと思います。
私が購入したものは、購入直後は、下記の写真のバージョンが「2019-04-02~」となっていました。この状態では、Google Playがまともに動きません。まずは、下記の写真の矢印で書いた部分にある「バームウェアアップデート」を行って、最新の物に更新が必要です。
Google Playを有効化する
「設定」→「アプリ」と画面を進めてから、下記の写真の矢印の部分「Google Playを有効化」にチェックを入れます。
その後、Googleアカウントを設定した後、「アプリ」の画面内に追加で表示される「GSF ID」をタップし、Googleの設定を有効化します。ファームウェアをアップデートしていないと、この部分で躓きます。
実際に使ってみた感想
Kindleアプリ
Kindleを入れてみました。
下記が実際にページめくりをしてみた動画です。解像度は落としていますが、雰囲気が伝わるでしょうか。
ページめくりは多少もたつきはありますが、気にならない程度です。
次にBOOXとKindleのコミックの表示の相性が悪いというレビューがあったので、コミックを表示してみました。
どうでしょうか。こちらも実用レベルだと思います。
とは言え、実はこれは画面のリフレッシュの設定を変更しているから、この動きが出来ています。下記の写真の「A2」と表示されている部分をタップして、「A2」が表示されるようにしてください。こうすることによって、リフレッシュの回数が減り、画面の動きの追従性が上がります。欠点も当然あって、ゴースト線(直近の表示が残る)が発生します。「A2」が表示されている状態での表示は、新聞などの質の悪い紙の印刷物の様に裏面の印刷が透けて見えているようなイメージを持ってもらえば良いのではないでしょうか。
文字は問題なく読める。
ページめくりも問題ない。
Sony Reaerアプリ
SonyのReaderアプリも入れました。
こちらはインストール時にChromeのインストールを要求されました。
Chromeは本来なめらかに縦スクロールします。この動きはE-inkにとっては苦手な動きとなりますので、、上記のリフレッシュの設定を「A2」にしておかないと、遅延がひどい状態になります。逆に言うと、「A2」の設定にしておけば、なんとか動きます。
ReaderアプリはChromeの点以外は問題なく動いています。
Kindleと動作上は似たような物ですので、割愛します。
まとめ
E-ink搭載のAndroid端末BOOX Nova Pro 7.8を購入してみました。
私が普段使っている書籍アプリである、KindleとReaderは問題なく動作しました。
A5版の本よりも軽量でここまで表示できるのであれば、E-inkもとうとう実用域に入ってきたと言っても過言ではないのではないでしょうか。
けっして安い端末ではないのですが、スマートフォンやタブレットで本を読まれる方には、お勧めできる機種ではないでしょうか。
電子書籍端末として十分使える画面の広さ
ページめくりも実用範囲内
A5の専門書よりは軽い
Android端末なので、いろいろな電子書籍アプリが使える
目に優しく、目が疲れにくい
高価(約4万円)
スマートフォンやタブレットに比べると、動作がかなり遅いため、電子書籍端末としてしか使えない
ストレージが32GBしかないのに外部ストレージに対応していない
アプリのカスタマイズが必要(トラブルに対して自己解決出来る知識が要る)
(追記:2019/08/06)初期設定について詳しいサイト
前のサイトに初期設定が詳しく載っています。「SKT株式会社」からも購入できるようです。Twitterで「ケース、フィルム、チャージャー」が付くとコメントいただいたのですが、どこから購入すれば付属品が付くのか、調べきれませんでした。
(追記:2020/5/9)後継機BOOX Nova 2について
BOOX Nova Proの後継機であるBOOX Nova 2を購入しましたので、使用感をまとめています。ご参考までに。
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