【VR】Oculus Rift S発表 180度3D写真・動画撮影家に最適なVRゴーグルとは
2019/03/21にOculus Rift Sの発表がありました。既存のOculus Riftの強化版です。
180度3D写真や動画の撮影を楽しむには、現状でどのVRゴーグルが買いだと判断できるか、理由を記載致します。
Oculus Rift Sの進化の方向性
2019年春に発売されるPCに接続するタイプのVRゴーグルです。
Oculus Rift Sと他Oculus Riftと比較
Oculus Rift S | Oculus Rift | |
プラットホーム | PC接続 | PC接続 |
解像度(片目) | 1280 x 1440 | 1080×1200 |
リフレッシュレート | 80Hz | 90Hz |
視野角 | 115度 | 110度 |
ディスプレイ | 液晶 | 有機EL |
トラッキング方式 | インサイドアウト | アウトサイド・イン |
外部センサー | 不要 | 必用 |
トラッキング | 6DoF | 6DoF |
価格(ドル) | $399 | $349 |
価格(円) | ¥49,800 | ¥45,000 |
IPD調整(瞳孔間距離) | ソフトウェア | ダイヤル |
ザックリと特徴を表すと、「より簡素化して使いやすくしたVRゴーグル」というイメージです。開発元のFacebookとしては、ハイスペックを求めず、普及型VRゴーグルとして位置づけているのではないでしょうか。スペックが大きく上がったのは、解像度ですが、後述するVive Pro等よりは劣ります。
ディスプレイを液晶にして低コスト化、トラッキング用の外部センサーを不要として、低コスト且つ、簡素化した点が大きな点です。
また、瞳孔観距離の調整用ダイヤルも無くなり、簡素化されています。
Oculus Rift Sと他社新機種との比較
直近で発表・発売されているPC接続型のVRゴーグルと比較します。
HTCの最新機「Vive Pro」とHPのWindows MR機の最新機「HP Reverb」と比較します。
Oculus Rift S | Vive Pro | HP Reverb | |
プラットホーム | PC接続 | PC接続 | PC接続 |
解像度(片目) | 1280 x 1440 | 1440 x 1600 | 2160 x 2160 |
リフレッシュレート | 80Hz | 90Hz | 90Hz |
視野角 | 115度 | 110 | 114度 |
ディスプレイ | 液晶 | 有機EL | 液晶 |
トラッキング方式 | インサイドアウト | アウトサイド・イン | インサイドアウト |
外部センサー | 不要 | 必用 | 不要 |
トラッキング | 6DoF | 6DoF | 6DoF |
価格(ドル) | $399 | $7,99 | $599 |
価格(円) | ¥49,800 | ¥101,520 | 訳¥67,000 |
Vipe ProやHP Reverbと比較すると、解像度が低いことが分かります。
また、価格が圧倒的に安く抑えられています。Oculus Rift Sが普及型VRゴーグルを目指しているという戦略が見え隠れしています。
Oculus製品群との比較
次にOculus製品群とスペックの比較を見てみます。
Oculus Rift S | Oculus go | Oculus Quest | |
プラットホーム | PC接続 | スタンドアロン | スタンドアロン |
解像度(片目) | 1280 x 1440 | 1280 x 1440 | 1600 x 1440 |
リフレッシュレート | 80Hz | 60Hz,72Hz | 72Hz |
視野角 | 115度 | 110度 | 不明 |
ディスプレイ | 液晶 | 液晶 | 有機EL |
トラッキング方式 | インサイドアウト | インサイドアウト | インサイドアウト |
外部センサー | 不要 | 不要 | 不要 |
トラッキング | 6DoF | 3DoF | 6DoF |
価格(ドル) | $399 | $200 | $399 |
価格(円) | ¥49,800 | ¥24,624 | ¥49,800 |
トラッキング方式はより外部センサーの必要ない、インサイドアウト方式に移行しています。
また、価格も日本円で¥50,000以下と安価になっています。
Oculus Rift Sと他社旧機種との比較
以上より、Oculus Rift Sがハイスペックを求めるのではなく、低コスト化を進め普及型を目指していることが分かります。
では、他社旧機種と比較した場合どうなるでしょうか。
Oculus Rift S | Vive | Windows MR初期型 | Samsung Odyssey | PSVR | Vive Focus | |
プラットホーム | PC接続 | PC接続 | PC接続 | PC接続 | PS4 | スタンドアロン |
解像度(片目) | 1280×1440 | 1080×1200 | 1440×1440 | 1440×1600 | 960×1080 | 1440×1600 |
リフレッシュレート | 80Hz | 90Hz | 90Hz 60Hz | 90Hz | 120Hz 90Hz | 75Hz |
視野角 | 115度 | 110 | 90~105 | 110 | 100 | 110 |
ディスプレイ | 液晶 | 有機EL | 液晶 | 有機EL | 有機EL | 有機EL |
トラッキング方式 | インサイドアウト | インサイドアウト | インサイドアウト | インサイドアウト | アウトサイド・イン | インサイドアウト |
外部センサー | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 | 必用 | 不要 |
トラッキング | 6DoF | 6DoF | 6DoF | 6DoF | 6DoF | 6DoF |
価格(ドル) | $399 | 約$400 | $499 | $625 | ||
価格(円) | ¥49,800 | ¥69,390 | 約 ¥50,000 | ¥59,770 | ¥28,997 | – |
Oculus Rift Sよりもスペックが高い項目にチェックを入れています。
これを見ると、Oculus Rift Sよりも解像度・リフレッシュレートが高い物は、 Samsung Odyssey と、Windows MRの初期製品群。
Samsung Odyssey もWindows MR機ですが、発売当初からスペックが一段上でした。日本では未発売です。Amazonでの並行輸入品では高く付きます。
Windows MRの初期製品群は2017年末にAcer、富士通、Dell、HPがほぼ同等のスペックのVRゴーグルを出しています。
これらの Windows MRの初期製品群 ですが、2019年の1月に約半額のセールがあったようで、物によっては¥30,000弱で買えてしまいます。
180度3D写真・動画を撮る人にとって、最適なVRゴーグルとは
180度3D写真・動画を撮影する人は、VRゴーグルに何を求めるべきか考えます。
鑑賞できること
せっかく3Dで撮影できるのですから、3Dで見える必要があります。これは、上記のVRゴーグル全てが条件を満たしています。
扱いが簡易であること
いざ使うという時に、セッティングが煩雑ではやる気をそがれてしまいます。扱いが簡素であることは大切な要件です。
これを満たすためには、外部センサーが不要なタイプが使いよいでしょう。
待ち時間が少ないこと
撮影した写真・動画が見たい時に見れるとより使いよいです。写真・動画を一度本体かサーバーに転送する必要があるスタンドアロン型は、使いにくい可能性があります。
Insta360 EVOやVuze XRは、直接Oculus Goへの表示が出来るようです。4k以上の解像度でも接続できるならば、この項目はクリアできます。
編集時に即座に見えること
180度3D写真・動画を編集した時、もしくは編集中に即座にVRゴーグルで出来映えを見れると、効率が倍増します。
この項目を満たすためには、PC接続タイプである必用が出てきます。
PC接続が出来ると、Adobeイマーシブ環境が使え、Premiere ProやAfter Effectで編集中に確認が出来ます。これがかなり便利です。
上記の条件を満たすVRゴーグルは?
上記の条件を満たすVRゴーグルは、「Oculus Rift S」「Windows MRの製品群」がこれに該当します。
まとめ
180度3D写真・動画を撮影・編集したい人にとって、「Oculus Rift S」は使い安い製品であることが分かりました。
一方、2017年に発売されているPC接続型のVRゴーグル「Windows MRの初期製品群」も数字上は同等程度の性能を持っていることが分かります。
大きく違ってくるのは、価格です。
Oculus Rift S | ¥49,800 |
Windows MRの初期製品群 | ¥30,000弱 |
ここまでで比較した数字以外の部分での進化はあるでしょう。
しかし、約¥20,000の差があります。これだけあれば、ジンバルを1ランク上げることや、記録媒体を追加する方が有意義なのではないでしょうか。
以上をもって、主に180度3D写真・動画を撮影・編集に使うのであれば、現状で“買い”のVRゴーグルは「Windows MRの初期製品群」だと判断致します。
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