Oculus Quest をPC用HMDにしてしまう「Oculus Link」の純正ケーブルを 買ってみた話

2019年12月25日

Oculus QuestをPC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)化させる機能である「Oculus Link」。

この機能を使うための純正ケーブルが発売されましたので、購入してみました。

※2020年5月のアップデートでUSB2.0ケーブルでもOculus Linkが動作するようになりました。

Oculus Linkとは

Oculus QuestをPCにUSB3.0のケーブルを介して接続して、Oculus Rift Sの代わりにしてしまおうという、Oculus Questの新機能です。

下記に使用感などをまとめていますので、ご参考までに。

なお、対応しているケーブルは、片方がUSB Type-Cの形状のUSB3.0のケーブルです。

サードパーティ製のケーブルも買ってみてテストをしています。ご参考までに。

Oculus Link純正ケーブル

Oculus Linkの純正ケーブルが12/16の週に発売されました。現在はAmazonなどでは手に入らず、公式サイトのみの販売のようです。

USBケーブルが1万円越えです。

光ケーブルを採用しているために、高価になっています。

内容物確認

公式サイトでは、発送まで1週間と書いてありましたが、発注してから2日で到着しました。香港からの発送で、FedExからゆうパックに引き継がれての配送です。

純正だけあって、しっかりとした化粧箱に入っています。

段ボールの中にきれいに収まっています。

中身はきれいに固定されています。

内容物は下記の通り。

  • ケーブル本体
  • クリップ
  • 説明書類

ケーブルだけではなく、クリップが同封されています。

同封されているクリップが秀逸!

このケーブルの構造上、使用時にケーブルをひっかけてしまった時などに、本体のUSB Type-Cの端子を痛めてしまうのではないかと思っていました。

流石に、考えられていたようで、下の写真の様なクリップが付いてきます。

裏面はこんな感じ。

実際に着けてみると、こんな感じになります。

物凄くよくフィットしていて、多少引っ張ったくらいでは動かない程度に固定されます。

「このクリップって元から付いていた?」と思う程度に隙間がありません。

これならば、安心して使用できそうです。

USB Type-C端子

このケーブルは、両端ともUSB Type-C端子です。

Oculus Quest側はL字型。PC側はストレートですね。

重量

公称224gに対して、219gです。

クリップを入れても220g。

公称値に対しては、誤差の範囲で軽い、といったところでしょう。

太さ

百均ノギスでの測定でおよそ直径4.5mmでした。

下の写真の比較対象は、先日購入したSHEAWA製ケーブルとCable MasterのThunderbolt3ケーブルです。

Thundrbolt3のケーブルとほぼ同じ太さと硬さです。SHEAWA製ケーブルと比べると、細く、やわらかいです。

最小曲げ半径

光ケーブルですので、最小曲げ半径があります。これ以上急激に曲げてしまうと、中で光ファイバーが折れてしまう角度を表しています。

このケーブルでは、20mmとなっています。

20mmのイメージは下記の写真で解るでしょう。数字で見るよりもかなり小さいです。

運悪くケーブルを踏んづける等しない限り、この半径でケーブルを曲げることはないでしょう。

使用感

装着感

前述しましたが、クリップの作りが秀逸です。Oculus Questの端子へ全くテンションがかかりません。

ケーブル自身が柔らかいからか、ケーブルが増えた分の重さは感じません。

充電能力

充電器からの供給時

公称値は3Aとなっていますが、2A程度の給電を確認しました。

なお、この時使った充電器は、下記のAnkerの充電器です。

USBハブを介したPCからの供給時

私のPC環境では、PCのUSB Type-CはGPUボックスに占拠されていますので、USBハブを介してUSB Type-Cを出しています。

使用しているハブは、下記の商品です。

結果、PCに接続した場合は、1A弱での給電しかできないようです。上記のハブは電源供給機能があると思っていたのですが、無理だったようです。

標準のUSB3.0ポートの最大電流が0.9Aなので、ポートの性能に依存してしまっています。

このケーブルの給電性能は確かにあるようですが、PC用HMDとして使用するのならば、PCのUSBポートの給電能力に依存します。

当然といえば当然ですが、買ってみるまで分かりませんでした。

PCのマザーボードからの供給

下記の記事で書きましたBTOパソコンのマザーボードのUSB type-Cに直接つないでみました。このマザーボードは一応USB 3.2 Gen2に対応しています。

結果は下記の写真の通り、2Aの供給が確認できました。

この状態ですと、2Aの供給をしながらPCのHMDとして機能するようです。

この状態ならば、Oculus Link起動中のOculus Questのバッテリーはほとんど減らないようです。

サードパーティ製のケーブルとの数字上での比較

では、上記を表にまとめてみます。

サードパーティ製のケーブル(SHEAWA製ケーブル)については、下記の記事にまとめています。ご参考までに。

純正ケーブル SHEAWAケーブル Oculus Rift S
(参考)
長さ5m(実測)5m(実測)5m(実測)
外形4.6mm(仕様)
約4.5mm(実測)
6mm(実測)6mm(実測)
重量224g(仕様)
219g(実測)
266g(実測)
ケーブル硬さ柔らかめ硬め柔らかめ
コネクタ・USB Type-C
・USB Type-C
・USB Type-C
・USB Type-A
コネクタ向きType-C端子の
長い方にL字
Type-C端子の
短い方にL字
USBバージョンUSB 3.2 Gen1USB3.1
電流3A(仕様)
2.0A(実測)
3A(理論値)
1.4A(実測)
最小曲げ半径20mm無し
値段¥10,800¥3,425
(2019/12/22時点)
同封備品クリップ(クリップ付属)

青地は、優れている点赤字は、劣っている点

純正ケーブルは、思ったよりも柔らかく、使用時に邪魔に感じにくくなっています。

まとめ

Oculus純正のOculus Link用ケーブルを購入してみました。

スペックで見るよりも、実物は柔らかく使いやすいです。

ただ、私の環境では、PCのマザーボードに時価刺しした場合しか、急速充電ができません。

PC本体にUSB Type-Cの端子が余っているような環境でない限りは、このケーブルを使いこなせないようです。

純正Oculus Linkケーブルの特徴

  • サードパーティ(SHEAWA)製ケーブルよりも柔らかく、取り回しが気になりにくい。
  • けーるぶの給電能力はあるが、PCの端子次第で、その能力が発揮できないかも。
  • 余程のことがない限り、曲げすぎて光ファイバーを折ってしまうようなことは無さそう。

PCに給電性能が優れたUSB Type-Cの端子が余っている場合は、純正Oculus Linkケーブルで間違いはないでしょう。

ただ、そうでないのならば、サードパーティ製のケーブルで性能的には十分です。USBポートの性能で、給電能力は同じになってしまうのならば、機能の違いはケーブルの柔らかさのみと言えるのではないでしょうか。そこに+¥6,000の価値を見出すかどうか、といったところでしょう。柔らかくて安価なケーブルが出てくれば一番なのですが。