Oculus Quest をPC用HMDにしてしまう「Oculus Link」の純正ケーブルを 買ってみた話
Oculus QuestをPC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)化させる機能である「Oculus Link」。
この機能を使うための純正ケーブルが発売されましたので、購入してみました。
※2020年5月のアップデートでUSB2.0ケーブルでもOculus Linkが動作するようになりました。
Oculus Linkとは
Oculus QuestをPCにUSB3.0のケーブルを介して接続して、Oculus Rift Sの代わりにしてしまおうという、Oculus Questの新機能です。
下記に使用感などをまとめていますので、ご参考までに。
なお、対応しているケーブルは、片方がUSB Type-Cの形状のUSB3.0のケーブルです。
サードパーティ製のケーブルも買ってみてテストをしています。ご参考までに。
Oculus Link純正ケーブル
Oculus Linkの純正ケーブルが12/16の週に発売されました。現在はAmazonなどでは手に入らず、公式サイトのみの販売のようです。
USBケーブルが1万円越えです。
光ケーブルを採用しているために、高価になっています。
内容物確認
公式サイトでは、発送まで1週間と書いてありましたが、発注してから2日で到着しました。香港からの発送で、FedExからゆうパックに引き継がれての配送です。
純正だけあって、しっかりとした化粧箱に入っています。
段ボールの中にきれいに収まっています。
中身はきれいに固定されています。
内容物は下記の通り。
- ケーブル本体
- クリップ
- 説明書類
ケーブルだけではなく、クリップが同封されています。
同封されているクリップが秀逸!
このケーブルの構造上、使用時にケーブルをひっかけてしまった時などに、本体のUSB Type-Cの端子を痛めてしまうのではないかと思っていました。
流石に、考えられていたようで、下の写真の様なクリップが付いてきます。
裏面はこんな感じ。
実際に着けてみると、こんな感じになります。
物凄くよくフィットしていて、多少引っ張ったくらいでは動かない程度に固定されます。
「このクリップって元から付いていた?」と思う程度に隙間がありません。
これならば、安心して使用できそうです。
USB Type-C端子
このケーブルは、両端ともUSB Type-C端子です。
Oculus Quest側はL字型。PC側はストレートですね。
重量
公称224gに対して、219gです。
クリップを入れても220g。
公称値に対しては、誤差の範囲で軽い、といったところでしょう。
太さ
百均ノギスでの測定でおよそ直径4.5mmでした。
下の写真の比較対象は、先日購入したSHEAWA製ケーブルとCable MasterのThunderbolt3ケーブルです。
Thundrbolt3のケーブルとほぼ同じ太さと硬さです。SHEAWA製ケーブルと比べると、細く、やわらかいです。
最小曲げ半径
光ケーブルですので、最小曲げ半径があります。これ以上急激に曲げてしまうと、中で光ファイバーが折れてしまう角度を表しています。
このケーブルでは、20mmとなっています。
20mmのイメージは下記の写真で解るでしょう。数字で見るよりもかなり小さいです。
運悪くケーブルを踏んづける等しない限り、この半径でケーブルを曲げることはないでしょう。
使用感
装着感
前述しましたが、クリップの作りが秀逸です。Oculus Questの端子へ全くテンションがかかりません。
ケーブル自身が柔らかいからか、ケーブルが増えた分の重さは感じません。
充電能力
充電器からの供給時
公称値は3Aとなっていますが、2A程度の給電を確認しました。
なお、この時使った充電器は、下記のAnkerの充電器です。
USBハブを介したPCからの供給時
私のPC環境では、PCのUSB Type-CはGPUボックスに占拠されていますので、USBハブを介してUSB Type-Cを出しています。
使用しているハブは、下記の商品です。
結果、PCに接続した場合は、1A弱での給電しかできないようです。上記のハブは電源供給機能があると思っていたのですが、無理だったようです。
標準のUSB3.0ポートの最大電流が0.9Aなので、ポートの性能に依存してしまっています。
このケーブルの給電性能は確かにあるようですが、PC用HMDとして使用するのならば、PCのUSBポートの給電能力に依存します。
当然といえば当然ですが、買ってみるまで分かりませんでした。
PCのマザーボードからの供給
下記の記事で書きましたBTOパソコンのマザーボードのUSB type-Cに直接つないでみました。このマザーボードは一応USB 3.2 Gen2に対応しています。
結果は下記の写真の通り、2Aの供給が確認できました。
この状態ですと、2Aの供給をしながらPCのHMDとして機能するようです。
この状態ならば、Oculus Link起動中のOculus Questのバッテリーはほとんど減らないようです。
サードパーティ製のケーブルとの数字上での比較
では、上記を表にまとめてみます。
サードパーティ製のケーブル(SHEAWA製ケーブル)については、下記の記事にまとめています。ご参考までに。
純正ケーブル | SHEAWAケーブル | Oculus Rift S (参考) | |
---|---|---|---|
長さ | 5m(実測) | 5m(実測) | 5m(実測) |
外形 | 4.6mm(仕様) 約4.5mm(実測) | 6mm(実測) | 6mm(実測) |
重量 | 224g(仕様) 219g(実測) | 266g(実測) | ー |
色 | 黒 | 黒 | 黒 |
ケーブル硬さ | 柔らかめ | 硬め | 柔らかめ |
コネクタ | ・USB Type-C ・USB Type-C | ・USB Type-C ・USB Type-A | ー |
コネクタ向き | Type-C端子の 長い方にL字 | Type-C端子の 短い方にL字 | ー |
USBバージョン | USB 3.2 Gen1 | USB3.1 | ー |
電流 | 3A(仕様) 2.0A(実測) | 3A(理論値) 1.4A(実測) | ー |
最小曲げ半径 | 20mm | 無し | ー |
値段 | ¥10,800 | ¥3,425 (2019/12/22時点) | - |
同封備品 | クリップ | - | (クリップ付属) |
青地は、優れている点:赤字は、劣っている点
純正ケーブルは、思ったよりも柔らかく、使用時に邪魔に感じにくくなっています。
まとめ
Oculus純正のOculus Link用ケーブルを購入してみました。
スペックで見るよりも、実物は柔らかく使いやすいです。
ただ、私の環境では、PCのマザーボードに時価刺しした場合しか、急速充電ができません。
PC本体にUSB Type-Cの端子が余っているような環境でない限りは、このケーブルを使いこなせないようです。
- サードパーティ(SHEAWA)製ケーブルよりも柔らかく、取り回しが気になりにくい。
- けーるぶの給電能力はあるが、PCの端子次第で、その能力が発揮できないかも。
- 余程のことがない限り、曲げすぎて光ファイバーを折ってしまうようなことは無さそう。
PCに給電性能が優れたUSB Type-Cの端子が余っている場合は、純正Oculus Linkケーブルで間違いはないでしょう。
ただ、そうでないのならば、サードパーティ製のケーブルで性能的には十分です。USBポートの性能で、給電能力は同じになってしまうのならば、機能の違いはケーブルの柔らかさのみと言えるのではないでしょうか。そこに+¥6,000の価値を見出すかどうか、といったところでしょう。柔らかくて安価なケーブルが出てくれば一番なのですが。
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