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GPUボックスはどれくらいの電源容量の物を選ぶべきか

GPUボックス

Thunderbolt3端子を持つノートパソコンをググっと強化してくれるアイテムにGPUボックスというものがあります。

多少非力なノートパソコンでも、強力なGPUを外付けで取り付けてしまえるものです。

さて、このGPUボックス、電源容量が高い物が次々に出てきていますが、実際にどれくらいの電源が必要なのでしょう。無駄に高い物を買っていないでしょうか。

試してみたもの

GPUボックス:AKiTiO Node

初代のAKiTiO Nodeを持っています。

余計な機能は一切ないタイプのGPUボックスです。電源は400Wの物を積んでおり、公称ではGPUには390W供給できるとされています。

AKiTiOの現行品は、電源も強化されていますが、果たしてこれだけ大きな電源が必要なのでしょうか。

GPUボード:「MSI GeForce RTX 2080 SUPER VENTUS XS OC」

BTOパソコンに付いてきたGPUボードです。現行(’20年7月時点)でもハイエンドの部類に入るGPUボードです。

公式サイトでの電力に関する記載は下記の通りです。

・消費電力:250W

・推奨電源ユニット容量:650W

https://jp.msi.com/Graphics-card/GeForce-RTX-2080-SUPER-VENTUS-XS-OC/Specification

動かしてみる

AKiTiO NodeにRTX 2080 PUPERを載せてみます。

取り付けてみる

AKiTiO NodeはGPUボード用の8ピンの補助電源ケーブルが2本(6+2ピンが2本)あるので、接続自身は問題なく出来ます。

奥行にもまだまだ余裕があります。

ベンチマークアプリを動かしてみる

使用したPCは、DELL G5(5500)です。

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Thunderbolt3が付いているので、GPUボックスがつながります。

ベンチマークアプリ「3DMARK Time Spy(v1.0)」

少し古いですが、ベンチマークアプリは「3DMARK Time Spy(v1.0)」を使いました。高負荷をかけれれば良いだろうという考えです。

電力を見てみる

待機電力

ベンチマークアプリを動かしていない場合の待機電力は、20W以下でした。10~15Wくらいをふらふらしています。

高負荷時

ベンチマークアプリは3回連続で走らせました。

ベンチマークアプリを動かすとググっと増えます。150~250Wくらいまでをふらふらしていました。最も消費電力が大きかった時に294W(下の写真)を示しました。ずっと観察していましたが、300Wを超えることはありませんでした。

結果まとめ

以上のことからまとめていきます。

AKiTiO Nodeの公称の駆動電力は10Wとなっていました。実測した電力からAKiTiO Nodeの駆動電力を引くとRTX 2080 SUPERの駆動電力が分かるはずです。

各電力は下の表のようになっていました。

RTX 2080 SUPERの状態公称実測
低負荷状態5~10W
高負荷状態250W~274W

公称値よりは、消費電力が大きくなっています。ギリギリの電源では不安定になる可能性はあるのかもしれません。

ところで、お気づきになったでしょうか。

・推奨電源ユニット容量:650W

https://jp.msi.com/Graphics-card/GeForce-RTX-2080-SUPER-VENTUS-XS-OC/Specification

そう、「推奨電源ユニット容量」は、GPUボックスにとっては全く意味をなさない数字と言えます。

GPUボックスに必要な電源容量

以上のことから、GPUボード「RTX 2080 SUPER」は定格電力250Wよりは10%程度大きな電力を食っていたことが分かりました。

また、メーカーの公式サイトに書いてある「推奨電源ユニット容量」と比べると半分程度の電力しか消費していないことが分かりました。

推奨電源ユニット容量(Recommended PSU)とは何なのか

では、推奨電源ユニット容量とは何なのでしょうか。

この時の電源ユニットというのは、PC全体での電源ユニットを差していると考えるべきでしょう。

つまり、GPUボードのみならず、CPUもメモリーもSSDやHDDも全部コミコミで動かす場合の電力が、この「推奨電源ユニット容量」です。

この電源ユニットを積んだGPUボックスを購入する必要はあるでしょうか? GPUボックスはGPUボードしか動かしませんので、推奨電源ユニット容量は、明らかにオーバースペックになります。

GPUボックスに必要な電源容量

以上を踏まえると、GPUボックスに必要な電源容量をいくらにすればいいのかが分かってきます。

マージンを取って、GPUボックスに必要な電源容量を考えてみましょう。

実測から、定格電力の10%多く電力を使っていた点を考慮すると、マージンを見て、必要な電源容量の80%でGPUボードの定格電力が賄えることとして考えます。

GPUボードの駆動電力は大目に見て20W一定と考えます。

GPUボックスに必要な電源容量(W) ≒ GPUボードの消費電力(W) ÷ 0.8 + GPUボックスの駆動電力(20W)

GPUボードの
消費電力
GPUボックスに必要な
電源容量
商品名(例)
400W520W
350W458WMSI GeForce RTX 2080 Ti LIGHTNING Z
300W395WMSI GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIO
295W389WELSA Quadro RTX8000
280W370WTITAN RTX
250W333WZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 SUPER AMP
※製品の定格使用時を想定しています。GPUボードをオーバークロック等、定格で使用しない場合は、消費電力は大きく変動します。

意外と、電源容量400WしかないAKiTiO NodeでもRTX 2080 Tiが動きそうです。さらに言うと、高価なTITANやQuadro RTX8000だって、物理的に入るのならば動きそうです。

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MSI社のサイトでは、公称の消費電力が掲載されていますが、ASUS社のサイトでは未掲載でした。パッと目に付くGPUボードメーカーのサイトを覗き、消費電力が掲載されているか見てみました。

メーカー消費電力掲載推奨電源ユニット容量掲載
MSI
ASUS×
ROTAC
玄人志向×
GIGABATE×
ELSA

ASUSや玄人志向のページだけ見てしまえば、650Wもの電源を積んだGPUボックスを購入してしまいそうですね。

まとめ

今回実測からGPUボックスに必要な電源容量を考察いたしました。

大雑把に言って、下記の式でGPUボックスの電源スペックを決めれば良さそうです。

GPUボックスに必要な電源容量(W) ≒ GPUボードの消費電力(W) ÷ 0.8 + GPUボックスの駆動電力(約20W)

前提がGPUボードを定格で動かした場合である点は注意が必要です。オーバークロックや駆動電圧を上げると、GPUボードの消費電力は一気に上昇します。

ハードな使い方を想定しているのならば、余裕を持った電源選びをお勧めいたします。

普通に定格で使う分には、GPUボックスの電源は500Wもあれば、十分事足りると考えて良いでしょう。

例外:ドッキングステーションを兼ねたGPUボックス

上記の商品のように、ドッキングステーションを兼ねたGPUボックスは、GPUボックス自身がある程度の電力を消費しています。公式サイトから、電力に関する部分を抜き出すと、下記の通りです。

GPU Max. Power support: 300 Watts

Internal Power Supply : 500Watts

https://www.sapphiretech.com/en/consumer/gearbox-thunderbolt-3-egfx-solution

この場合は、「300WまでのGPUが使える」とだけ考えれば良いでしょう。

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