Oculus Rift S・Windows MR 180度3Dカメラで撮った動画をPCで立体に視る方法

2019年6月10日

現状、Insta360 EVOやVuze XRと言った180度3Dカメラで撮った映像をPCにVRゴーグルを繋いで見ようとすると、正しく表示されなかったり、立体視出来なかったりとハードルが高くなっています。

せっかく自分で撮った180度3D動画を、自分のPCのVRゴーグルで見るための方法の一つを、下記にまとめます。

準備した物

VLC media plyaer

今回は動画ファイルの変換用に使います。本来はプレーヤーですが、ちょっとした変換もしてくれます。

DeoVR Video Player

SteamVRにある無料のプレーヤーです。

今回の検証用に使います。

下記の記事にも書いていますが、個人的に使い安く感じており、動画の再生にはこれを使うことが多いです。

動画ファイル

今回使った動画ファイルは、180度3Dカメラで撮影した映像を編集後、GoogleのVR180 Creatorでメタデータを付けた物です。これをVLC media palayerで再生すると、360度動画と勘違いしますし、DeoVR Video Playerでは、左目の情報しか取り扱ってくれません。

動画の変換作業

Insta360 EVOやVuze XRといった180度3Dカメラで撮影した映像を対応するソフトウェアでMP4に出力した後の処理について、書いていきます。

VLC media playerの操作

まずは、VLC media plyaerを立ち上げます。

立ち上がったら、メニューの左端の「メディア」をクリックします。

出てくるメニューの中の「変換/保存」をクリックします。

 

「メディアを開く」というウインドが開きます。ファイルを選択欄に、立体視したいファイルをドラッグ&ドロップします。もしくは、「追加」ボタンを押してエクスプローラーから追加してもかまいません。
この時、複数のファイルを選択してあげると、一気に変換してくれます。慣れてきたら、一気に変換してあげると良いかと思います。

 

ファイルを追加し終わったら、右下の「変換/保存」ボタンを押します。

 

「変換」というウインドが開きます。下の画面で赤い矢印で示している、真ん中右側の「新しいプロファイルを作成」というアイコンをクリックします。

 

「プロファイルのエディション」というウインドが開きます。
始めに「プロファイル名」に適当な名前を付けましょう。今回は「origin」としていますが、何でもかまいません。
名前を付けたら、「カプセル化」のうち、元ファイルのファイル形式合わせたファイル形式を選択します。今回は、MP4ファイルなので、「MP4/MOV」を選択します。

 

次にタブ「ビデオコーデック」をクリックします。「ビデオ」と「オリジナルのビデオトラックを保持」にチェックを入れます。

 

次にタブ「オーディオコーデック」をクリックします。「オーディオ」と「オリジナルのオーディオトラックを保持」にチェックを入れます。
ここまで出来れば、右下の「作成」を押します。これで新しいプロファイルが作られました。

 

「変換」のウインドに帰ってきます。「プロファイル」を先ほど作ったプロファイルを選択します。
次に、出力ファイルに適当な名前のファイル名を入力して下さい。

テキストが選択されてませんでした

 

なお、入力元で複数のファイルを選択している場合は、下の画面のようになり、主力ファイルは勝手に決まります。

 

ここまで出来れば、「変換」ウインドの右下の「開始」を押すと変換が始まります。
下の画面のように、変換の進捗が分かるようになっています。

 

これで、ファイルの変換は終了です。

作ったファイルの検証

前章でVLC media palayerを使ってファイルを作ってみました。

エクスプローラーを開くと、確かに、左右の絵のサイネム表示がされています。

 

ダブルクリックしてVLC media palayerで開くと、平面の動画として処理されています。

 

元ファイルを再生すると、360度動画と勘違いします。マウスでグリグリ視点を動かすことが出来ますが、本来見たい見え方ではありませんね。

次に、DeoVR Video Player出見てみます。下の画面の様に、平面視設定・「FLAT」設定にすると、先ほどと同じように、両目の情報が見えています。

この状態で、「SBS(サイドバイサイド)」・「180°」設定にしてあげると、立体視が出来ました。

なお、この時、DeoVR Video Playerの設定で、「STEREO MODE IN PLAYER」をONにしておかなければ、立体視は出来ません。

まとめ

以上で、Insta360 EVOやVuze XRといった180度3Dカメラで撮影した映像を、Oculus Rift SやWindows MRで立体視出来るファイルに変換することが出来ました。

今回作ったファイルは下記の記事で書いたアプリでも、同様の設定で立体視が出来ました。

結局何をしたかというと、下記の通り。

動画データ未加工
音声データ未加工
メタデータ転送されていない

元のファイルには、「VR180のファイルですよ」という情報が入っていたのに対して、出力データはこのデータが入っていない、違いはこれだけです。

つまりは、元ファイルのメタデータを取り除くアプリがあれば、この作業は不要となります。

個人的には、元ファイルは余りいじりたくないので、この方法は妥当な線なのでは無いでしょうか。