【実機レビュー】DELL XPS 13 9380:RTX3060Tiをモバイルノートに付けてみる【VRを試す】■Core i7-8565U /16GB /RTX3060Ti(eGPU)■
DELL様より、スタイリッシュなモバイルノートPC「XPS 13 9380」をお借りしました。このXPS 13 9380はTHuderbolt3ポートを二つも搭載しています。GPUボックスを用いればVRを楽しめるのではと思い、検証してみましたので、まとめます。
テスト機:DELL XPS13 9380のスペック
今回お借りしたPCのスペックは下記の通り。このPCの性能を検証していきます。
お借りしたモデルは、4k・タッチパネル搭載のモデルです。
model | DELL XPS 13 9380 |
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CPU | Core i7-8565U 4コア8スレッド 2.4GHz(TB 4.6GHz) |
GPU | CPU内臓GPU(Intel UHD Graphics 620) |
メモリ | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | なし |
電源 | 45W |
OS | Windows10 Home 64bit |
用意した物:Razer Core X
項目 | Razer Core X |
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メーカー | Razer |
サイズ(高さx横x奥行き)(mm) | 230x168x374 |
内寸(mm) | 160x57x330 |
内蔵電源 | 650W |
電源能力が650Wと高めのGPUボックスです。これにRTX 3060 Tiを差してテストします。
Razer Core Xには、Thunderboltケーブルが付属しません。今回は下記のケーブルを用いてテストを行いました。
GIGABYTE GV-N306TGAMING OC-8GD
GIGABYTE製のRTX 3060 Tiです。GIGABYTEのモデルの中では中の下と言ったモデルです。
VR性能測定結果
Oculus推奨スペックとの比較
Oculus推奨GPUの下限のスペックのPCとの比較をします。
- CPU:Intel Core i5 4590
- GPU:GEFORCE GTX 1060-6GB
- メモリ:8GB
ZenBook 13は、モバイルPCでありながら、Oculus推奨CPU以上の性能を発揮します。このPCにGeForceを接続して、GPUを強化してあげれば、下のようにOculus推奨性能を上回る能力を持つことになります。
※Oculus推奨スペックを100とした時の、DELL XPS 13 9380 + RTX 3060 Tiの性能
項目 | 説明 |
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3Dmark TimeSpy | DirectX 12対応の描画性能を示しています。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Dmark FireStrike | DirectX 12対応のVRの描画性能を示しています。Orange Roomよりもリッチなグラフィックを使用します。 Oculus推奨のGTX1060 6GB(Desktop)を100とした場合の値です。 |
Cinebench CPU | CPU全体の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
Cinebench SingleCore | CPUのコア1つ分の計算能力を示しています。 Oculus推奨のIntel Core i5 4590を100とした場合の値です。 |
memory | メモリーの容量を示しています。 Oculus推奨の8GBを100とした場合の値です。 |
今回お借りしたモデルのCPUは、Core i7-8565Uです。モバイル向けの低消費電力タイプのCPUです。世代も3世代ほぼ古い物ですが、何とかOculus推奨CPUよりも高い性能を発揮します。
DELL XPS 13 9380は本来はVRを楽しめるほどのGPU性能は無いのですが、GPUボックスを介してRTX 3060 Tiを積むことによって、十分なグラフィック性能を手に入れています。
解像度とフレームレートの関係
解像度を代えてVRMARKを実行しました。横軸が画素数、縦軸がフレームレートです。
VRMARKで記載されているフレームレートはPCが1秒間に何枚絵を描けるか、という値です。
このPCが絵を描くフレームレートが、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)のリフレッシュレートに達しない場合は中間のフレームが補完される場合があります。頭の動きの少ないアプリであれば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の半分のリフレッシュレートを目指すというのも手です。
Oculus Quest系は、2020年10月のアップデートで表示が変りました。
Oculus Rift S:リフレッシュレート80Hz
- 4.9Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 5.9Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest:リフレッシュレート72Hz
- 9.4Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2272設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 5.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 7.2Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 9.4Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
Oculus Quest 2:リフレッシュレート72Hz、80Hz、90Hz
- 8.7Mpx:レンダリング解像度設定「1.0x」※(4128 x 2096設定)
※レンダリング解像度の倍率の表示は、PCのスペックによって変化する場合があります。
2020年10月以前の表示
- 6.4Mpx:グラフィック設定「パフォーマンスを優先」
- 8.6Mpx:グラフィック設定「バランス」
- 1.1Mpx:グラフィック設定「品質を優先」
DirectX 11のOrenge Room・Blue Roomでは、Oculus Quest 2のレンダリング解像度設定「1.0x」で、90Hz以上出ています。
RTX 3060 Tiを接続したことによって、CPU・GPU性能共に、Oculus推奨PCの性能を大きく上回っています。
VRを十分楽しめる性能と言えるでしょう。
VRスコア・コスパ
項目 | スコア |
---|---|
VRスコア 数字が高いほど高性能 | 132 |
VRコストパフォーマンス 数字が高いほどお得 | 51※ |
元々アルミ一枚物の筐体を持っていたり、4kタッチパネルディスプレイを持っていたりするプレミアムPCであるDELL XPS 13 9380は、ベンチマーク結果からのみ計算している上記のコスパは高くなりません。
PC基本性能測定
ベンチマークアプリPCMARK10の測定結果を表示します。ゲーム以外の目的としてDELL XPS 13 9380 + RTX 3060 Tiを使った場合の能力を示しています。
デスクトップPCのCPUとして現在の売れ筋CPU「INTEL CORE i5-10400」を積んだPCと比較をします。
※INTEL CORE i5-10400のベンチマーク結果を100とした時の、DELL XPS 13 9380 + RTX 3060 Tiの性能
ベンチマークアプリ「PCMark10」の結果を記載しています。
項目 | 説明 |
---|---|
OverAll | PC全体の性能を示しています。 |
Essentials | アプリの起動などPCの動作の処理性能を示しています。 実際にアプリの起動速度やブラウザ等を使って、処理能力を数字化しています。 |
Productivity | WordやExcelと言ったOffice系アプリの処理性能を示しています。 OpenOffice系のアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
Digital Content Creation | 写真・動画・3Dグラフィックスなどのクリエイティブ系アプリの処理性能を示しています。 GIMP等のクリエイティブアプリを使って、処理能力を数字化しています。 |
クリエイティブな作業もこなせるようになっていますが、モバイルPCであるために、デスクトップPCと比べると、オフィス系アプリの演算能力で物足りなさを感じるかもしれません。
現在主流のCore i5搭載PCと比べると、演算能力が劣ります。
第10世代デスクトップ用CPUと、第8世代モバイルCPUを比べていることを考えると、妥当な結果ではないでしょうか。
HMDを接続してみた
Oculus Rift S
Oculus Quest
近日公開予定
Oculus Quest 2
Vive Cosmos Elite
Pimax 8k Plus
まとめ
スタイリッシュなモバイルノートPC「DELL XPS 13 9380」に、GPUボックスを介して、GeForce RTX 3060 Tiを接続してみました。
・グラフィック性能は、VRを十分に楽しめる性能まで押し上げることが出来る
・重たいアプリではCPU性能がボトルネックとなることがある
DELL XPS 13 9380 + RTX 3060 Tiと言う構成では、GPUは有り余る性能を持っているのに対して、CPU性能がボトルネックとなることがあります。
通常、ゲーミングPCでは、CPUは過剰な性能を載せています。「CPU性能がボトルネックにならない状態」が一般的である他のPCのベンチマーク結果と比較した場合、「DELL XPS 13 9380 + RTX 3060 Ti はベンチマークの値のわりに遅いPC」と言えるでしょう。
とは言え、3世代前のモバイルCPUでここまでVRが使えるというのも事実です。
モバイルノートでVRを楽しむ一つの選択肢として、GPUボックスという手はありなのではないでしょうか。
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