【初心者向け】VRに使えるデスクトップPCの選び方(2020年11月版)

2020年9月21日

低価格ながら高性能なHMD(ヘッドマウントディスプレイ)であるOculus Quest 2が発売されました。量販店でも売っており、これを機にVRを楽しめるPCを始める方もいらっしゃるでしょう。

Oculus Quest 2単体でも十分に楽しめますが、PCとつなげれば数も豊富で、よりリッチな映像のアプリが楽します。

この記事では、出来るだけコストをかけずにパソコンでVRを楽しむためには、どういうパソコンを選べば良いのかをまとめます。

なお、ノートPCを選ぶ基準は、下記にまとめていますので、ご参考までに。

VRをノートPCで始めるには

必要なもの

デスクトップPCでVR体験を始めるためには、下記の4つが必要です。

  1. PC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)(コントローラ含む)
  2. パソコン本体
  3. ディスプレイ(何でも良い)
  4. キーボード・マウス

パソコンでVRを楽しむ分には、ディスプレイはどんなものを使っても構いません。何故なら、VRで楽しんでいる間は、HMDを身に着けているので、ディスプレイ見ないのです。FHD(解像度1920×1080)1万円くらいのもので十分ですし、テレビを占有して良いのなら、テレビにつなげてしまっても構いません。

高い物では無いけれど、無いと困るのが、キーボードとマウスです。デスクトップPCにはキーボードもマウスも付いていないモデルがあります。最低限、キーボードとマウスがあるかどうかの確認が必要です。

予算

全て新品で購入したとした場合を考えます。

予算はおよそ下記の通りです。場所が許して、パソコンをいじるのが苦にならないのならば、デスクトップPCの方が安く上がりますし、足りない部分だけ交換をすることで長く使えるでしょう。

また、パソコンとは熱を出すものですが、熱くなりすぎると壊れてしまうので、性能に制限がかかります。デスクトップPCの方が大きい分冷やしやすい分だけ、部品の性能が引き出せると言った特徴もあります。

項目ノートPCデスクトップPC
パソコン本体約10万円~約8万円強~
ディスプレイ不要約1万円~
HMD約4万円~約4万円~
合計約14万円~約13万円~

2020年9月・10月に続々と新しい製品が発表されたため、PCもHMD(ヘッドマウントディスプレイ)も、相場が下がっています。8月に比べると合計で5万円程度相場が下がっています

今回は、デスクトップPCに焦点を置きますが、パソコンを選ぶ基準は同じです。

お勧めHMD

VRを体験するには、VRゴーグルとも呼ばれるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が必要になります。最初の1台としてお勧めできる機種としては、下記のOculus Quest 2一択です。

Oculus Quest 2

HMD単体でも使えて、且つ、PC用HMDとしてでも使えるモデルです。Facebookのアカウントを使う必要はありますが、初代Oculus Questと比べると、性能自身が大幅にアップしています。

PCとUSBで接続してPC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)として使用出来る「Oculus Link」機能も搭載されています。

性能は下記の記事にまとめつつありますので、ご参考までに。

その他

後継機のOculus Quest 2が発表されるタイミングで、生産停止になりました。HMD単体でも使えて、且つ、PC用HMDとしてでも使えるモデルです。

初めてHMDを体験するのならばOculus Questをレンタルで試すのも手ではないでしょうか。この画質で満足できるのならば、次はOculus QuestとノートPCを買えばいいのです。

また、Oculus Quest付属のUSB2.0のケーブルでPCに繋げば、PC版HMDとして使える点も魅力です。配線がごちゃごちゃしません。

2021年に生産停止になると発表されました。今から初めてHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を購入するのならば、Oculus Quest 2です。

Oculus Questに比べると、ツブツブ感(スクリーンドア現象)が少なく映像が綺麗に見えます。また、画素数自身は少ないため、PCへの負荷が小さい点も魅力です。

PC用HMDの多くは、下の写真のようなDCアダプタを繋ぐ必要があります。その点、Oculus Rift SはDCアダプタは不要です。Oculus Rift Sの電力はPCのUSBから供給されるのでスマートです。

【例】PC用HMD、Vive CosmosのDCアダプタ。そこそこ邪魔です。

Oculus Rift SはノートPCで使うには最も適したモデルです。

デスクトップPCのスペックは何を見ればいい?

新品のノートPCを購入することを前提として、スペックのどこに注目すればいいのかをまとめます。

GPU

GPUとは、パソコンの中の絵を描く担当をしている部品です。このGPUの性能が高いほど綺麗な絵を描けます。

VR用のパソコンを選ぶ際には、ここが一番大事且つ、ここだけ見ていれば良いとも言えます。

PC用HMDを動かす場合、NVIDIA社のGeforceシリーズか、AMD社のRadeonシリーズのGPUが必要になります。

PC用HMDの推奨スペックを見ると、GeforceシリーズのGTX 1060以上を選べば良いという風に書いてあります。

なお、GTX 1060は一つ前の世代です。現行のGeforceシリーズでは、GTX 1660以上を選びましょう。

具体的には、GTX1660, GTX1070, GTX1080, RTX2060, RTX2070, RTX2080のいずれかが載っているノートPCを選ぶことになります。

NVIDIA社のGeforceシリーズは、同じ型番でおよそ3種類のグレードが展開されます。

例えば、GTX1660ならば性能は、下記の通りです。

GTX1660 < GTX1660SUPER < GTX1660Ti

また、NVIDIAのGefoceという部品を使って各メーカーがグラフィックボードを作ります。作るときに、部品を加速させて頑張らせた物には「オーバークロック」という意味で「OC」と付ける場合が多いです。

これらの「SUPER」や「Ti」・「OC」にしても、GTX1660やRTX2060と言った大元の型番の性能飛び越えることはまずありません。

何もないより「SUPER」の方が強くて「Ti」はもっと強い、程度の認識で良いでしょう。

GTX1650搭載PCをお借りして評価しました。

結論は、GTX1650でもOculusシリーズならばそこそこ楽しめます。お試しならばこれでも動きます。

が、リッチな映像のアプリでは、性能不足で引っ掛かりを感じるときがあります。VRでは、描画が遅れると「VR」酔いが起こりやすくなります。

新規にPCを購入されるのでしたら、GTX 1660以上のGPUの載ったPCをお勧めします。

2020年9月にRTX3000シリーズが発売になりました。従来のGPUの2倍の性能で、従来品と同じ価格帯のGPUです。高スペックなPCが欲しいのならば、RTX3000シリーズを選ぶべきでしょう。

RTX 3060 Tiが低価格帯の商品となりますが、まだまだ値段がこなれるには時間がかかります。

コストパフォーマンスを見ると、RTX3000シリーズの発表で値段が下がってきているRTX2000シリーズやGTX1660搭載モデルの価格が下がってきており、コスパ高めです。

CPU

CPUとは、パソコンの中のリーダーに相当する部品です。なんでもできる万能部品で、他の部品に指示を出しながら、自分も複雑な計算をこなします。

PCでGeforce GTX1060以上を積んでいるモデルは、CPUも十分な性能を持っています。PC用HMDを動かす点に関しては、CPUは注目しなくても良いです。

メモリー

メモリーは8GB以上であれば余程重たいアプリ以外は動きます。GPUがGTX1660以上のものでメモリーが8GBより少ない物はまずないので、メモリーも気にしなくて良いです。

ただし、自分で増設する自信が無い方は16GBあれば動作が安定します。

また、目的のアプリがある場合は、推奨メモリを調べておいた方が良いでしょう。Oculusの大作RPG「Asgard’s Wrath」は16GB無いと辛いです。

ポート類

DisplayPort

2019年以降のPC用HMDは、DisplayPort接続が標準です。

ゲーミングPCと銘打っているデスクトップPCならば、気にする必要はありません

強いて言うならば、通常使うディスプレイ用に1つ、HMD用に1つの計2つが付いていることを確認しましょう。

USB

最低限1ポートが空いていれば良いので、USBの数は気にしなくても良いでしょう。

見るべきスペックまとめ

前述の見るべきスペックをまとめます。

項目見るべきスペック
GPUGefoce GTX1660以上
CPU気にする必要なし
メモリー気にする必要なし(8GB以上あれば可、16GBあれば尚良し)
ポート類気にする必要なし(DisplayPortが2つ以上)

比較サイトで調べるのならば、GPUがGTX1660以上のグラフィックボードが載っているタイプを選べば問題ありません。

具体的には、GTX1660, GTX1070, GTX1080, RTX2060, RTX2070, RTX2080, RTX3060, RTX3070, RTX3080,RTX3090の中から選びます。

目的に合ったディスクトップPCを選ぶ

下記からは最低ラインのスペックは備えているデスクトップPCを紹介していきます。

VRに使えるデスクトップPCは、オフィスPCと比べると、グラフィックボードを載せる関係で大きくなっています。

コスパ重視

とにかく出費を抑えたいという場合、GPUがGTX1660以上であるかどうかが判断基準となります。

汎用の部品で構成できるPCとなり価格が抑えられる反面、大きめに設計されています。デスクトップPCと言いつつ、机に載せるには少々大きいサイズ感です。

Lightnig AJ5

ドスパラのゲーミングPCです。GTX1660を積んで、8万円強です。

ケースの作りもよく考えられており、将来スペックも上げ易い作りになっています。

created by Rinker
ドスパラ
¥82,478 2020/11/17
項目参考スペック※
CPUAMD Ryzen 5 3500
GPUGTX 1660
メモリー8GB
キーボード・マウスあり
サイズ(幅x奥行x高さ)190 x 420 x 360 mm
電源550W
拡張性
※モデルによって変わります。

余裕があるなら、メモリーは16GBにした方が良いでしょう。買った後「足りないな」と思った時に、増設しても良いかもしれません。

G-GEAR GA3A-B200/T2

GTX 1660Tiを積んだモデルです。CPUのAMDのRyzen 3 3100は4コア8スレッドMax3.9Ghzのもので、第8世代Core i7程度の性能を発揮します。

グラフィックボードは長さ30cmまでに対応。将来的な拡張性も見込めます。

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パソコンのTSUKUMO
¥95,800 2020/10/20
項目参考スペック※
CPUAMD Ryzen 3 3100
GPUGTX 1660 Ti
メモリー8GB
キーボード・マウス別売り
サイズ(幅x奥行x高さ)190 x 475 x 435 mm
電源550W
拡張性
※モデルによって変わります。

省スペース

ある程度の拡張性を持ちつつ、机に置いても邪魔になりにくいモデルです。専用設計となるため、コスト・拡張性が犠牲となります。

iiyama LEVEL-M0B4-R535-RXS

いわゆるミニタワー型と呼ばれるモデルです。SSDの容量が少なすぎますが、11/24までのセールで9万円を切っています。

項目参考スペック※
CPURyzen 5 3600
GPUGTX 1660 SUPER
メモリー8GB
キーボード・マウスあり
サイズ(幅x奥行x高さ)190 x 410 x 356 mm
電源500W
拡張性
※モデルによって変わります。

iiyama LEVEL-M0B4-R535-RXS

いわゆるミニタワー型と呼ばれるモデルです。9万円強とお手頃な価格帯です。

項目参考スペック※
CPURyzen 5 3500
GPUGTX 1660 Ti
メモリー8GB
キーボード・マウスあり
サイズ(幅x奥行x高さ)190 x 410 x 356 mm
電源500W
拡張性
※モデルによって変わります。

G-GEAR mini

コンパクトなサイズ感にも関わらず、35cmのグラフィックボードを載せれるスペースを確保したモデルです。
GTX 1660モデルで11万円弱、RTX 2060モデルで12万円弱。1万円の差でしたら、よりリアルな映像が楽しめるレイトレーシング機能があるRTX 2060モデルをお勧めします。

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パソコンのTSUKUMO
¥109,780 2020/10/20
項目参考スペック※
CPUIntel Core i5-9400F
GPUGTX 1660
メモリー8GB
キーボード・マウス別売り
サイズ(幅x奥行x高さ)183 x 390 x 300 mm
電源500W
拡張性
※モデルによって変わります。

Lenovo IdeaCentre T540 Gaming

オフィスPC並みにコンパクトなPCですので、机の上に置いても違和感がありません。

コンパクトなため、電源の容量も小さく拡張性はあまりありませんが、増設しなくても十分なパフォーマンスを持っています。

現在(2020/11/17時点)で、直販サイトではセールを含んで10万円強。コストパフォーマンスは非常に高いです。

項目参考スペック※
CPUIntel Core i7-9700
GPUGTX 1660 SUPER
メモリー16GB
キーボード・マウスあり
サイズ(幅x奥行x高さ)145 x 303 x 366 mm
電源310W
拡張性×
※モデルによって変わります。

デモ機をお借りしてレビューを書きました。ご参考までに。

DELL G5 ゲーミングデスクトップ

直販サイトでは頻繁にセールを実施しているDELLの省スペースデスクトップPCです。現在(2020年11月17日)直販サイトではセールで10万円を切っています

項目参考スペック※
CPUIntel Core i7-10700F
GPUGTX 1660 Ti
メモリー8GB
キーボード・マウスあり
サイズ(幅x奥行x高さ)169 x 367 x 308 mm
電源500W
拡張性
※モデルによって変わります。

まとめ

VR体験が出来るPCを新規に購入する場合、以下の1点のみに注目すれば問題ありません。

VR用ノートPCの選び方

  • GPUがGeforceシリーズ GTX1660以上(GTX1070, GTX1080, RTX2060~2080, RTX3060~3090)
    ※中古PC・リフレッシュPCは除く

現在(2020/10/20)の価格帯としては税込み9万円強からと言ったイメージです。

これに、1万円前後のディスプレイと、キーボード・マウス、肝心のHMDを買えば、VRを楽しめます。

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ノートPCと比べ、そろえるものは多くなりますが、好みでカスタマイズできるのもデスクトップPCの魅力です。

また、直販サイトは早ければ週替わりでセールをやっています。大きい時には20%引きなんてことも。買いたい時が買い時なのかもしれませんが、ちょっと様子を見てみるのも良いかもしれません。

created by Rinker
ドスパラ
¥82,478 2020/11/17