Oculus Quest 2:Oculus Link時のバッテリーの減りの簡易検証
Oculus Quest 2をUSBでPCに繋ぐと、PC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)として使えてしまう「Oculus Link」という機能があります。
この「Oculus Link」を使っていると、じわじわバッテリーが減ると聞き、実際どうなのか検証してみました。
前提:Oculus Quest 2の充電能力
Oculus Quest 2にはUSB Type-Cポートが付いています。本体に付属して、USB Type-Cケーブルも付いているので、充電にはこのケーブルを使っている方が多いのではないでしょうか。
Oculus Quest 2を充電する場合にテスターを当てると分かりますが、どんな充電器を使っても、電圧は5V程度で固定、電流は充電器やケーブルによって、0.5~2.0A程度と変化します。
純正のOculus Linkケーブルは2.0A流せることを謳っていました。同様に、PD対応のUSB3.0以上のケーブルなどを使っても、2.0A程度の充電が出来ます。
以上を踏まえて、検証してみます。
USBの充電の規格については、下記のサイトが分かりやすく書かれています。が、規格がありすぎでどの規格が適用されているのか、判断が難しいところです。
検証条件
Oculus Quest 2をPCに接続して、RPGアプリ「Asgard’s Wrath」を立ち上げ「エーギルの館」で30分放置します。
Oculus Quest 2の画面が消えないよう、頭にかぶったまま放置しました。
なお、Oculus Link使用時は、Oculus Quest 2では表示とコントローラ等の入力の担当だけで、PCで映像を作り出しているため、何を映し出してもOculus Quest 2のバッテリーの減りはあまり変わらないはずです。
RPGアプリ「Asgard’s Wrath」を立ち上げている理由は、Oculus Quest 2の画面が消えた時に、PC上で「ポーズ」と表示されるため、長時間の画面OFFを防げます。
使用機器
Oculus Quest 2・Oculus Quest
今回は、比較のため、Oculus Quest 2と共に、初代Oculus Questも使用しました。
PC:FRONTIER GB(2020年初旬モデル)
タワー型のPCを使用しています。このPCには、大電力が流せるPD (Power Delivery) 対応のUSB Type-Cが無いのですが、後述するディスプレイをハブ代わりに使用することで、PD対応のUSB Type-Cを手に入れています。
ディスプレイ:DELL U2720Q
このディスプレイは、USBハブの機能を持ち、且つ、PD機能も持っています。
PC自身にPD対応のUSBポートが無くても、このディスプレイを通してUSBを繋ぐと、Oculus Questシリーズが充電出来てしまうという、Oculus Link時に便利なディスプレイです。
USB Type-CのポートはPD対応、USB Type-Aも急速充電に対応し、確認した限りでは5V・2A強の電力が供給できます。
検証結果
Quest 2(86%) → PD対応USB Type-C
純正Oculus Linkケーブルを、PD対応のUSB Type-Cポートに差しました。
開始時
開始前のOculus Quest 2のバッテリーは86%でした。
PD対応ポートに差しているものの、1A弱しか流れていません。
30分後
30分後、バッテリーは79%まで減っていました。
ただ、充電量が1A未満から1.3~1.4A程度まで増えています。バッテリー残量で充電量が調節されているようです。
Quest 2(79%) → 急速充電対応USB Type-A
開始時
前述の続きで検証をしています。開始時のバッテリー残量は79%です。
充電量は、USB Type-Cと変わらず、電流は1.3~1.4Aをふらついています。
30分後
バッテリー残量は1%減り、78%になっていました。
なお、充電量は若干増え、1.3~1.5Aの間をふらついています。やはりバッテリー残量で給電量が変るようです。
Quest 2(78%) → 急速充電非対応USB Type-A
開始時
充電時の電流は、0.5A弱です。写真下に見えているのが、USB3.0のハブです。急速充電には対応していません。
30分後
Oculus Quest 2のバッテリーは64%まで落ちました。
充電量は、0.5A弱から変わらずです。
Quest 2 → PD対応USB Type-C(確認のみ)
バッテリー残量64%の状態で、PD対応のUSB Type-Cポートに差してみると、2A程度の電流が流れていました。
バッテリー残量78%の時の電流よりも増えていますので、この状態で使用してもバッテリー残量が減ることはなさそうです。
Quest 2(28%) → PD対応USB Type-C
開始時
Oculus Quest 2 のバッテリー残量は26%でした。
USBケーブルには、10W程度流れています。
30分後
Oculus Quest 2 のバッテリー残量は40%にまで増加していました。
USBケーブルにも10W程度流れています。
Quest 1 → PD対応USB Type-C
比較のために、初代Oculus Questを試してみます。
開始時
Oculus Questのバッテリー残量は64%でした。
USB Type-Cからの充電量はかなり多く、2Aを超えています。
30分後
Oculus Questのバッテリー残量は、75%となりました。なんと、開始時よりも増えています。初代Oculus Questは、純正Oculus Linkケーブルを使用すると、エンドレスでPC用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)として使用できるようです。
なお、この時の充電量は、1.3~1.4Aと、開始時よりも減っています。
Oculus Link時の充電能力
点数は少ない物の、Oculus QuestとOculus Quest 2のOculus Link時の充電能力をグラフにしてみました。
これを見ると、電力供給の制御はOculus QuestとOculus Quest 2で違いはなさそうです。
Oculus Quest 2のバッテリー残量の変化
充電能力の異なる3つのポートで使用した時の、Oculus Quest 2のバッテリー残量の変化をグラフにしました。
前述の3種類、つまり、充電能力が10W(電流2A程度)、4.2W(電流0.8A程度:USB3.0規格相当)、2.0W(電流0.4A程度:USB2.0規格相当)の3つのポートです。
USBポートの能力 | バッテリーの減り | Oculus Link 使用可能時間 |
---|---|---|
10W | むしろ増える | 無限 |
4.2W(USB3.0規格相当) | 一時間当たり約15% | 6~7時間 |
2.0W(USB2.0規格相当) | 一時間当たり約30% | 3~4時間 |
USBポートとバッテリーの減り具合の目安が出来たのではないでしょうか。
まとめ
Oculus Link時の充電能力について分かったことは、下記の通り。
・Oculus Quest 2、Oculus Quest共に、バッテリー残量によって、充電能力が制御されている。
・Oculus Quest 2・Oculus Quest共に、急速充電対応のUSBポートに繋げば、エンドレスでOculus Linkが使える
・急速充電対応のUSBポートであれば、USB Type-C・USB Type-A選ばず、1Aを超える電流で充電出来る。
急速充電対応のUSBポートを使う点がミソのようです。
今回は、ディスプレイをUSBハブ代わりに使用しました。
また、どうしてもPCからの給電が見込めない場合は、下記のようなPD対応のUSBハブをかますことによって、Oculus Quset 2でOculus Linkをちょっとだけ長く楽しめそうです。
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